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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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嵐陵王

篠原正美著。伊吹巡・原案協力。マンガ図書館Z刊。全7巻。

確か「ウィングス」で連載してたはず…。

ミカドに統治される世界で聖武将を目指す剣士ランの物語。

そういや「ウィングス」では、こういうちょっと和の入った異世界ファンタジーが多かった気がする。ちゃんと読んでないけど。

聖武将というのが5人いて、最強が金で、ほかに白、赤、銀、黒と個性豊かだったり、統治者がミカドだけど、なぜか後継者は生まれ変わりだったりと、和に加えてチベット仏教とか入っていたのが時代を感じさせます。
あと、ミカドに仕える巫子がどうも去勢されてるっぽかったり、なにげに注入されてるジェンダー色も作家の個性か…

個人的には赤の聖武将になったけれど、力が足りなくて狂戦士みたいになっちゃったり、悲劇的な最後を遂げたナトラージュと、女性初の聖武将、白のヴィバーチェが良かったですな。

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愚者の皮

草野誼著。マンガ図書館Z刊。全2巻。

美人だった女性、あよが事故で顔に怪我を負ったため、元の美しさを取り戻そうと整形手術を受けたものの、逆に醜くなってしまい、夫、英馬に離縁される。夫が自分の美しさしか見ていなかったと知って女性は夫への復讐をしようとする上巻と、夫が今も美しかった自分を愛していることを知り、復讐が空しくなった女性は、山奥の尼寺に偶然、泊まったことで治療を受け、奇跡的に元の美しさを取り戻し、夫も改心して元の鞘に戻るという下巻。

何回か漫画の広告で見たことがあったんで読んでみました。

上巻の美→醜の展開も驚きなんですが(ここまで変わるかって意味で)、下巻の文字どおり脱皮して元の美しさを取り戻すという展開に唖然。元の作はレディコミっぽい絵柄なんですが、こういうのありなのか…

落ちは多少乱暴に書きましたが、真実の愛に気づいてめでたしめでたしって感じだったので、先日見た「アナ雪」もそうだったけど、流行ってたんだろうか…

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死刑囚最後の日

ビクトル=ユーゴー著。豊島与志雄訳。岩波文庫刊。

わし的に関心の深いネタなので図書館でタイトルだけ見て借りてきました。

死刑制度に反対するユーゴーが、最初は匿名で書いた「死刑囚の手記」という形を取った小説です。

人びとに死刑制度について考えさせるために書いたので特に死刑囚の名前とかどんな事件を起こしたのかは敢えて決めてないそうです。

主人公は3歳くらいのマリーという娘と妻と母親がいて、心配する様子が書かれてますが、あんまり罪を悔いたり、殺してしまったという男の家族に思いを馳せる様子は書いてませんでした。あと、しょうがないんですが、どうして死刑に至るような罪を犯してしまったのかも書いてませんでした。

わしとしては死刑に反対する最大の理由は「休暇」で見たような、死刑なんて制度があるためにやりたくもない死刑を行わせられている刑務官の人たちがいるのはおかしいという点なので、この死刑囚さんにはあんまり感情移入もせず、同情もしませんでした。あと、わしは「死によってしか償えない罪」なんてものは信じてないので、生きていてこそ償えるのだと思うので、それもあって死刑に反対するので、まぁ、あんまり心に響かない話でした。

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少女架刑、遠い日の戦争

吉村昭著。昭和文学全集26巻。小学館刊。

「破獄」とか「戦艦武蔵」とか「休暇(レビューは映画版)」の短編がいくつか掲載されていたので読んでみたんですが、まとめてタイトル書いてるとおり、全然おもしろくなかったのでした。

まぁ、「吉村昭自選作品集 第一五巻」の感想を読めば推して知るべしなんですが(←ほとんど忘れてた奴)。

「少女架刑」というのは16歳ぐらいで死んだ少女の視点で、死体が解剖されて最後は骨にまでなっていく様を淡々と描いたもの。まぁ、スプラッタというほどではありませんが、けっこうリアルな感じだったのですが、何とか最後まで頑張って読んだんですけど、おもしろくなかったです。ああいう話はどこで盛り上がるのか… そもそも、この手の話にクライマックスなんぞ期待するのが間違いなのか…

たきがはは純文学というものは読んでいるだけで眠くなる人種なので根本的に向かないのかもしれません。

で、日が経ちまして、「智異山」読み終わっちゃったんで読みたい本がなくなりましたが、あちこちで書いているようにたきがは家には誰も読み通してない昭和文学全集と日本の古典という大作があります。しょうがないので吉村昭さんをもう一本読んでみようかと思って手を出したのが「遠い日の戦争」です。
これは偶然にも「海と毒薬」と同じ米軍の捕虜を勝手に殺しちゃった事件を扱ったものでした。
ただ、「海と毒薬」が大学の話なのに対し、こちらは通信部にいた士官の話で、戦犯として逮捕されそうになったのを2年ぐらい逃げ回ったけど、最後は捕まっちゃって、でも終身刑で済んで、最後は釈放されましたって話でした。

