忍者ブログ

されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

雲の墓標

阿川弘之著。昭和文学全集21巻。小学館刊。

学徒出陣した京大文学部の学生の日記という形をとって、特攻兵の心情や心の変化を綴った小説。

主人公の吉野が中心なのだが、「きけ、わだつみの声」なんかにも出てきそうな日記で、正直、違和感ないのが新鮮みがないというか。むしろ小説なんかより実際の手記読んだ方がよくね?っていうか。
むしろ、戦争に反対しながら、出撃する前に事故死してしまった藤倉の方がよほど共感が持てる。藤倉も恩師への手紙という形で自らの心情を綴っている。
ラスト、おそらく回天だと思うんだけど、吉野たち4人のなかで唯一生き残った鹿島が、死亡フラグ立てまくっていただけに意外。

あと、吉野たちが出水の海軍基地に赴任して、水俣に行って、地元の名家と昵懇になったというエピソードは、水俣だったら名字は「深井」じゃなくて、もっと見かけるのあったな〜と思ったよ。

作者にとっては不本意な読み方だと思うんだけど、吉野の文章があまりに最後まで理路整然としていて、特攻兵の死が美化されているようで、そんな意図はないとわかっているんだけど、もう少し人間くささを見せてほしかったと思った。

拍手[0回]

PR

札の辻・イエスの生涯

遠藤周作著。昭和文学全集21巻。小学館。

ええ、わしは宗教沙汰は嫌いですが、遠藤周作氏の「沈黙」には興味があり、読みました。宗教は嫌いですが、宗教にからむ人間のドラマはおもしろいと思うので、興味深く読みました。たきがはの実家には、ままが大昔に買った昭和文学全集というクソ重いハードカバーの箱入りの冊子と、日本古典の全集がありまして、まさに宝の持ち腐れ、誰も全巻読破したことがないのでした。ただ、わしはちびちびどちらも読んでいるのですが、いかんせん全部で60冊以上の大作なもんで、なかなか読破とはいかないで、特に昭和文学全集の方は、各作家の代表的な短編を1冊に最低でも四人で収めているもので、本当にとある作家のを読みたかったら、ダイレクトにその本なり文庫なりを探した方が早いので、余計、手に取られない上、うちの家族はあんまり本を読まないので(父親が最近、時代・推理小説に限って読んでいるぐらい)、どうしても本棚を占めているだけのぶつと化しているのでした。で、買った当人は、歳を取ったら読むわ、と言っていたくせに、歳を取ったら眼が疲れるそうで、ますます本離れが深刻化してきたのでした。

閑話休題。

でその後、たきがはは実家で朝日新聞を読みまして、土曜版で人生相談をやっている車谷長吉さん(だったかな? 名前うろ覚え)という作家さんに興味を持ちまして、その人が読んで、影響を受けたという小説を何編か上げていたので、昭和文学全集にあるのを借りてきたのですが、1ヶ月くらい、玄関に積ん読しとったわけなのでした。
わしはよく、知っている人が「○○が好き」とか言われると興味を覚えるたちですので(それで昔、怒られたりしたんですが)、まぁ、車谷さん(とかいう作家さん)は直接の知り合いではないので、読んでみることにしたのでした。

で読んだのが「札の辻」の方で、ついでに興味を覚えたので「イエスの生涯」も読んだのでした。

「札の辻」の方は、

わたしが久々に同窓会に行き、札の辻という場所にさしかかる。学生時代、大学で事務を担当していた外国人修道士のネズミとあだ名されたユダヤ系ドイツ人と見に来たことを思い出したが、ネズミは貧相な男で、わたしが大学に来ていた軍人に殴られた時も、一緒に逃げるしかできなかった。しかし、その後、江戸時代に殉教した切支丹たちが札の辻というところで処刑されたという話を聞いて、ネズミと一緒に札の辻を訪れたのである。同窓会でわたしは、ネズミらしき人物がその後、ドイツに帰り、強制収容所でほかの囚人たちを庇って餓死したことを知る。貧相なネズミの中に隠れていた思いがけない勇気に、わたしは都電に乗って帰りながら、乗客たちの中にもネズミがいると思うのだった。

という話。期せずしてわしのこだわりの強制収容所ものだったので、ラストはびっくりした。強い信仰心など持っていそうもなかったネズミが、強制収容所でほかの囚人を庇って餓死したという思わぬ強さを見せるラストと、そんな人物がほかにもいるのだろうと言って終わるところが、実話としてそういう人物がいただけに感じ入る。

「イエスの生涯」は、

キリストの生涯を丹念に追った話なんだけど、イエスがその死の瞬間まで弟子にさえ理解されていなかったという哀しみと、ユダばかりが裏切り者として強調される中、ほかの弟子もそんな弱い人間だった、でも、イエスが十字架の上でつぶやいた言葉と、「復活」により、死をも恐れぬ強さを備えていったという展開が「札の辻」にも共通している感じ。

この巻には、ほかに小島信夫、庄野潤三、阿川弘之の作品が載っているのですが、「抱擁家族」を読み始めたら挫折したので、やっぱり全部は読まずに後は「雲の墓標」と「プールサイド小景」だけ読むことにした。

拍手[0回]

