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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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ヤマタイカ

星野之宣著。潮出版社刊。全6巻。

「2001夜物語」「ブルーホール」などのSFを描かれた星野さんのSF漫画です。現代の沖縄・久高島と古代の邪馬台国を結ぶ壮大なスケールは日本全体を巻き込むカタストロフへと進んでいきます。ただ、沖縄で最高の聖域とされる久高島を卑弥呼の後継にしてしまったのはちょっと受け入れがたいと思いましたし、中盤で日本にマツリを復活させる依代として戦艦大和を選んだのも抵抗を感じました。

確かに、わしは子どもの頃はテレビ版の「宇宙戦艦ヤマト」に熱中した世代ですので、そのオリジナルであるヤマトが蘇るのは一瞬、わくわくしてしまうのですが、あの時代、大和などというものを作らずにさっさと降伏していれば、沖縄もヒロシマ・ナガサキもなかったという立場から言えば、そんなものが復活して、米軍基地を攻撃するのを見て熱狂する日本人というのは受け入れがたいわけです。

さらに順番が逆になりましたが、久高島は「イザイホウ 神の島・久高島の祭祀」に紹介されていたとおり、創世神アマミキヨが最初に下りた聖地なのですね、沖縄では。それも最高位。そのアマミキヨをアマテラスと同視し、かつ卑弥呼の巫女団が逃れてきたのでは、あまりに沖縄の地位を貶めていないかと思ったのです。ていうか、貶めたんだと思うのです。それはあんまりじゃないかと。
そして縄文人の末裔をアイヌと沖縄にしたというところとか、あんまりミニマム過ぎるんじゃないかと。

そんなことを思って読んでいました。

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風車祭(カジマヤー)

池上永一原作。栗原まもる作画。KC Kissコミック刊。全5巻。

いろいろあって県立博物館・美術館に行ったら、資料を読めるコーナーがあったので10冊ほど乱読してきました。

石垣島を舞台にした少女漫画ですが、シリアスな展開をフジおばぁが登場するとぶち壊すという独特の雰囲気を持った漫画でした。島の存続に関わる問題なのに… ラストがちょっとページが足りず、わかりづらかったかも。

石垣島の高校生・比嘉武志は、フジおばぁの企みで妖怪火を目撃してマブイを落としてしまう。しかも妖怪火の正体は200年以上もマブイになって彷徨うピシャーマという若い娘だった。「マブイを落としたら次の誕生日までに見つけないと死んでしまう」と言われているにもかかわらず、ピシャーマに一目惚れしてしまった武志はピシャーマの願いをかなえるために奔走する。だがそれは、島を襲う未曾有の危機の前触れであった…。

タイトルの「風車祭」とは、97歳の誕生日を迎えたお年寄りがお祝いする儀式で、くだんのフジおばぁが何よりも楽しみにしている「人生最大のイベント」です。いやいや、97歳まで生きるというのがそもそも大変なんでしょうが、長寿でならす沖縄ならではか… しかし、そもそも何で97歳と半端な年齢なのか不明。まぁ、フジおばぁは96歳と風車祭を翌年に控えている長寿だし、そのキャラも強欲・我が儘・独りよがりと揃っていれば、余裕で迎えられそうな気がします。実際、最後はフジおばぁの風車祭でエンドでしたし。
しかし、このフジおばぁが未曾有の危機を迎えた石垣島の最後の頼みだっていうんだから、さあ、大変。島の神女たちの苦労が忍ばれますわ…

未曾有の危機というのが、津波や地震に始まって、豊作を願う豊作祭(プーリー)でも「来年の種はない」と言われた、島の存在に関わる問題なのですが、終始シリアスなホールザーマイ(島の神職の最高位にあるおばぁ。名前出ず)とフジおばぁが同時に登場するとフジおばぁの破壊力たるや最たるもので、全てを一気にぶち壊すという…

