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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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日本残酷物語4

宮本常一、山本周五郎、揖西光速、山代巴監修。平凡社ライブラリー刊。全5巻。

意地で読み続けてる感じになってきましたが、いくつかは興味のある分野だったりするのでおもしろ半分です。

サブタイトルが「保障なき社会」で、主に維新後の、村という共同体が崩れ、それを最後の踏ん張りどころとしていた人びとが最低限の保障を失い、いかに窮乏していくかを通り越して姿を消していくかなんかを綴ってます。
こうして読むと、日本って国は戦前の保障なきまんまの国が戦後も続いていて、自己責任が〜とか言っちゃって、ほんとに支配者が安泰の国なんだなぁと思いましたが、まぁ、それもいまさらな話です。

第一章の「過渡期の混乱」はまだ良かったんですが、第二章の「ほろびゆくもの」って、士族とか村の前にまずアイヌを持ってくるべきだと思いました。
日本とは全く異なる文化や生活を営んできたアイヌの人びとがいかに日本によって搾取されていったかは「アイヌ民族の歴史」に詳しいのでわしもまぁ少しは知っていると思うんですけど、それを最後に持ってきたのは著者、あるいは編者の意図で前の士族や村のことをクッションにすることで、アイヌも大変だったんだなと読者に思わせたいんじゃないかと邪推しました。いや、そうじゃねぇだろ! 大変だったのは一方的に搾取され、虐げられ、今も差別されているアイヌで、彼らに比べたら士族とか持ち出されてもだろ!と思ったんで、こういう編集は逆効果だと思います。
というか、第3巻の感想でも書いたんですけど、士族の苦労とか持ち出されましても、じゃあ、その下で搾取されていた農民とか町民とか、さらには穢多・非人はどうなんだよ、そこ書けよそこ!って突っ込みが炸裂しまくってたので、サムライがサムライであるがゆえの苦悩とか、くっそどうでもいい。
確かにわしは根っこが東北なんで、維新政府に逆らって、とことん逆賊の汚名を着せられた会津藩には同情的な視点になりますけど、あくまでもそれは勝ち組の薩摩とか土佐に比べてであって、その下の人に比べてサムライも大変だったなんてくっそどうでもいいです。

あと、常々言われている移民の大変さは、またそうして海外に逃げることができただけましな人たちだったのであり、国内で逃げることもできず、押しつぶされていった人びとを思ったりはしましたが、まぁ、サムライほどの突っ込みは炸裂しませんでした。

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The Star

島崎譲著。漫画図書館Z刊。全24巻。

「青竜の神話(サーガ)」「覇王伝説・驍(たける)」と時代劇バトル・ファンタジー物を「週刊少年マガジン」に連載していた島崎譲先生のメジャー第2作目。外連味があって華やかな画風がけっこう好きで、特にメジャーデビュー作の「青竜の神話」が好きだったんですが、この話は連載途中で読むのをやめてしまい、久しぶりに通して読みました。まぁ、タイトルから想像できるとおり演劇物なんですけど、わりと荒唐無稽な展開が多く(役者である主人公が格闘家を圧倒するとか…)途中で飽きたのでした。なので、ラストだと思ってた「ウェストサイド物語」は全然中盤で、13巻当たりから「読んだことねぇ…」な新たな展開がびしばしで、けっこう勢いに任せて読んでしまいました。
まぁ、演劇物ゆうたら「ガラスの仮面」の荒唐無稽さは常識ですし、「多数欠」連載中の宮川大河先生の「セカイ・エンジン」も、その荒唐無稽さは遥かに上回るレベルなんで、わしも耐性ついたっていうか…
「青竜の神話」に比べると主役クラスにあんまり魅力的なキャラがいなくて、好きになってもたいがいは主人公の引き立て役というのが最大のはまれなかったポイントかもしれません。「青竜の神話」だと、主人公の草壁豹馬とか、ヒロインの蝶子とか、わりと好きなキャラが多かったんで。「驍」だったら巽凱とか流輝とか…
あと、この話、長いんですよね。全24巻。1本のストーリーがあるわけじゃなくて、わりと中編(ものによっては単行本何巻にもなるんですが)が何本も続くのですが、そういう話ってあんまり前後の話に関連がないことがあるじゃないですか。それもあんまりおもしろくなかったっていうか… ただ、著者の作品ではこれが最長連載なので人気はあったんでしょうたぶん。

