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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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朝鮮近代史

姜在彦(カン=ジェオン)著。平凡社ライブラリー刊。

解説にあるように「朝鮮近代史のスタンダード」と言っていい通史です。1860年代の開国前夜から1945年の植民地からの解放までを詳細に綴った本で押さえておきたい1冊ですね。

ただ、この平凡社ライブラリーに収められた「アリラン峠の旅人たち」という本を以前読んだ時にも思ったのですが、日本人に馴染みのない朝鮮の地名や人名について、もっと細かくルビを振ってもらえるとありがたいです。まぁ、冒頭の朝鮮全図にルビを振ったら煩雑になるのはわかりきっているのですが、それでもルビが欲しいです。

それ以外は名著です。

不思議なのは朝鮮の人名はわりと元の発音に沿った読み方をすることが多いのに、中国の人名は「毛沢東(もうたくとう)」と完全な日本語の発音で読ませてしまうことに違和感がないことです。

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チェーザレ6〜10巻

総領冬実著。モーニングKCDX刊。

続刊です。アンジェロがだんだん狂言回しを外れてチェーザレ自身を直接描くようになってきました。まぁ、アンジェロはもともとフィレンツェ人で、スペイン団のチェーザレとは違うのですが仲の良さは変わらないので接近と言えば接近してます。しかし、とうとう登場人物一覧からアンジェロが消えてしまったのはしょうがないとも言えます。

ただ、10巻ではジョヴァンニ=デ・メディチがいよいよ大学を卒業し、チェーザレの推薦もあり、アンジェロはジョヴァンニに従ってフィレンツェ、さらにはローマに行くことになり、自らチェーザレの密偵を買って出ます。これがどういう方向に働くのか興味深いところですが、一方でルネサンス時代の有名人がぞくぞく登場するので、ますます影は薄くなっていきそうでもあります。

コロンブスについてわりと好意的な描き方をしているのはパトロンだったスペインだからしょうがないのかもしれませんが、批判的な視線も欲しかったような… まぁ、無理か。

歴史漫画という色彩がいよいよ濃くなってきた感もありますが、ミゲロのような魅力的なキャラも配置しつつ、エンタテイメント性も失ってないのは著者の力量の高さゆえでしょう。

しかし、この漫画、ほんとに完結するのかいな。

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犬田卯の著作

犬田卯著。青空文庫刊。

入っていたのだけ。たきがは大好き作家のお一人、住井すゑさんの旦那さんなので読んでみたんですが、そういう血縁というか夫婦つながりは大杉栄氏と伊藤野枝さんでもそうだったんですが、無視してもいいなと思いました。

ていうか、テーマは貧農・小作農の生活とか喜怒哀楽じゃないかと思うのですが、すみません、わしには全然おもしろくなかったです。「裸の島」ぐらいのエンタテインメント性は欲しい…

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あとのない仮名

山本周五郎著。新潮文庫刊。

表題作のほか、「討九郎馳走」「義経の女(むすめ)」「主計(かずえ)は忙しい」「桑の木物語」「竹柏記」「妻の中の女」「しづやしづ」を収録した短編集です。

このうち「義経の娘」だけ鎌倉時代で、あとはいつもの時代物です。

表題作の「あとのない仮名」は最晩年の作だそうですが、人を信じることへの温かさを感じられたほかの話に比べると虚無的な男が主役でハッピーエンドにもなりません。むしろ連れ添った嫁のたった一言を咎めて妻子を捨てて遊蕩にふける主人公の姿は一方的に妻を責めているだけにも読めてしまい、つまらなかったです。晩年の作だから、作者もそういう心境になったってことか。
「主計は忙しい」はお得意のユーモア物。年がら年中走り回っていて忙しい主計のそそっかしさお約束とも言えるハッピーエンドが微笑ましいです。
「討九郎馳走」は、武道一本で来た無骨な武士が、己には相応しくないと思われる馳走番(おもてなしの役目)を申しつけられ、辞退させてもらえません。しかし、野心溢れる近隣の殿様が寄った時に(舞台は紀州藩)、その陰謀を見抜き、見事に止めたことで討九郎に馳走番を命じた殿様の真意を知るという武家物です。
「義経の女」は「少女之友」に発表された小説で、今まで読んできた周五郎さんの小説の中でも破格に短いです。父のために頼朝に召し出される主人公が、自分のために反乱を起こそうとする夫を諫めて鎌倉へ行くという筋には、戦争末期(発表が1943年のため)の世相を反映しているようにも読めました。
「桑の木物語」は主従の友情を描いた話です。
「竹柏記」は思い人のいる親友の妹を、その相手の不正を知って無理に娶った主人公が妻と和解するまでの話だったんですが、ちょっと長くて退屈でした。
「妻の中の女」は、口うるさい江戸家老が藩に戻った際に、思わぬことから妻の中の女性と母性を見出す話で、ちょっとユーモア路線。
「しづやしづ」は岡場所物で、若気の至りで入れ墨を入れちゃったヒロインが身を引いてしまう展開が物悲しい。

次は久しぶりの長編で「さぶ」を読もうと思います。下町の友情物ですが、何年か前に藤原竜也、妻夫木聡主演で映画化だったかドラマ化されたから知ってる人も多いかもしれませんが、さぶのキャラクターじゃないよね妻夫木は。栄二はイケメンならいいけど藤原竜也でもないな。とミスキャストぽかったので未見です。

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八つ墓村

横溝正史著。角川文庫刊。

初めて手を出した原作本です。映画(野村芳太郎監督作。以下、映画と言ったらこれ)に比べると、かなりもどかしい印象が残りまして、まるで別物だなぁと思いました。
特にヒロイン典子と兄の慎太郎がいないと主人公の辰弥の境遇もがらりと変わりますね。尼子氏の隠し黄金も見つけた上、典子と結ばれてハッピーエンドの小説版に比べると映画のヒロインは美也子になってるので辰弥は美也子に裏切られた上、ラストは元のように飛行場に戻っているというハッピーエンドとはとても言えない展開です。

「八つ墓村」も何回も映像化されているそうですが、そのたびに登場人物がいたりいなかったりするそうで、その最多が典子兄妹なんですね。
ただ、陰惨な「八つ墓村」のなかでは天真爛漫な典子のキャラは少々浮いていると言えなくもありません。特に尼子氏による呪いというか復讐心が美也子に凄惨な連続殺人事件を引き起こさせた映画の展開では典子の存在そのものを削ったのは大英断と言ってもいいと思いました。

あと小説だと辰弥が実の父と再会するシーンもありましたが、それもどっちでもいいような気がします。

また映画ではラスト、ただ一人生き残った小竹様も火事にまかれて死んでしまったようなので文字通り東屋全滅なのは、いっそ潔いです。小説だと小竹様だけ生き残ってどうしろというのだ。

あとあと、映画ではまったくの狂言回しに徹してしまい、寅さんのイメージが終生つきまとったのがお気の毒な渥美清さん演ずる金田一さんが、小説だとそもそも美也子の仕業だと疑っていたというのをラストの謎解きで明かすのも付け足した感がなくもありません。

映画のキャスティングを思い浮かべながら楽しく読んでました。唯一、典子と慎太郎だけは顔がありませんが、それもしょうがない。

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