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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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人間椅子

江戸川乱歩著。青空文庫刊。

屋根裏の散歩者」よりさらに変態度が増した話でした。

美貌の小説家のもとに届いた1通の手紙。その内容は彼女が座っていた椅子の内部に人間がいたという告白をするものだった。

という読んでる方が身体が痛くなりそうな話でした。去年のうちに読んでいたんですが、さすがに新年一番目の記事でこれはどうよってことで見送られたのでした。

その後、「妖怪博士」という話を読み出したら、これが少年探偵団物だったので文体ががらりと変わりましたが、どういうオチがつくのか興味津々。

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月の松山

山本周五郎著。新潮文庫刊。

表題作のほか、「お美津簪(かんざし)」「羅刹」「松林蝙也」「荒法師」「初蕾」「壱両千両」「追いついた夢」「おたは嫌いだ」「失恋第六番」を収めた短編集です。

このうち「失恋第六番」だけ現代物で、それ以外は時代物ですが、「お美津簪」「壱両千両」「追いついた夢」が長屋物で、「羅刹」が芸道物、「荒法師」が珍しく坊主が主人公、それ以外は武家物です。
まぁ、一口に武家物といっても恋愛物だったり、武士は辛いよだったりしますので相変わらずバラエティに富んだ作風が楽しめる一冊となっています。戦前から戦後まで、わりと初期の話が多いのが特徴でしょうか。

おもしろかったのは「羅刹」「壱両千両」「追いついた夢」でした。
「羅刹」は面作りの主人公がタイトルの羅刹の迫真性を追求する余り、本能寺に乗り込んで信長の死を見届けて、それをモデルに面を作るも、実はそんなものは芸術でも何でもなかったことに気付いて自ら面を割ってしまう話。
「壱両千両」は訳あって藩を出なければならなくなった武士が長屋に身を寄せ、そこの貧乏とか人情に触れて癒やされる感じの話。
「追いついた夢」は、長年かけて店の金を不法に貯め込んだ番頭が、いざ家も手に入れ、好みの若い女も見つけ出し、これから老いらくの恋を楽しもうとした矢先にのたれ死んでしまい、女が想っていた男を呼び寄せて、病気の母親とも一緒に暮らせるようになってめでたしめでたしの話。

今度は長編を読もうと想いますが、「青べか物語」にはいつまでも食指が動かず、「樅ノ木は残った」は何度でも読み返したくなる不思議です。

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屋根裏の散歩者

江戸川乱歩著。青空文庫刊。

江戸川乱歩の著作が青空文庫にあったので読んでみました。しかし、わしは天知茂さんが明智小五郎をやった「土曜ワイド劇場」のシリーズは喜んで観てたんですが、小説は一冊も読んだ覚えがありません。従弟が全巻持ってたのは見たんですが、借りようとは思わなかったんで。たぶん、すでに「ホームズ」や「ルパン」を読んでいたんで、レトロな雰囲気の「少年探偵団」シリーズは興味がなかったと思います。

変態的な趣味が高じて殺人を犯してしまった男の、そこに至る顛末を描いたミステリー。

明智小五郎も出てきますが、ちょい役で、最後の謎解きもかなり無理矢理だったんで、あんまり名探偵って感じじゃないです。

パノラマ島奇談」でも思いましたが、意外と江戸川乱歩の方が変態で、横溝正史の方が普通な感じでした。いえ、私の偏見ですが。

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月館の殺人

綾辻行人原作。佐々木倫子画。小学館IKKI COMIX刊。全2巻。

オリエント急行殺人事件」と思わせておいて、の大がかりなトリックがおもしろいミステリです。

なぜか列車嫌いの母のために一度も電車に乗ったことのない沖縄の女子高校生・空海(そらみ)。母も、パイロットだった父も失い、天涯孤独の身となった空海の前に母方の祖父の代理だという中在家弁護士が現れ、空海を北海道へ誘う。稚瀬布(ちせっぷ)発、月館(つきだて)行きの寝台列車・幻夜号に乗り込んだ空海を待っていたのは凄惨な殺人事件であった…。

というわけで、大元のトリックというかネタを書いちゃうとおもしろみが半減どころか9割方減じるので書かないでおきます。
あとは、あんまり共感できないテツ(鉄道マニア)たちの濃ゆさと、なにしろ列車に馴染みのない空海の戸惑いと、いきなり6人(5人が判明するのは下巻でですが)も殺されちゃった殺人事件の謎解きというか、探偵らしい探偵が初っぱなで殺されちゃってるので、なぜか空海が謎解きしちゃうというあたりを楽しむ感じです。

ただ、事件は凄惨なんですが、なにしろ作画が「動物のお医者さん」や「おたんこナース」の佐々木倫子さんのため、最初から最後まですっとぼけ感が漂ってしまいまして、そこに加えて濃ゆいテツ5人のキャラクター造型なんかもすっとぼけ感に拍車を加えた感じで、それほど怖い感じではなく、むしろあっさりテイストです。

終盤、空海の祖父の十蔵の屋敷を探してまわる空海たちが「上目名(かみめな)」駅の看板を発見するシーンがあるんですが、筒井百々子さんの「1スウの銅貨」という短編集に載ってた「雲の機関車」という短編で、主人公のノンが時刻表を見ながら探してた駅が上目名駅で、筒井さんの意外な博識さを思ったりしました。ちなみにたきがはは、この話でC57(しごなな)の愛称が「貴婦人」ということを覚えたのでした。

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日本による朝鮮支配の40年

姜在彦(カン=ジェオン)著。朝日文庫刊。

朝鮮近代史」の著者、姜在彦さんが朝日カルチャーセンターで語った講座をまとめた一冊です。なので語り口が柔らかいですが、題材が題材ですから、厳しい内容となっています。ていうか、ならざるを得ません。それを受け止めるのは日本人の義務です。

タイトルどおり、日本の植民地時代の朝鮮半島について多角的に詳しく語ったものです。

入門書としてお薦め。

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