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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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歴史の偽造をただす

中塚明著。高文研刊。

副題は「戦史から消された日本軍の『朝鮮王宮占領』」です。

そのサブタイトルのとおり、扱いのほとんどは日清戦争の発端となった「朝鮮王宮占領」ですが、ひいては「坂の上の雲」や「龍馬がゆく」などがもてはやされている司馬遼太郎の歴史観などにも突っ込みが入り、日本人が敗戦後、どうして原爆や東京空襲、沖縄戦などの被害者意識ばかり拡大し、戦場となったアジアの人びとを2000万以上も殺害したという事実は触れず、ほとんど加害者としての立場は忘れ去ってきたか、その発端がこの朝鮮王宮の占領にあるという指摘にまで及びます。

歴史は勝者が書くもの、という意識はたいがいの人が持っていると思いますが、まぁ、ここまで自分たちにだけ都合がいい(よって一歩、国外に出るとまったく通用しない)歴史観をよく日本人は育ててきたものだと。

日本という国が100年後に名を残すとしたら、それは「第二次世界大戦を引き起こしたファシズム国家であり、アメリカの物量の前に敗戦、しかし、そのことを忘れて、折しも突入した冷戦でアメリカに尻尾を振ることにより、朝鮮戦争などの犠牲の上に経済大国として復興したが東日本大震災における原発事故の収束を誤り滅亡」とか、ろくでもないことだけは間違いがないと確信しました。

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阿部一族

森鴎外原作。佐藤宏之作画。リイド社SPコミックス刊。

タイトルだけ知ってたんですが、内容を知らなかったのでお手軽に漫画で読んでみた。

大昔、たきがはがマンションに住んでた時、母同士が仲のいいご近所さんで阿部さんていたのですよ。その時、マンションの郵便受けに「阿部一族」って標識があって、どういう意味か知らなかったんだけど覚えたわけ。で、後で森鴎外の小説だと知ったわけ。で、今回、初めて内容を知ったんですが…(((((((( ;゚Д゚))))))) 内容わかってて掲げてたんだったら、洒落にもほどがあるわいと思った次第。

江戸時代、肥後藩。藩主・細川忠利の死に際し、殉死を願い出ていた阿部一族の当主・弥一右衛門はその許可が得られぬまま、忠利の死とその息子・光尚が肥後藩の藩主になったのを迎える。しかし、古くからの臣下でありながら殉死しなかった弥一右衛門への風当たりは強く、弥一右衛門は犬死にと知りながら、切腹する。阿部一族は長男の権兵衛が跡目を継ぐが、藩の命により、その知行は分断されてしまい、親戚や郎党に肩身の狭くなった権兵衛は、忠利の一周忌の法要で捕縛され、斬首されてしまう。藩は次男の弥五兵衛を阿部家の当主にしようとするが、あまりに情の欠いたやり方に阿部一族は反発、屋敷に立てこもって藩の差し向けた討伐隊と戦って全滅するのだった。

実際にあった事件だそうで、主に次男の弥五兵衛の視線で描かれるんですけど、キャラのかき分けが後半になるとできなくなっており、誰が誰だかわかりづらかったです。あと、時代劇をあんまり描き慣れてないんじゃないかなぁって思うぐらい、画面が平坦だし、白いし(髪の毛とか着物は色ついてるけど、陰影がない)そもそも絵が上手くな(もがもが)

他にどういう漫画を描いた方なのかと思ったら、「気分はグルービー」という高校生ロックバンド漫画を「マカロニほうれん荘」と同時期に週刊少年チャンピオンに連載してたそうですが、当然、読んでないです。たきがはは音楽系の漫画はほとんど読まないもんで(「Toy」とか「3-Three」とか…)。あと絵柄もあんまり好きじゃなかったもんで。

話的には最近、何かとサムライつけたがる今の日本ですが、サムライってほんとはそんなに格好いいものじゃないし、むしろ、わしが江戸時代に生まれるとしても武家だけは御免被りたいって思うぐらいなんで、何というか、藩主の死にかこつけて、目の上のたんこぶ的な存在だった阿部一族を皆殺しにするよう仕向けた感じの林外記(って名前の家老っぽいおっさん)の方がおつむが上だったけど、まぁ、陰惨も陰惨な手を使いましたよねって感じでした。

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福沢諭吉のアジア認識

安川寿之輔著。高文研刊。

副題は「日本近代史像をとらえ返す」です。

先日読んだ「東学農民戦争と日本」がすごく勉強になった上、他の書籍の紹介で興味のありそうなタイトルが並んでいたので出版社で乱読です。

わしは福沢諭吉という人物については確か「脱亜論」という書籍で朝鮮半島の植民地化を正当化するようなことを言っているというのをどこかで読んで以来、基本、評価しておりません。ただ1万円札の肖像画に選ばれたのを知った時もそれほど嫌悪感がなかったんですが、この本を読んで、俄然大嫌いに評価が変わりました。いやぁ、知らないことを知るのはおもしろいです。まぁ、おもしろいと言ってしまうのは、福沢のなした罪はあまりに大きく、今も大多数の日本人が持ってるアジア、特に中国と朝鮮への蔑視が大元をたどれば福沢にあるのだと思うと何も考えずに1万円札を持っていたことが恥ずかしくなりました。