なので、この話、主人公というか狂言回しは武志なんですけど、真の主役はやっぱりフジおばぁなんでしょう。

原作の小説だとフジおばぁの破壊力は作画に負うところも大きいと思うので、大したことなさそうな気もします。読んでないけど。

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光の島

尾瀬あきら著。ビッグコミックス刊。全8巻。

過疎の島、唄美島で唯一の小学校が廃校になるのを阻止したのは6歳の少年、照屋光だった。海が大好きな光は島中の人びとに見守られて成長していく…。

というのが当初の粗筋だったんですけど、3巻あたりから話が子ども中心になって、そのうちに不登校児童にスイッチ。いい話なんだけど、何か泣かされてる展開なのが姑息だと思いました。

光たちを呼んだ大人たちには子どもたちを利用しているという意識がいつもぬぐえないわけです。それでも子どもたちの笑顔が、不登校だった子どもたちが学校に通えるようになることで応えてくれる。でも自分たちのために子どもを利用しているという意識は決してぬぐえることはない。
その矛盾から中盤から目を逸らしてしまったような気がします。それは子どもだけじゃない、今を生きる全ての人びとの課題でもあるわけですから。

安易にお涙頂戴に走っちゃったなぁというのが読後感。

そして図書館が徒歩圏内だと発見したことが最大の収穫な上、「太白山脈」が全巻置いてあって、ウハウハでした。

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雨の山吹

山本周五郎著。新潮文庫刊。

表題作のほか、「暗がりの乙松」「喧嘩主従」「彩虹(にじ)」「恋の伝七郎」「山茶花帖」「半之助祝言」「いしが奢る」「花咲かぬリラの話」「四年間」を収めた短編集です。うち、「暗がりの乙松」~「いしが奢る」までが時代物、残る2作は現代物です。

うち、「暗がりの乙松」は「宵闇の義賊」と同じテーマっぽい泥棒の話ですが最後で改心する人情物っぽい話。
残る時代物は武家物ですが、「彩虹」~「いしが奢る」までは武家の恋噺を据えて、いろいろなテーマの話を集めた感じ。その中で「恋の伝七郎」が下町物の風情もかもして異色、「山茶花帖」も女性の視点というところが異色です。
「花咲かぬリラの話」はどっかで読んだタイトルだと思っていたら「艶書」にそのものずばりのタイトルで「花咲かぬリラ」とありましたが、中身は全然違いました。
「四年間」はちょっと「静かなる決闘」を彷彿とするような話ですが、余命が決まっちゃってるのが違いますかね。まぁ、余命なんてのも怪しいもんだそうですが。

表題作の「雨の山吹」が、藩の公金を使い込んだ男やもめと、自殺をしたふりまでして駆け落ちした義妹のささやかな幸せが、最後のシーンでしみじみと響くのが良かったです。途中まで、妹を追いかける兄ちゃんが殺す気満々だったのが、タイトルのとおり、雨のなかで咲く山吹に妹夫婦を偲び、その幸せを願うところなんかが。

あと、「喧嘩主従」がさっぱりした読後感、「半之助祝言」はユーモア物って感じで好きでした。

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山彦乙女

山本周五郎著。新潮文庫刊。

周五郎さんには大変珍しい伝奇時代劇です。

江戸の旗本、安倍半之助は甲府勤番中に失踪した叔父の遺品を調べるうちに、叔父を狂気へと導いた武田家の莫大な遺産、130年間、武田家再興を悲願するみどう一族、権勢を振るう柳沢吉保の一派らの陰謀に巻き込まれていく…。

タイトルのとおり、ヒロイン2人が重要な位置を占めておりますが、「風流太平記」のように主人公が翻弄されたりしません。姉の登世は伝奇物にふさわしいリーダーシップを発揮しますが、悲願を達成できずに武田の遺産や崇拝者とともに滅びます。妹の花世は周五郎さんが描く無邪気なヒロインらしく、物語の終わった後で半之助と結ばれそうです。

舞台の甲斐はもともと周五郎さんの生まれ故郷でした。韮崎市にはこの話を記念した碑も建てられているそうです。

肩の凝らないエンタテイメントですが、個人的には甲州に入ってからがあっさりしてるのでもっと盛り上げてほしかったかも。

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