はてしない物語

ミヒャエル=エンデ著。上田真而子、佐藤真理子訳。岩波書店刊。

大昔、「ネバーエンディングストーリー」というまた横文字かよッ!な突っ込みで映画にもなったエンデさんのファンタジーです。

いじめられっ子のバスチアン少年は、いじめっ子から逃れるために入った古本屋で「はてしない物語」という本を見つけ、読みたくてたまらずに万引きしてしまう。学校をさぼって、学校の物置で「はてしない物語」を読み始めたバスチアンは、やがて物語の世界ファンタージエンが危機に瀕しており、それを救えるのが自分だけだと知って、ファンタージエンに赴くが、女王幼ごころの君から託された魔法のメダルによって自分の望みをかなえることで、だんだん人間世界の記憶を失っていってしまう…。

幼ごころの君は「ダウン・ザ・ワールド」のプリンセス・サーラと同じネタなのね… まぁ、こういう発想はほかにもありそうですが。

前半がファンタージエンを救うために世界を冒険するアトレーユの物語で、後半が実際にファンタージエンに入ったバスチアンの冒険の物語。
ちびでおでぶという、ちょっとホビットを連想させなくもないバスチアン少年は、自分の性格や容姿にコンプレックスを持っていたけど、幼ごころの君から託されたアウリンというメダルで、何でもできるスーパー少年に変わり、容姿も端麗になり、でもだんだん人間としての記憶を失っていくというのはどういう意地悪なんだろうと思いました。
まぁ、ファンタージエンを救って終わりではなかったので、バスチアン自身も、自分を受け入れられるようになり、母親を失って以来、茫然自失の父親もバスチアンを愛していたことを思いだし、というあたりは家庭救済の物語でもあるという。

対するアトレーユは少年とは思えぬ落ち着きと理性を持っていて、ぜんぜん少年らしいはっちゃけがないのが、こういう寓話的な物語では典型的なタイプっちゅうか。

白き幸いの竜フッフールが、映画で見たふさふさのドラゴンだったのだな。

唯一の悪役らしい魔女サイーデが、バスチアンを貶めるところまではうまくやったのに、最期は呆気なかったのが物足りないけど、ほかに悪い奴も出てこない話なんで、まぁ、あれでいいのか。

筋はおもしろかったんですらすら読めましたが、もう一回手に取ろうと思わないのは、寓話色が強すぎるからかも。

拍手[0回]

LAST RANKER公式設定資料集

「燃え萌えウェルマーさん」のために買ったわさ。まぁ、もともと「Last Ranker」やったのも、キャラデザの吉川達哉さんが「ブレス・オブ・ファイア」シリーズを手がけていて、好きというのもあるんですけどね。

2ちゃんの「Last Ranker」スレでウェルマーさんの設定も載っているのを確認した上で買いました。ええ、わしは満足です。わずか1/5ページでもウェルマーさんが載っていれば。
ウェルマーさんが最初はヴェードさんだったけど、ポッドと語尾が同じなんで避けたとか、裏話は買いです。
なにより、カプコンにメールしても教えてもらえなかったウェルマーさんのCVが載ってたのが十分すぎる収穫だ! 加藤将之さんと仰るそうです。意外と若いお方でした(やなちゃん、鋭いよ!)。Wikipedia(リンク先は加藤さんのページ)で調べてみましたが、わしが見たことあるのは出演しておられぬ〜 何か見てみるか…

設定ではウェルマーさんは40歳ぐらいだそうですが、心労のために白髪(・゚・(つД`)・゚・)とか書かれていて、わしはずーっとゲーム時点で50歳くらいで話を書いたもんで、どうしようかと思っていたら、後ろの方の年表でウェルマーさんが30年前に官吏になったと発見! 40歳で30年前に官吏はねーだろッ!ってことで、50歳説を貫き通すことにしました。

あと、キャラの年齢も適当に設定したんだけど(ハース、ロザ、タイロン:30、マキス、ユーリ、イゴリダ、ガルガノ:25、ジグ、ファズ、レン:20、ウェルマー、バルバロ、ゼブリラ:50)、だいたい合ってたよ! ゼブリラだけ還暦行ってたけど、あの脂っこさはもっと若いと思ってた。ロザも27歳なんで、どっちかというとマキスの方に近いんだけど、ゲーム中で「ハースを見出した」とあったんで、アラサーにしたさ。

最後の小説は視点がけっこう変わりやすいので読みづらかったす。カンタレラ襲撃の裏話を知るにはいい感じですが。ユーリはもっと邪悪でいいんだと思ったけど。

ゲームで使われてるポリゴンはほとんどなくて、吉川さんの設定絵が拝めるので、お好きな方にはお奨めです。

拍手[0回]

ぴっぴら帳(ノート)

こうの史代著。双葉社刊。全2巻。

井上食堂(「胃の上」は「食道」)で働くキミちゃんと、セキセイインコのぴっぴらさん、元の飼い主のかつみさん、その飼い鳥のジャンボさんらのユーモラスな生活を描くインコ漫画。

著者のこうのさん自身、同人誌で「すずしろ帖」という本を出していたので、実体験に基づくインコやカナリアとのおもしろおかしい生活という感じで、読み終わる頃にはインコが飼いたくなります。

いや〜、かつて実家でインコ飼ってましたからね。一般的なセキセイインコ。あれは可愛いものです。文鳥も雛から飼うと、可愛さ倍増。とうぶん、無理ですけど。

拍手[0回]

カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

最新CM

(06/14)
無題(返信済)
(05/29)
(04/27)
甘くない態度(返信済)
(04/26)
謹賀新年(返信済)
(01/04)

プロフィール

HN:
たきがは
HP:
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

かうんたあ

脱原発意思表示Webステッカー

バタリーケージの卵を食べたくない!キャンペーン