同時に何かよくわからないけど高評価されてる丸山真男という人物が歴史修正主義者と言ってもいいぐらい、自分に都合のいい部分しか受け入れないのだということもわかりまして、毎度、目から鱗がぼろぼろ落ちました。

福沢の残した論稿について、全時代に渡って網羅されており、その文がどんなものかというのが詳細に追求されているので、福沢諭吉について知りたかったら、この本を読むことをお薦めします。

ただ、あとがきで著者が「私の学問上の片思いの恋人キム=ハクスンさん(言うまでもなく史上初めて自分が従軍慰安婦だったことを名乗り出た方。故人)にささげたい」という一文はいただけないと思いました。そういうのは心に秘めておけよと言いたいです。「DAYS JAPAN」という雑誌でも編集長が「大ファンです」とか編集後記に書いてるのを読んで冷めちゃったんで。

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「坊っちゃん」の時代

関川夏央・谷口ジロー著。双葉社アクションコミックス刊。全5巻。

全5巻なのですが、図書館にあったのが1、3、4巻だけだったので肝心の大逆事件の結末が読めません。なので中途半端なレビューです。そのうちに2巻と5巻をどこかで調達せねば…

第1巻ではタイトルのとおり、「坊っちゃん」の作者・夏目漱石を狂言回しに堀紫郎、荒畑寒村(というと「黒旗水滸伝」のバタバタ寒村を思い出すわけですが)、森田草平、太田仲三郎、国木田独歩、石川啄木、平塚雷鳥、菅野須賀子、伊集院影昭、ラフカディオ=ハーン、森鴎外、樋口一葉(ただし故人)、徳冨蘆花、山県有朋、桂太郎、伊藤左千夫、安重根、東条英機、柳田国男、島崎藤村、田山花袋、高浜虚子(名前だけ)、大杉栄、堺利彦といった有名無名の登場人物がなす青春記というか、漱石なんかは40過ぎのおっさんなんで交流記という感じです。

ただの交流記だったら、わしもあんまり興味がないんで手にも取らなかったんですが、第4巻が大逆事件ということで幸徳秋水や菅野須賀子がメインになってきてたんで興味を覚えて読んでみたんですけど、要するに「黒旗水滸伝」の明治版って感じで。
でも、権力者、特に大正天皇を狂人と断言、そのまま昭和20年の敗戦まで突っ走る日本という国の、いわば助走のような大正時代を鋭く描き出した「黒旗水滸伝」に比べますと、どうも全体的に柔らかい感じで物足りませんでした。まぁ、比べるのが間違ってるんですが。

あと、第1巻は夏目漱石、第3巻は石川啄木が狂言回しになってるもんで、文学者というのは主義者に比べるとぬるいというか、あまいというか、で、第3巻なんかサブタイトルを勝手につけるなら、「石川啄木はいかに堕落したか」みたいな感じの話で、金借りちゃ散財し、同郷の先輩に質に入れさせちゃ散財し、というどうしようもないダメンズっぷりを延々と描かれて、ちょっと辟易しました。

そういう意味では第1巻のがまだおもしろかったんですが、有名人も無名の市井の人も平等な描き方で、そういうのは得てして権力者に加担しちゃうものなんで、姿勢としてはあんまり好きじゃありません。

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東郷元帥は何をしたか

前田哲男・纐纈厚共著。高文研刊。

副題が「昭和の戦争を演出した将軍たち」です。そのタイトルのとおり、とかく美化されがちな大日本帝国の将軍たちについて、どういう考え方で何をしたか、主に知られざる功罪の罪の方を明らかにした書です。

たきがはも、こういう人たちには幻想は欠片も抱いていないので、予想どおりの結末なんですけど、まぁ、予想以上に酷かったというか。

収録は

東郷平八郎、山本五十六、井上成美、田中義一、東篠英機、辻政信、長勇

です。個人的には硫黄島の栗林忠道、ラバウルの今村均、沖縄の牛島満、あと、さすがに美化したのは聞いたことがないんですが、単にわしが知らないだけなのかもしれないので、インパール作戦の牟田口廉也あたりなんか、鋭く突っ込んでほしいので、是非、続編書いてほしいところですね。

東篠英機、辻政信は「満州国演義」と「戦争と人間」でさんざん突っ込まれてましたが、10年くらい前に「プライド」とかいうクソ映画もあったなぁとか。あれ以来、津川雅彦大嫌いなんですが、予想どおりの路線を走ってるようで…。

本が古くて状態が酷かったんで、今の時代に、是非、加筆して、人数増やして新装版とかどうでしょう?

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