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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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カスピアン王子のつのぶえ

C.S.ルイス著。瀬田貞二訳。岩波少年文庫刊。ナルニア国ものがたり2

前巻から1000年以上も経ってしまったナルニア。ナルニアで王、女王となったピーターたち4人兄妹は、寄宿舎に行く途中で何者かに呼ばれ、再びナルニアへ。ナルニアに戻ってきたアスランとともに、4人は正統なる王位後継者、カスピアン王子を助けて、王位簒奪者でカスピアンの叔父、ミラースと戦う。

4人がナルニアを去ってから、ナルニアにとっては苦難の時代となったようです。導入部、駅のホームで電車を待つ子どもたちがいきなり何かに呼ばれて別世界へ行き、そこが変わり果てたナルニアと、かつて王座のあったケア・パラベルの城だったとわかるまで、ぐいぐい引っ張られます。前巻のわりとおとなしめの導入とは大違い。小人のトランプキンを助けた4人は、カスピアン王子の災難を知り、助けに行くことに。王子の待つのがかつての石舞台だったり、ミラースのいるのがビーバーのダムだったり、前作を知っているとにやりとするような舞台設置が。
そして、前作でも最初にナルニアにやってきた末っ子のルーシィが、今回も真っ先にアスランを見つけるという配役は、前巻の冒頭で同名のルーシィに捧げられているのを見ると、やはり著者にとって特別な女の子だった?
「けものは変わらない」と言って、アスランを信じ続けるアナグマの松露とりさんが渋いんだけど、なんか「ブレス・オブ・ファイア4」のうつろわざるもの(=神)とうつろうもの(=人間)を思い出して、ちょっとせつないっす(雑誌連載でまたいちばんショッキングなシーン迎えちゃったし…)。

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ライオンと魔女

C・S・ルイス著。瀬田貞二訳。岩波少年文庫刊。ナルニア国ものがたり1

というわけで借りてきました。「指輪物語」よりはっきりと子ども向けという感じですが、なかなかおもしろかったっす。
主人公の4人の子どもたちもそれぞれに個性的で、キリストを表すというライオンのアスランはどこまでも雄々しく勇ましく神々しく、敵対する魔女はどこまでも憎々しく、脇役のファーンやビーバーの夫婦も愉快です。何より、ロンドンから疎開していった子どもたちを預かる老先生は、著者自身ではないでしょうか。

4人の子どもたちは予言どおり、アスランとともに魔女を倒し、王座につきました。一続きの物語の先を楽しみにしたいと思います。

巨人ごろごろ八郎太って瀬田さんのネーミングが相変わらずナイスっす。

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瀬田貞二 子どもの本評論集 児童文学論

瀬田貞二著。福音館書店刊。上下巻。

新聞で書評を見て、なにしろ、たきがはにとって瀬田貞二さんといったら「指輪物語」の訳者であるので、是非読んでみたいと思って、図書館で借りてきた。わしがリクエスト出したんで買ってくれたようで、それはありがたいのだけど、きっとついていたであろうカバーがないのが残念だったよ。

「指輪物語」「ナルニア国物語」以外にも、児童文学者として知られる瀬田さんの評論をまとめた、タイトルどおりの本。明治以降の本、絵本以外にももうちょっとさかのぼって江戸時代とかの言及もあったりして、その関心の広さ、知識の深さにしみじみと感じ入った。ばらばらに発表された評論をまとめた本なので、若干、内容の重複があり、そこら辺が退屈だったけど、これと他2冊で、瀬田さんの評論はすべて収録したそうだ。
瀬田さんの児童文学への熱い思いがあちこちに表れていて、そこんところがやっぱりおもしろかった。最近の「ハリポタ」ブームとか、瀬田さんがいたら、何て言ったろうかな〜と思ったりした。

「指輪物語」を読んでいて、何が楽しいかといえば、やはり瀬田さんの訳の美しさだと思う。いつか原書で読んでみたいという野望もなくもないが、何しろ英語にはとことん不案内なたきがはだ。「ホビットの冒険」さえも最初のガンダルフとドワーフがビルボんちを襲撃したところで挫折したまんまで、ましてやそれより長い「指輪」を読む気力はまだない。よって、瀬田さんの訳でずーっと読んでいたわけなんだけど、今、手元にないので紹介できないのが残念だが、なにしろ、翻訳というものは、英語を読む技量以前に訳者の日本語の技量がないとできないものなのだということを、わしは瀬田さんと「指輪物語」に教わった。この丹念に描かれた中つ国を読んで、わしは何回も飽きることがない。「指輪物語」の冒頭、ホビットについて書かれた一文から、わしはこの中つ国を訪れることができ、ラスト、サムの「今帰っただよ」と言って物語が終わったところでまた現実に立ち返り、そうして何度も中つ国へ行くことを楽しんでいる。それは世に小説は数々あれど、なかなかできない体験でもある。
そういう意味では「指輪物語」という傑作を、美しい日本語で読めたことは喜びであり、わしもこんな文を書けるようになりたいものだと思わされる、1つの目標、高みである。

