忍者ブログ

されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

海獣の子供

五十嵐大介著。IKKI COMICS刊。全5巻。

ハンドボール部に所属する中学2年生の琉花は思っていることを言葉にするのが苦手な少女。部活動で対戦相手を傷つけてしまい、夏休みが始まったばかりだというのに部活動に来なくていいと言われてしまう。傷心の琉花はシューズを買うと言ってもらったお金で東京に出かけ、そこで不思議な少年・海と出会う。海は琉花の父が働く江ノ倉水族館におり、入院している空という兄がいた。その頃、世界中の水族館から魚が消えるという現象が起きており、琉花は海と空を中心に起こる不思議な出来事に巻き込まれていく。

以前、1巻だけ読む機会があって、まとめて読んだんですが、ラストが全然わからなかったです。コミックスの裏表紙には「そこで始まったのは−”本番”」とあったんですが、本番が何かまったくわからんちん。

確かに言葉にできないものというのがたくさんあって、琉花という少女も自分の思っていることを言葉に表現できず、先に手を出して、相手を傷つけて、とやってるわけなんですけど、曲がりなりにもそこは漫画なんだから、言葉使ってくれよ…。
それに琉花がまるで被害者のような心情で部活に来なくていいと言われるのも、相手に怪我させてるんだから、反省しろよと。
まあ、途中から人間だけじゃなくて鯨や魚や鯱といった言葉を持たないような生き物も多く登場して、そちらの方が主体になっちゃった感もあるので言葉では表現できないような話なのかもしれませんが、何が本番なのか、ちっともわからなかったという…。

人を選ぶ漫画のようですネ。

2016/2/15追記
返す前に読み返してみたら、最初と最後で琉花と思しき老婆が孫に自分の体験を話しているというシーンが挿入されてました。孫に語れるのなら何が起きたのか説明できるはずじゃないでしょうかね? ただの手抜きですか?

拍手[0回]

PR

朝鮮人BC級戦犯の記録

内海愛子著。岩波現代文庫刊。

これはふだんTLで流れてくる「韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の証言.bot」に関連した本です。

主に連合国の俘虜を収容した収容所で俘虜の監督などをやらせるために朝鮮半島から集められた3000人超の人びと、戦陣訓(「生きて虜囚の辱めを受けず」というあれ)や戦闘訓練をたたき込まれて軍属として配属され、敗戦を迎えたところ、なぜか日本の戦犯として裁かれ、なかには処刑された人や精神に破綻を来してしまった人、オランダからの独立を目指すインドネシアの戦争に関わって戦死した人などなど、様々な人びとについての記録です。

その中で著者は
・戦中、戦後と一貫して無責任な日本政府
に加えて、
・植民地の人びとが日本軍の犯した戦争犯罪の最前線に立たされたのに、そのような事情に配慮もない植民地を持っていたイギリスやオランダなどの傲慢さも描き出します。

元々の発行は1982年でしたが、岩波現代文庫に収録されるに辺り、大幅に加筆、読み応えのある内容でした。

従軍慰安婦や南京大虐殺とはまた別な角度から日本が朝鮮や台湾といった植民地の人びとになした犯罪、多くの人に読んでもらいたい名著です。

拍手[0回]

