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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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マウス

アート=スピーゲルマン著。出版社名忘れた。全2巻

「アウシュヴィッツを生き延びた父親の物語」という副題がついているので読んだ人も多いかな。
その名のとおり、ホロコーストものである。ちょっと変わっているのは、作者がアメリカの前衛的な漫画家で、ユダヤ人=ネズミ(タイトルはここから来てる)、ポーランド人=豚、ドイツ人=猫、アメリカ人=犬、フランス人=カエル、と戯画化したこと。
副題どおり、アウシュヴィッツから生還した体験を持つ父親に、漫画家の息子がインタビューするという構図で現代と過去とが交錯しながら進む。しかし、同じ体験をした母親は、このインタビューの数年前に自殺しており、病気になった父親は極端な吝嗇家になり、再婚した相手のことも、同じホロコーストの体験者でありながら、自分の財産を狙っていると思い込んでいる。作者にはホロコーストで亡くなった兄がいたが、その存在も「写真の兄はいい子だけど」と劣等感を与えるものだった。

日本の漫画に比べるとこまわりが単調であるとか、台詞がかなり多いなど、読みにくいところもあるかもしれませんが、やはりホロコーストものの傑作の1つに数えていいでしょう。

これを読むと、「すべての良き人びとは帰ってこなかった」というホロコースト帰還者の台詞が胸にしみます。生き延びるためには「いい人」ではだめだった。コルベ神父は有名ですが、その身代わりに生き延びた人びとが無事にホロコーストから帰還したのかは不明なのです。だからこそ、ホロコーストの帰還者には罪悪感がつきまとったのでしょう。その歴史の重たさ、語られる記録の貴重さ。

見かけたらぜひ。

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家畜人ヤプー 完結編

沼正三著。ミリオン出版。

10年以上前に角川文庫版のをタイトルだけで興味を覚えて古本を購入。完結編が出たのがそのころだったんだけど、やっと読んだ。

もっとスケールの大きな話かと思ってたんだけど、意外と箱庭に収まってしまいました。

よく比較されるようですが、途中で飽きた「花と蛇」と違い、600ページ以上の大作、すらすらと読んでしまいました。

全然関係ないんだけど、「キャベジン」のCMに出てる上川隆也さんと女優さんてどういう設定なんだ? 姉弟? 夫婦? 赤の他人?

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光る夏−たつひこ

マオアキラ著。出版社名メモしとかんかった

昭和30年代の宇和島。広島の対岸にあたるこの地にも、戦後10年経った時代にも、ヒロシマの傷痕は確かに刻み込まれて…。乱暴者だが頭もよく、野球の上手いたつひこと、その幼なじみ、みちこの3年ぶりの再会と本人たちも意識していないような淡い恋。

ふとしたきっかけで書名を知りまして、図書館で探してみたら、置いてあったんで読んでみたわけです。作者の方が宇和島出身だというんで、もしかしたら自伝的な話かもしれません。

ただ、最初の1章で後の展開が予想されてしまいました。たきがはの好きなヒロシマものですが、話の設定がステレオタイプすぎるかも。
みちこの幼いころの記憶にある「ヒロシマ」、「男の子が気のある女の子に乱暴する」、「実は女の子の方も憎からず思っている」、「たつひこも被爆してた」、「10年経って発症する原爆症」。
キャラクターの設定と展開があまりにどこかで見たようで、ヒロシマものとしては物足りなかったです。自伝だとしたら、「ステレオタイプ」と言ってしまうのも申し訳ないかもしれません。あの当時の広島や長崎ではそれだけ、そういう人たちが多かったということの裏返しかもしれないわけですから。
でも、「10年経って発症する原爆症」というネタ1つとっても、「夕凪の街、桜の国」という傑作があるわけですよ(こっちは漫画ですが)。あれ読んで、「また、こういう話かぁ」とは思わなかった。

子ども向けですから、たきがはの感じた「ステレオタイプ」というのは子どもにはわからんかもしれないです。子どもには「展開が読める」ということもないかもしれません。
でも、子どものための本だからこそ、「子供だまし」ではなく、真剣勝負してほしいなぁと思いました。
あと、中学生のみちこの(おもってること)が、全部ひらがな、つーのがすごく違和感あって、私的にはだめかも。

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蒼路の旅人

上橋菜穂子著。偕成社。

「守り人」シリーズ外伝2。というより、すでに「守り人」シリーズと並行して、「旅人」シリーズと呼んでもいいようです。「守り人」が、バルサを主人公にどちらかというと私的な視点で描くのならば、「旅人」は異形の皇太子チャグムを主人公に公的、スケールの大きい視点で描きます。時期的に「神」の後ぐらいかと。

「虚空の旅人」でサンガル王国の危機を救ったチャグム。15歳になった彼は、以前からの父との確執が深まり、しかもついに北の大陸にもタルシュ帝国の侵略の手が伸びてきて、その手に落ちてしまう。遠からず新ヨゴ皇国もタルシュに征服されよう。それはカンバルやロタにも伸びるであろう。タルシュの思い通りにならないため、チャグムの選んだ道は、タルシュの征服者には想像もできなかった、困難なものであった。

「虚空」で後の展開が楽しみ、と書いたんですが、こっちにつながりました。でも、チャグムの選んだ道は、いずれバルサやタンダたちにつながり、タルシュの侵略に対抗することになるのだろうと思います。そうあってほしいです。

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アジアから見たナガサキ 被害と加害

岩波ブックレット。

たぶん、何かのシンポジウム(「日本社会文学会長崎大会シンポジウム 核と文学講演会」だと思われる)のまとめではないかと思うのだが、こんなに重大なテーマをわずか64ページで語りきれるはずがない。出席者は総勢13名と多い上、一人ひとりの語りでほとんど終わってしまっていて、尻切れトンボ。個々人の語りについても、互いに意見を交わすという形でもなく、一方的にしゃべって終わり。
シンポジウムがどんな内容だったか知るべくもないが、もうちょっとまとめ方があったんでねぇの?

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