わしはこんなに瀬田さんの訳が大好きなので、その訳をまったく顧みていない(としか思われない)「ロード・オブ・ザ・リング」が大嫌いなのである(あちこちで言及しているが、「指輪物語」と「ロード・オブ・ザ・リング」は別物である)。

原著を読むというのは敷居が高いので、原著と訳とを比べてみるのもいいかと思っていたこともあったのだが、そういややってないや。
ああ、また読みたい(人に貸してしまったので、まだ返ってこないんである)。
その前に「ナルニア」とか読んでみるのもいいかもしらん。

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どついたれ

手塚治虫著。集英社文庫刊。

未完。敗戦直前からその後の大阪を、4人の若者を中心に描いた大河ドラマ、になる予定だったのではと思う。
主なキャラクターは八尾のヒロやんこと広沢明、河内のトモやんこと斉田知文、葛城健二、山下哲、高塚修に、その周辺の人びとの戦後を生きるたくましさとその戦いを描いた話なんだけど、作者自身である高塚修も含めて、ヒロやん、トモやん、葛城健二にはそれぞれモデルがいるそうで、解説もそのモデルの1人が書いている。で、主人公といわれる山下哲だけが架空の人物なのだが、どうも、この哲の話になると、ヒロやんやトモやんを描いていたような生き生きとした躍動感が消えて、どっかで見たような話になってしまうように思う。無理に哲を主役にしなくても、ヒロやん、トモやん、健二、修といった人びとをからめて、青春群像でも良かったんでないかと思ったり。

たぶん、哲のキャラクターが、戦災孤児でマッカーサーを親の仇と恨んでいる、孤児たちの元締めである、妹が兄の意に反してパンパンをやっている、という造型にあんまり魅力を感じないからだと思う。ちゅうか、髪型がどうにも矢吹丈そっくりで、「明日のジョー」好きにはこれが致命的だったりするだけなのかも。哲がエロ本雑誌を作ったりするのも、何ともガキっぽくておもしろくなかったり。

個人的には、哲と知り合う太閤組というやくざの幹部、掛川というおっさんが素敵に格好いい。哲が「とうちゃんもかあちゃんもアメ公にやられた」と主張するところに自分は息子を3人とも戦争でなくし、妻も広島で失ったと言って「男はみれんがましゅういうもんやない」と啖呵を切るところなんか最高。

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地球ナンバーV-7

横山光輝著。講談社漫画文庫刊。

やっと読んだよ、ディック・牧の。カナーリの牢獄とかも出てきて興味深かったです。

話としてはわりとオーソドックスな感じもある超能力者もの。ただポイントなのは、この物語には超能力者がわんさと出てくるのだが、ディックとその親友ブレランド以外の能力者たちは、1つの超能力しか持てない。で、火星への移住者に超能力者がわんさといるので、地球に降伏しろと言うのだが、当然、地球ではこれを呑まず、ディック(地球ナンバーというのは作中のディックの登録ナンバーのことをいうのだろう)に戦わせるという話。
しかし、1つの超能力しか持てない世界で、なぜディックやブレランド、ディックの姉(というだけで無名のまんま)だけが複数の超能力を持てるのか謎のまんま。そういうアバウトさが横山光輝だな〜

最後、ディックたち超能力者は、ふつうの人びととの共存を諦め、新天地へ発つ。超能力者とふつうの人間との共存を描いた作はとても少ないと思うのだが、この作でもまた、ディックたちは去ってしまう。作中では超能力者を新しい生命体として描いており、そういうところもオーソドックスだな〜と思ったり。
あと、コンピュータにデータをぶち込んで、得られた結果をもとに行動するというシーンがいくつかあったけど、昔はそんなSFもあったな〜と思った。

ところで、ディックって歳、いくつなんすかね? 冒頭の飛行機事故では少年、本作はその11年後。で、ブレランドに会ったのは5年前。それにしてはブレランドが老けすぎな気もするのだが…

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