赦すこと

ジャック=デリダ著。守中高明訳。ポイエーシス叢書。未来社刊。

副題が「赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの」とあります。

哲学書なんですが、そもそもなんで、この本を読みたいと思ったのか、タイトルだけメモしてあったので、ちっともわかりません。ひどい。でも、ともかく読み始めたら、どうやらハンナ=アーレント関係か、ホロコーストがらみで興味を覚えたらしいんですけど、哲学書というのはわしのおつむにはとても難解でして、本文はほとんど言葉遊びといいますか、まぁ、遊びと言っちゃったらデリダさんに失礼だと思うんですが、でも、なにしろ意味が取れず、もう、根本的にわしが読むようなレベルの本じゃないと思ったんですけど、最後の訳者さんの解説のところでやっとこ腑に落ちまして、読んだわいと胸を張って言えるようなレベルでもないけれど、たとえホロコーストのことを書いている本を読んでいたって、敗戦後71年目の日本人としては、どうしてもナチスの同盟国であった日本に思考が向かざるを得ないわけでして、「とりわけ、戦後七〇年の大きな節目にあって日本がその植民地支配責任と戦争責任・戦後責任、そして両者に関わる夥しい国家犯罪について、どのようにしてこれをあらためて想起し、罪を認め、謝罪するかということは、厳密で新たな思考を要請する課題である。何よりも避けなければならないのは、この想起と罪の自覚と謝罪とが、あらかじめ和解を想定した目的論的なものとなること、さまざまな利害を反映しそれらを調整し最終的にみずからの国益に資するように計算された政治の手段に堕すことである。戦後ヨーロッパにおいて行なわれた事例を批判的に考察しつつデリダが言ったように、赦しが和解という目的=終結をプログラムされたものである場合、その赦しは純粋ではない。それと同様に、謝罪もまた、どのようなものであれなんらかの目的論的計算から発せられるとしたら、それは謝罪の名に値しない。謝罪の結果、相手が赦しを授けてくれるか否かは、あらかじめ想定すべきではなく、また本来的に想定できないことである。(中略)だから、この国の首相が朝鮮半島の人々、中国の人々、そしてかつて侵略し植民地支配下においたその他の東アジア各地域の人々に対して行なうべきなのは、赦しを想定しない謝罪、赦されることの可能性を考慮の外に置いた、エコノミー外の、絶対的謝罪である。これが現在の東アジアの中で日本という国家が取り得る、取るべき唯一の歴史的−倫理的行為である(にもかかわらず、法・倫理・歴史認識のすべてにおいて現代社会に生きる人間としての最低限の思考能力を欠いたこの国の首相は、『戦後七〇年の新たな談話』において、過去の国家犯罪を否認し、謝罪をせず、一般論としての『反省』だけを示し、『未来志向』などという意味内容がまったく不明のメッセージを発してこの重要な局面をやり過ごそうとしている。事態がもし本当にそのように推移したら、東アジア情勢がさらに深刻なものとなるのは必至である)」と長々と引用しましたけど、大いに同意して膝を打ちました。この本の発行は2015年7月なんで、事態は昨年末からさらに悪化しているわけですが。

知りたいことがあって、そのために本を読み続けているわけですが、次から次へと手繰る糸の先はどこへ繋がっているのか、まだまだ知らなければならないことが多いようです。

拍手[0回]

東学農民戦争と日本

中塚明・井上勝生・朴孟洙共著。高文研刊。

副題に「もう一つの日清戦争」とあります。

朝鮮半島については、わしも知らないことばかりで恥じ入るばかりなんですが、そのために色々な本を読んでるんだと思ってるんで告白しちゃいますけど、日清戦争で最大の犠牲者を出したのは朝鮮人だったことは初めて知りました。すみません。あと、日清戦争が日本と清国の戦争だということぐらいは知ってましたが、そもそもの発端が日本軍が朝鮮の王宮を占領して、「清国が朝鮮の独立を阻害しているから日本は朝鮮の独立のために戦う」ことを大義名分にした、というのもわかってませんでした。とほほほ… わしの日本史と周辺諸国に関する知識は明治維新辺りから日中戦争ぐらいまですっ飛んでいるようで、それもまぁ、抜け穴だらけなんで、何とも情けない限りであります。

なので、この本のタイトルになった東学農民戦争というのはそもそも知らず、その思想が日本にはいまだ芽生えたこともない革命の思想であることも知らず、まぁ、知らないことばかりで読んでて恥ずかしい思いがしました。

わしは「坂の上の雲」というドラマをやった時に脊髄反射的に、その自画自賛の日本近代史を嫌い、第1回だけ見て、まともに見なかったんですが、その欺瞞性とか、後に日本が中国で大規模に起こす三光作戦のような大虐殺の萌芽が、そもそも東学農民戦争にあったこととか、目から鱗の朝鮮と日本史でした。

全然勉強足りないんだわ〜

拍手[0回]

ハトよ天まで

手塚治虫著。中央公論社刊。全1巻。

アビルと黒主という妖怪の領土争いに巻き込まれた二人の兄弟がいがみ合ったりしながら、最後には故郷を取り戻す民話調の話、と見せかけておいて、いがみ合う二人の兄弟にいいようにこき使われた挙げ句、最後は捨てられてしまう立田姫という蛇の妖怪の悲しい話。これほんと