「ガラスの仮面」がわりと登場人物、ほぼ全編オリジナルなのに比べると、実在の人物の名前をもじりつつ(ヒロインからして中森明菜)、何となく連想させるビジュアルを持ってくるというのは新鮮でしたが、これ、実在の人物のファンに比べたらどうなんでしょうかね? まぁ、「ドカベン」みたいに選手を実名で出しつつというのもどうかと思うんですが(「ドカベン」に手を出さないのはそれだけが理由ではありませんが)。
わりと格好良く描かれてたキャラに比べたら、悪役、もろに引き立て役なキャラなんかはファンはいらっとしたのかなぁ…と余計な心配もしないでもありません。

連載当時は、そう言えば、まだ黒澤明監督は健在だったし、コッポラといったらフォード(おとっつぁんの方。「地獄の黙示録」とか「プラトーン」作った人)だった、というそっち系のネタが好きな人にはたまらないかもしれませんが、掲載が「少年マガジン」じゃったからね… そうそう、勝新太郎も健在でしたし、名前をあげるだけでも東山紀之、菅原文太、若山富三郎、工藤静香、原田知世、ウィンク、光ゲンジ、高倉健、渡哲也、深作欣二、トム=クルーズ、ジャック=ニコルソン、ジャッキー=チェン、ブランドン=リー、原田俊彦、クリント=イーストウッド、ポール=ニューマン、ダイアン=レイン、チャールズ=シーン、ジョン=ローン、後藤久美子、中山美穂、スティーブン=スピルバーグなどなど、いろんな役者(をモデルにしたキャラ)がわんさと登場します。

そこら辺の時代性を楽しむのいいかもしれません。

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日本残酷物語3

宮本常一、山本周五郎、揖西光速、山代巴監修。平凡社ライブラリー刊。全5巻。

2巻が別館にあったので3巻と4巻を借りてきましたが、1巻ほどおもしろくなかったです。

サブタイトルは「鎖国の悲劇」で、主に江戸時代に鎖国したことにより、いろいろと迫害を受けることになってしまった人びとについてでしたが、1巻に比べて文章が情緒的になりすぎたのがおもしろくなかった原因です。同情的すぎるというか…

主な内容は宗教的、漂流・流刑、藩による特徴的なもの、部落や士農工商の身分制からはみ出してしまった人びとでしたが、このうち、宗教の話が200ページとこの巻の1/3を占めておりまして、とかく宗教=阿片なわしには関心がないとは言いませんが、命の危険を犯してまで守りたい信仰というのが理解不能でした。あと、江戸時代の場合、とかく禁教というと切支丹を連想しますが仏教にもあったんですね、というのは目から鱗でしたが、藩によって禁教とされているのが異なっているのが根が深いんだなぁと思いました。

あと、わしは根っこは東北ですんで、間違っても薩摩なんかは縁がないんですが、まぁ、鹿児島(ほとんど薩摩)じゃなくて良かったな!とこれほど思ったことはありませんでした。士族も嫌だし、農民も町民も駄目で、江戸時代に生きてたらもう大変だったよね、絶対… と思うくらい、薩摩藩とかの実態は嫌でした。

漂流とか流刑、身分制はまだおもしろかったです。

あと、この巻ではなかったかもしれませんが、とかく右へ倣えでどんぐりの背比べ、出る杭は打たれるな日本において、優秀な農民の子どもを殺しちゃったという話を読むと、「カムイ外伝(だったか「カムイ伝」だったか忘れてますが)」の正吉(主役の一人の下人の子)が活躍する中盤の展開は、きっと史実ではなかなか難しかったろうなぁなんて思いました。

