忍者ブログ

されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

長い道

こうの史代著。双葉社。

親同士のヨッパライの約束で結婚してしまった天然の道と、かいしょなしの荘介夫婦のちょっとおかしな日常の物語。

「夕凪の街桜の国」で涙をしぼられたもんですが、こういうほのぼのにこっそり混じるブラックっていうんですか、この独特の味わいも捨てがたい。
一緒に「この世界の片隅で(上)」も買ったんですが、まだ完結してないんで完結してからまとめて読み直そうと思います。

最近、そうでなくても漫画を買わないのですが、こうのさんは新刊で買ってもいいかな、と思いました。それぐらいおもしろかったです。「ジャイアントロボ」はもう決定。

拍手[0回]

PR

魔女の血を引く娘

理論社刊。2冊。セリア=リーズ著。亀井よし子訳。

アメリカがまだイギリスの植民地だった時代。祖母を魔女裁判にかけられて殺されたメアリーは、謎の貴婦人に助けられ、清教徒たちの移民船に乗って新世界アメリカに渡る。けれど、そこでの生活は楽なものではなく、天涯孤独のメアリーはやがて魔女として告発されることになった。(1冊目)

現代のアメリカ。メアリーの残した日記、キルトに隠されたメアリーズ・ペーパーの研究をするアリソンは、メアリーについて本を書いた。先住民の血を引き、呪術師の叔母を持つアグネスは、アリソンの本を読んで、自分がメアリーのことを知っていると確信してコンタクトを取る。叔母の導きでアグネスは逃亡後のメアリーの体験を夢に見る。(2冊目)

1冊目は「メアリーズ・ペーパー」なんでしょう。終始「私」の語りと視線で物語は進むんで。おばあさんが魔女裁判にかけられ、殺されていく過程は迫力があります。現代人のわしらから見ると、ありねーよっ!な疑いが、まさにねじこまれ、無理無理押しつけられ、魔女として裁かれてる方よりも裁いている方が明らかにおかしかったり。
さらにアメリカに渡る移民船の中で、治療師マーサと知り合ったメアリーは、彼女の保護を得られるわけですが、結果的には保護者になりきれなくて、終始メアリーの味方であり、ひいてはメアリーズ・ペーパーを残してくれた功労者の一人でもあったわけですが、あんまり深入りしないというか。マーサもメアリーがビューラの町を逃げ出してしばらくしてから、同じ治療師の技を持つ、ジョウナと町を出ていってしまっているので、とかく居心地の悪いところだったんだろうなとか。
しかし、祖母の影響で森に行くことをためらわず、清教徒のふりをし、先住民とつき合うメアリーは、なんか当人の自覚のないところでずぶずぶと深みにはまっているのが読んでてもどかしかったり。まぁ、魔女狩りの結果とか知ってるからそう思うのかもしれませんが、どう見ても清教徒よりも先住民とつき合ってる方がメアリー向いてそうだし、いっそ町を離れて先住民と暮らしてしまえばいいのに、と思って読んでたので、1冊目のラストはなかなかはらはらしました。