わしも最初はそう思って読み始めたのですよ。第一部第一章なんて、もろにアビルと黒主の諍いのために、それに振り回される貧しい村人の話だったし。立田姫はそのアビルと黒主の領土、久呂岳と黒姫山の間にある竜が渕が住処だったんですが、二人の争いに巻き込まれた上、竜が渕も失ってしまいます。
一方、麓の村に住む又八という男にはおかめという妻と後にタカ丸、ハト丸と名づけられる兄弟がいましたが、暮らしをやり直そうと村を出ようにも働く当てがなく、人足募集の報せを知っても子連れお断りと言われたもので、思いあまった又八は子どもたち(この時点では赤ん坊)を捨てようとしますが、おかめがこれを察して子どもとともに家出、野犬に襲われたところをアセチレン・ランプ(後にゴン六という名前だと判明)にさらわれてしまいます。で、妻子を探しに出かけた又八は、アビルと黒主の諍いで生き埋めにされていた立田姫を助け出し、この恩がもとで立田姫は行方不明になったおかめに化けてタカ丸とハト丸を育てることになるのでした。もっとも又八はけっこうすぐに黒主に殺されちゃいまして、おかめならぬ立田姫は、竜が渕を取り戻すためにタカ丸とハト丸を鍛えるんですけど、そのうちに正体が蛇だとばれてしまいまして、家を出ます。しかし、何かあったら櫛の歯を折って投げろと言って櫛を残したから、さあ大変。その後、村に残ったハト丸によって、何かと呼びつけられる羽目になります。
立田姫を母と慕うタカ丸とハト丸は、母の住処だという竜が渕を取り戻そうとアビルに挑みますが、かなわずに退散、立田姫に助けられます。
しかし、これがもとでアビルは余計に村を苦しめるようになり、タカ丸とハト丸は村八分にされてしまいますが、アビルとの戦いで力のなさを思い知ったタカ丸は武者修行の旅に出ます。

とまあ、粗筋を書くと長いんで、ここでやめますけど、なにしろタカ丸とハト丸の兄弟、どっちにも魅力がなく、たびたび読むのを中断、だんだん立田姫の方に情が移りまして、しかも読んでいると、まぁ、こき使われるこき使われるで、立田姫が気の毒になり、タカ丸とハト丸がその分、魅力が失せ、かといって敵役のアビル(大蜘蛛)や黒主(テング)がいいかと言われるとこれも典型的なDV親父で駄目、脇役の佐佐木大二郎がいいかというと、これもいまいち、といった調子で、なにしろ男性の登場人物が軒並み魅力的じゃなくて、まともなのは犬を使う犬彦とタヌキのボタ松くらいでした。女性陣もタカ丸に惹かれつつ、結局、ハト丸と結婚した小鹿は嫁になってからの方がいまいちで、星姫は可愛らしかったけどタカ丸のせいで台無しになり、タカ丸と結婚した月の方は絵師の娘なのにえらい高飛車でこれも駄目、キツネのお萩はハト丸を裏切ったりしたこともあったけど、立田姫に呑み込まれた後でいい味方になって、ここら辺がいちばん良かったです。

あと、掲載誌がサンケイ新聞という今をときめく極右なせいか、絵物語調だったり漫画だったりと展開がばらばらというかまちまちで、これも読みにくさに拍車をかけてた感じでした。黒主がDV親父で、立田姫がどこまでもタカ丸とハト丸に尽くすのも掲載誌のせいじゃないかと邪推したくもなるってもんです、これだけつまらないと。

期待が大きかったせいか、いろいろとがっかりな話でした。

なので、佐佐木大二郎が実は逃亡してきた未来人だったというなぜかSFな落ちはぶっちゃけどうでもいいです。

拍手[0回]

カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

最新CM

(06/14)
無題(返信済)
(05/29)
(04/27)
甘くない態度(返信済)
(04/26)
謹賀新年(返信済)
(01/04)

プロフィール

HN:
たきがは
HP:
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

かうんたあ

脱原発意思表示Webステッカー

バタリーケージの卵を食べたくない!キャンペーン