一応、全部読むつもり。

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しをちゃんとぼく

T長著。となりのヤングジャンプ掲載。

「死を失いし者」、通称「しをちゃん」と出会った「ぼく」の日常を描いたブラックなコメディ。

「しをちゃん」の生きることに執着を失ったゆえのぽんこつぶりにしんみりとさせられる話が多く、コメディと言っていいのか… かといって「しをちゃん」の破片(脳とか指とか、あらゆる人体の一部)がよく登場するのでほのぼの系でもなく…

どんな目に遭っても必ず死から再生してしまい、数千年も生きてきたわりに、記憶も適当に飛んでいるし、そもそもぽんこつだし、毒にも薬にもならない「しをちゃん」のキャラが、不死者としては今までなかったパターンで秀逸と言うにはあまりにブラックです。

「ぼく」はそんな「しをちゃん」に対する突っ込み役であり、時に賢者と呼ばれますが、基本的には常識的な小学生です。そんな二人に加え、中盤から世界征服を策謀する秘密結社ネオゴッド(結社員1人)の「力を求めし者」、通称「ちかもとさん」(なぜ略す)が加わりますが、間違っても世界征服なんて物騒な話にならず、単に突っ込み役がもう1人加わって、DIYが得意な「ちかもとさん」のキャラもあって、やっぱりほのぼのしちゃいます。

誰が格別好きということもなく、登場人物がみんなわりといい人で更新を楽しみにしていた漫画でした。先日、となりのヤングジャンプにて完結、その後もおまけを掲載していましたが6にて終了宣言が出たので、「しをちゃん」の設定を考えると永遠に続けられそうな漫画でしたが、最終回では「ぼく」も成長し、パパになり(息子が若い頃の「ぼく」にそっくり)、「ちかもとさん」もネオゴッドを冠するDIY帝国の主人となり、「しをちゃん」だけがいつまでも変わらなくて、その日常がいつまでも続いていき、世界が滅んでもまた繰り返されるという終わり方でした。「しをちゃん」がなんで世界を傍観し続けるのか、そこら辺の理由は明かされてませんでしたが(たぶん特に考えてもいないんでしょうが)、けっこうおもしろかったです。

スマホアプリをインストールすると全話読めるそうですが、サイトだと公開話が限られちゃいます。

何となく読み始めたら、最後まで読んじゃったという、わしには珍しいタイプの漫画でした。

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ルームメイツ

近藤よう子著。全4巻。漫画図書館Z掲載。

還暦を迎えた時世、ミハル、待子の3人の旧友が、同窓会で再会したことをきっかけに一緒に暮らすようになり、それぞれの幸せや家族との関わり、新しい生活などを見つめ直した漫画です。

時世さんが元小学校の教師で結婚しそこねたオールドミス。
ミハルさんは芸の師匠の2号さんでこれまた独身。
待子さんは専業主婦でしたが、新婚時代に「嫌だ」と思った夫との二人暮らしに耐えかねて家を飛び出した2児の母。
と、まったく環境も生い立ちも異なるけれど、学生時代に仲良かった3人が、まず時世さんとミハルさんが老い先を考えて一緒にマンションを買ったのをきっかけに待子さんが飛び込んでくるというのが始まり。

しかし思いましたが、これ、女同士で良かったよね。だから家事も分担できますもん。男同士だと、まず誰が料理するんだよって話に絶対なる。掃除とか洗濯とか馴れてないだろうし。男にゃ無理だ、これ。

待子さんが夫とのすれ違いで最終的に離婚に至るように波瀾万丈の展開ですが、別に時世さんやミハルさんが何もないわけではなく、時世さんは最終的に昔、結婚を考えた人と再会して結婚までしちゃうし、ミハルさんは最後まで独身を貫くけど弟子の若い女性の結婚を見守ることになるし、とドラマはいろいろ。待子さんの子どもたちもいろいろあるし、そのうちに子どもも生まれるし、人生とはかくもドラマチックなものかと思います。

歳を取ってもこんな風に一緒にいられる友だちがいたらいいな、なんて思わせてくれるお話でした。

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