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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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アリラン峠の旅人たち

平凡社ライブラリー。安宇植編訳。

「聞き書 朝鮮民衆の世界」とあるように、旅芸人や行商人、妓生、巫女、職人といった、どちらかというと、被差別の対象とされた人びとへの聞き書を通して、朝鮮の伝統文化と社会の底辺に息づく民の生き様、一方で近代化の波に呑まれ、消えていこうとしている文化を描く。

ええ本だと思うんですが、もっとルビを振ってもらえんでしょうか? 人名、地名、固有名詞、読み方がわからんのが多くてかなり辛いっす。たとえば、妓生にしても、キーセンという朝鮮特有の読み方で読むのと日本語風に読むのとでは印象も異なると思われます。
わしが思うに、こういう朝鮮関係の本てルビが少ないような気がする。読ませる工夫をしていただきたいっす。

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聖女の遺骨求む

光文社文庫。エリス=ピーターズ著。大出健訳。

修道士カドフェル・シリーズ。中世イングランドの修道士カドフェルを主人公にしたミステリ・シリーズ。実は社会思想社から出た時からタイトルは知ってましたが、ミステリはあんまり読まんもので、中世ものとはいえ、手を出しかねておりました。

ミステリとしては本格的なトリックを期待してる外しそうですが、カドフェルの修道士にしては一風変わったキャラがなかなか好感持てます。十字軍の勇士で、引退に適当な場所として修道院を選んだという経歴がなかなか…。しかも植物学に造詣深く、クールな分析は中世人というより現代人ぽい感覚ちゅうのが、坊主らしくなくていいキャラであります。

この際、シリーズ制覇といってみましょうか。大して厚くないし。

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雑草にも名前がある

文春新書。草野双人著。

たきがはは道ばたで見かけるたくさんの草花の名前を知りたいと思うことがよくあります。セイタカアワダチソウ、タンポポ、オミナエシ、スズメノテッポウ、オオバコ、こんなところはまだわかりますが、わしは全部の草花の名前を知りたいのです。あの薄くて鋭い葉を持っている草はなんというのだろう。麦のような穂をつけた草はなんというのだろう。知れば、それらは雑草ではなくなります。雑草というのは、人間のつけた傲慢な名前にすぎません。十把一絡げに語る、その他大勢という名前でさえありません。

だから、図書館でこの本を見つけた時はタイムリーと思いましたが、残念ながら、わしの期待していたような草花の図鑑ではありませんでした。

第一に、わしが名前も姿も知ってる草花が半分を占めていました。
第二に、草花についての蘊蓄はまだ許容範囲なんですが、草花から連想する、かといってなんか関係があるわけじゃない雑学の蘊蓄は不要なものでした。

まぁ、新書、それも文藝春秋の新書ですから、期待したわしが馬鹿だったということです。
この本は、タイトルは仰々しいですが、草花の名前や姿を楽しむというより、それも雑学の一部として楽しむ、ぶっちゃけ、雑草の名前なんか知らなくたって問題ないし、知ろうとするだけいいでしょ、的な趣向の読者に向いています。

わしのように、道ばたに生えている草花の名前を全部知りたいなぁ、と思ってる人種には全く向きません。素直に草花図鑑でも読んでなさいってこった。

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ハイブリッド・チャイルド

ハヤカワ文庫。大原まり子著。

めくるめくイメージのワンダーランド。SFというより、センス・オブ・ワンダーと呼んだ方が正しい。あるいはSFとセンス・オブ・ワンダーとは同じものを指す言葉だったのか。

「未来視たち」で描かれたクローンの一族、シノハラの末裔が出ていたり、鮮やかな極彩色の世界が描く未来。

人類が死に絶えても、なお生き延びることのできるサンプルB群たち。不滅の機械帝国と戦うために作られた半人半機械の1体が逃亡の旅に出た。どんな生物のサンプルも取り込んで己の身体を作り替えられるサンプルB群。最初は人に、次は愛玩動物に、次は母に殺された少女に。けれど、己の意志で逃げ出したサンプルB群は、それだけの力がありながら、その後は状況に流されながら、ほとんど自分から行動することなく、逃げていく。

有機体と無機体の融合、雑種(ハイブリッド)の子どもたち。それは進化の果てに人が見る究極の生命体だろうか、それとも…。

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ノービットの冒険〜ゆきて帰りし物語

ハヤカワ文庫。パット=マーフィー著。浅倉久志訳。

タイトルからわかるようにトールキン教授の名作「ホビットの冒険」を下敷きにしたスペースオペラ。どんなもんかと思って借りてみましたが、う〜ん、ちょっと駄目かも。
わし、「ホビット」で誰が好きかっていうと、トーリン=オーケンシールド、ビルボ=バギンズ、ガンダルフなんですね。ま、メインキャラはみんな好き。なかでも最初に読んだ時に誇り高きドワーフのトーリンが好きで好きで、その誇り高さのゆえに最後、滅びてしまうことになるトーリンの死に涙したもんすよ。どうやらたきがはのファンタジーは「誇り高い」がキーワードですな。しかもそれに「傲慢」とかオプションついちゃうともう最高。トーリン=オーケンシールドも、ドワーフの名門の出身です。映画しか知らない人は知らないと思いますが、実は「指輪物語」のギムリも、その一族で、名門中の名門、たかが森エルフの王子に過ぎないレゴラスなんか足下にも及ばんぜ、っちゅう一族なんですよ、ドワーフのなかじゃ。映画じゃただの力自慢のお馬鹿さんぽかったけどな。そのトーリンが、冒険を引っ張っていく、誇り高きゆえに至高の宝に固執し、滅んでいく、その過程の悲しさ、崇高さ、トールキン教授はこういうのうまいんだよね。もう、わしがドワーフだったら、トーリン=オーケンシールドに斧掲げて従うね。ちゅうぐらい魅力的なキャラだったんすよ。最後は滅びちゃうんだけど。でも、ビルボとの別れって、そのトーリンが最後にビルボに謝る(途中は裏切り者と罵る)ところで終わってまして、死に面した時にようやく素直になれたトーリンの誇りが好きだったんだよね。

しかし、この「ノービット」のトーリンに該当するキャラってそこまで魅力ないんだわ。で、ビルボに該当する主人公のベイリーも、すごく強運の持ち主だってだけで、なんていうかな、ビルボには足下にも及ばないんだよな。ビルボってね、あれだけ罵られてもトーリンの死に涙する、いいホビットなんだよ。それでもトーリンが好きだったのさ。すごくいい人で、でもラストにはガンダルフという希代の魔法使いをしても「あんたは成長したな」と言わせるキャラなんだよ。ベイリー、そこまでいってないしな。

これで「ホビット」を下敷きにしてなければ、なかなかおもしろいSFなんでしょうが、やはり「ホビット」を下敷きにした、と言われれば、「ホビット」好きの血が黙っちゃいねぇぜ。

「指輪物語」が現在のファンタジーの、良くも悪くも全ての発進であるのは言うまでもありませんが、気軽に「指輪物語」を越えた、とか書かない方がいいです。わし、「指輪」についてはうるさいっす。オタクですから。

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