主人公が日本の各都市を爆撃したB29の兵士たちに恨みを持って、それで捕虜を斬り殺すという動機がわりと詳しく書かれてたんですが、先日読んだ「戦略爆撃の思想」なんかも蘇りつつ、それでも人を殺したことに違いはなく、そういうところは「朝鮮人BC級戦犯の記録」とは根本的に違うよなぁと思ったりしました。

あと、最後は陸軍大尉だったか中尉の主人公が鉄砲まで持って勇ましかったのに、逃げ回るうちにだんだん臆病になっていく展開は妙にリアルな感じで、口で勇ましいことを言う奴ほど怪しいよなぁとか、そこら辺だけおもしろいというほどではありませんでしたが、よかったです。

そして同じ本に入っていた山口瞳の「江分利満氏の優雅な生活」と「居酒屋兆治」に挫折したんで、もうこの全集いらなくねとか思った… この本、作家の数を網羅するのが優先事項なんでおもしろい話が入っているとは限らないのであった。山本周五郎氏のは「青べか物語」が入っていて、評価が高いのは知ってるんだけど、おもしろいのは時代劇の方なので。

別の本を借りてきたので、またしばらくうっちゃられるのでした。

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智異山(チリサン)

李炳注(イ=ビョンジュ)著。松田暢裕訳。東方出版刊。全2巻。

太白山脈(たまには6巻)」に先取って書かれた朝鮮戦争前後の、主に左翼に加担した若者たちを描いた大作。

1930年代から始まって朝鮮戦争終結までの若者たちの希望と挫折、それぞれの戦いを描く。

粗筋をざっくり書くとこんな感じです。全2巻ですが、上下合わせて1600ページ超の長編で、韓国では全7巻です。あと「太白山脈」よりも前で、韓国では古典として親しまれているとか。そういう古典への親しみって日本じゃ聞かないよね。平安〜江戸の古典はともかく。

「太白山脈」がわりと南朝鮮労働党に同情的に書かれていたのに対し、こちらではかなり批判的。あと南朝鮮労働党をずっと共産党と言っているのだが… 朝鮮共産党が南朝鮮労働党に変わったわけですか…
さらに「太白山脈」だと実名の人物はほんとに名前ぐらいしか出てこず、批判もされなかったと思ったんですが、こちらでは共産党の朴憲永(パク=ホニョン)からしてこきおろされまくりで、1970年代に出版された時代を考えると無理もないのか…

登場人物のうち、李圭(イ=キュ)と朴泰英(パク=テヨン)2人が主役らしく、交互に書かれるところは「火山島(適当に4巻)」と似ていなくもありません。
と思っていたら、下巻では李圭は日本、次いでフランスに留学しちゃったんで最初と最後しか出てきませんでした。ほとんど朴泰英のパートでした。
あと、「太白山脈」もそうだったんですが、下巻も中盤くらいからパルチザンの描写一色になりました。まぁ、朴泰英がパルチザンになっちゃったからしょうがないんですが、とことんパルチザンに否定的なのに「自分を罰する意味」でパルチザンを抜けない朴泰英というのは、あんまり共感できないキャラクターでした。
作者としては朴泰英や河俊圭(ハ=ヂュンギュ)にはモデルがおり、彼らの死、共産党に加担したための死に対する怒りが執筆への原動力となっていると後書きに書いてあったので、朴泰英は死を選ぶしかないんでしょうが、いろいろと複雑…

また南労党に批判的なせいか、済州島四・三事件についての記述がまったくなく、いきなりな感じで麗水の反乱事件に飛んだのですが、まだ語れない時代だったのかもしれません。

個人的には2人のとっての恩人で東京外国語大学まで卒業した知識人でありながら、持病のためにデカダンな生活を送る河永根(ハ=ヨングン)の友人で、虚無主義者の権昌赫(クォン=チャンヒョク)の透徹した眼差しが好きだったりしましたが、この2人も朴泰英がパルチザンになるとまったく出てこなくなっちゃうので、そこはちょっと寂しかったです。
ただ、日本敗戦からのあの時代、そこまで半島の行く先を見通していた人がいたのか、もしもいたとしたら、今の分断や朝鮮戦争などは起きていなかったのか、それでも起きるべくして起きたのが朝鮮戦争だったのかとか、いろいろと思うところは尽きません。

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