で2冊目。ええと、これはどこまで信じていいのでしょう? 霊感ゼロのたきがはとしては、メアリーの体験を夢に見たというアグネスの話も、メアリーの周囲にオオカミやウサギとなって現れるおかあさんやおばあさんの霊というのはなんとも信じがたく。アグネスは特に霊感が強いと言われても、実際にはい、そうですか、と言ってしまっていいのだろうかと。うーん、アグネスの見たメアリーの夢が、あまりに理路整然とメアリーのその後を再現してるもんで、まぁ、整理した部分もあるんだろうけど、そんなにわしらと死者の霊というのは簡単に行き来できるもんかとか。いや、別にアグネスも簡単にできてるわけじゃないんですけど、なんかそこらへん、おばさんの助けがあって、そのおばさんが偉大な呪術師でとか言われても、容易に信じられんといいますか。見たこともないものを容易に信じるわけにはいかんでしょ? とか言いつつ、たきがはも物でも何でも話しかける方ですけど、なんちゅうかな、話しかけてもスムーズに通じると思ってるわけじゃないし、そりゃあ答えがあればいいとは思いますが、あるなんて期待もしとらんし、あるとも思ってないし。どっちかというと、人間の感じるようには植物とか物とか動物って感じてなかろうし。だからといって、それが無駄だとも思ってないし、自己満足なんですかねぇ?
どっちかというと、「死と彼女とぼく」という漫画がありますが、あれって死者が見える女の子とどんな生き物の声も聞ける男の子の話なんですが、あの漫画の死者と生者ってこんなに簡単に行き来してなかったんだよね。死者には心残りがあって、生者には生者の生活があって、その行き違いがドラマになってたかと思うんですけど、あっちの方が感覚的には近いような気がするんですよ。ちゅうか、いくら呪術師の媒介があるからってさ、死者と生者が話をさくさくできたら、なんかこの世の問題ってもっと楽に片づくようなところもあると思うし。あ、でも、その呪術師がいなくなってるんだとか言われそうですけど、沖縄にもなんかいましたよね、名称忘れたけど。恐山だったらイタコとかさ。死者がこの世を見守っているとかあるなら、なんかもっと敬虔にならなきゃいかんようにも思うけど、実際のところ、どうなんすか? いや、いるとか言われても、わし、わからんし。

閑話休題

だからね、1冊目はノンフィクションでリアルでおもしろかったのに、2冊目は急にリアルさが薄くなっちゃったんだよね、と言いたかったんですよ、ええ。いや、これが小説なら良かったんだけど。巻末に資料として、登場人物の残した日録とか手紙とか掲載してるんだけどさ、肝心のメアリーのその後がなんかとってつけたような気がしてしまいましてね。

拍手[0回]

幽霊男 三つ首塔

横溝正史著。期待外れだったんで、まとめて書く。

「幽霊男」
幽霊男と名乗る不気味な男が起こす、いかがわしいヌードモデルクラブで起こる殺人事件の数々。

横溝正史お得意のどろどろの血縁関係がなく、退廃的な雰囲気のヌードモデルクラブときた時点で路線外している。謎解きもないし、なんか後味の悪い話。

「三つ首塔」
100億円の遺産を巡って起こる殺人事件。語り手、宮本音禰はその相続人の一人だが、それには会ったこともない高頭俊作と結婚しなければならない。だがその高頭俊作は殺され、音禰は高頭五郎と名乗る男に犯され、彼にひかれていき、堕落してしまう。殺人はさらに続き、やがて三つ首塔を訪れた音禰はそこで真実を知るのだった。

横溝正史版ハーレクインロマンス。いや、どろどろの殺人事件期待してるのに、まさか、最後の最後でハーレクインも真っ青な展開になるとは思いませんでしたよ。
解説読むと、なんですか、推理小説界の大御所、横溝せんせ、若いもんには負けんぞ、と現代(執筆当時の)風俗を取り入れ、怪奇ロマンを書いたとか。
いや、人間、退きどころって大事だから。

拍手[0回]

柳橋物語・昔もいまも ひとごろし 生きている源八

何を思ったか、いきなり山本周五郎3冊読み。

「柳橋物語・昔もいまも」
タイトルの2作を収めた中篇。初めて読んだ時にぼろ泣きして、電車の中だったもんで、ずいぶん恥ずかしかった記憶があるが、今回はそれほどでもなく、すれたのかなぁ、と寂しかった。
しかし「柳橋物語」はやはり良い。平凡な町娘、おせんちゃんをこれでもか、これでもか、と襲う様々な出来事。恋に恋する年頃だったおせんちゃんは、それほど好きでもなかった男に「待っていてくれるか」と言われて、うっかり頷いたのが運の尽き、ほんとに好きだったのは誰か、そのことに気づくまで、作者の仕掛ける物語はおせんちゃんをどんどんしんどい方へ向かわせる。でもラスト、血のつながっていない子どもを「自分の子だ」と言えるようになったおせんちゃんに、ささやかな幸せを喜ぶ、周五郎さんお得意の江戸の庶民の逞しさを見るのだ。
「昔もいまも」は実直さだけが取り柄の、ぐずな男の恋物語。

「生きている源八」
死後の刊行だけあって、つまらない。母曰く「本人が出さなかった小説がおもしろいはずがない」。デビュー直後の講談調の話が多いかな。短編集。しょっぱなの話は、「樅の木は残った」の原田甲斐に通じるところがあって、そこだけおもしろかった。

「ひとごろし」
これも短編集。タイトルは物騒だが、周五郎さんが得意とする滑稽物。「忠臣蔵」も「荒木又右衛門」も飽きたら、こんな仇討ちはいかがか。いや、そういう人は周五郎さんのみたいな、ほんとの庶民の話には手を出さんかな。
ちなみに母は時代劇は周五郎さんの小説しか読まない。藤沢周平も池波正太郎も好きじゃない。江戸の、庶民の雰囲気を味わいたかったらお薦めする。ここにはエリートも英雄もいない。

拍手[0回]

悪魔の降誕祭

横溝正史著。角川文庫。

短編3本を収録した一風変わった1冊。横溝ていすとの真骨頂は、おどろおどろしい雰囲気たっぷりの閉鎖的な島とか村と、そこでねじれる人間関係にあると思っているので、当然、そういう舞台は長編のが向いていると思う。で、はたして短編3本ではいかほどか〜と思ったが、いささか期待外れっちゅうか、上記のていすとが薄いもんで、あんまりおもしろくなかった。

「悪魔の降誕祭」
これから起こりうる事件を恐れて、金田一耕助の住むアパートにやってきた依頼人が、名探偵の留守中に殺されてしまった。彼女は人気ジャズシンガー関口たまきのマネージャーだったが、事件から数ヶ月後、情夫と正式に結婚し、引退を表明したたまきの当の夫が、降誕祭、つまり自宅でのクリスマスパーティの最中に殺害される。果たして2つの事件の関係は?

「女怪」
静養を求めてやってきたひなびた温泉宿、その近所には怪しげな占い師の館があり、あろうことか、その館は、金田一耕助憧れのマダムの、亡き夫の戦前の持ち物だった。しかしマダムが何者かに脅迫されていることを知り、名探偵は調査に乗り出すが、そこには彼女の哀しい過去があった…。

「霧の山荘」
静養で訪れたK高原でまたしても名探偵を巻き込む事件発生。迷宮入りした過去の事件の被害者を目撃したという女優、紅葉照子。その招きで訪れた彼女の別荘で、金田一耕助は照子の刺殺体を目撃、霧の中、一帯の別荘の管理人に助けを求めるが、再び訪れた別荘に彼女の死体はなかった。だが、照子の死体は別の場所で発見される。なぜ犯人は死体を動かしたのか? 照子が目撃したという被害者と事件との関わりは? 霧の濃い高原地帯で名探偵の推理やいかに。

ちゅう3本です。映像でも小説でも飄々、悪く言えば朴念仁で女性にはまったく興味のなさそうな金田一さんですが、2本目の「女怪」では憧れどころか、「惚れている」と断言される女性が登場、ちゅうのはかなり変わった1作かも。推理のネタは大したことないけど。
3本目はいささかコメディっぽいですが、やはりどろどろの人間関係を期待している向きには物足りない。
金田一ものであっさりていすとはちょっと違うかな。

拍手[0回]

カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

最新CM

(06/14)
無題(返信済)
(05/29)
(04/27)
甘くない態度(返信済)
(04/26)
謹賀新年(返信済)
(01/04)

プロフィール

HN:
たきがは
HP:
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

かうんたあ

脱原発意思表示Webステッカー

バタリーケージの卵を食べたくない!キャンペーン