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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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死霊1

埴谷雄高著。講談社刊。全2巻。

前からタイトルだけ知っていたので、何を思ったか手に取ってみました。意外とすらすら読めたのですが、話の内容は難解で、おもしろいというかよくわかりません。

三輪与志を主人公に、学生時代の友人で狂人となってしまった矢場徹吾、同じく友人の黒川健吉、与志の兄、高志の友人を自称する首猛夫らを中心に登場人物たちがとりとめもないような話を延々としている話。

ではないような気がしますが、ひとまず2巻まで読み進めようと思います。

何でこんな本、読もうと思ったのだ俺…

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朝鮮戦争(下)

デイヴィッド=ハルバースタム著。山田耕介・山田侑平訳。文藝春秋刊。全2巻。

朝鮮戦争そのものを描くより、アメリカはどうして朝鮮戦争の悲劇を避けられなかったのか、に重点が置かれたドキュメンタリーの下巻です。
が、正直言って、まぁ、アメリカ人の抱く朝鮮感から一歩も出ていなくて、著者の最高傑作とか訳者なんか絶賛(自分が訳したんだから自画自賛?)してますけど、ブルース=カミングスさんの著書に比べると凡百の印象はぬぐえません。だいたい主題の立て方からして間違ってます。

アメリカが中国との泥沼の戦争に踏み込んだのは中国の参戦を考えていなかった独善的なマッカーサーのせいなんかではなくて、そもそも日本の植民地だった朝鮮が、その前は2000年以上の歴史を持つ独立国であったという事実を無視して朝鮮人を格下と見なし、自主的に独立国家を作れないと考え、勝手にソ連との分割統治をしたせいです。全土に起こっていた朝鮮人民共和国への下地とか、親日派(売国奴と同義)を自主的に裁こうとしていたとか、そういう動きを無視したのは独善的なアメリカです。
だから本来ならば日本に協力的だったとして裁かれていたはずの親日派の白善燁なんぞを「朝鮮最高の軍人」とか絶賛するんです。
だいたい、それまで白善燁の名前も功績も出てこない上、韓国軍がさんざんアメリカ軍の役に立たない、士気も低い、だらしない軍だとこき下ろしておきながら、白善燁だけ偉大なわけがないじゃないですか。

一方で毛沢東、金日成、スターリンはこき下ろしてますけど、これって、従来のアメリカ史観とどう違うんですかね? まぁ、いかにも文藝春秋が好みそうな著者だと思いましたけど。

あと、朝鮮戦争の描写が、アメリカ軍が中国軍に反撃し、以後、両軍が38度線を境に小競り合いを繰り返すことにもなった砥平里(チピョンニ)の戦いでほとんど終わっちゃって、マッカーサーの解任がクライマックスというのは、最初からこの著者、マッカーサーについて描きたかったんじゃね?と思うくらい、マッカーサーの比率(その生い立ちから性格の形成など)が高かったのも、わし的にポイント低いです。嫌と言うほどマッカーサーとその取り巻きについて読んだんで、マッカーサーはもう見とうない。
インタビューの範囲もアメリカに限られているようですし、そういう視点で立てば、韓国は偉大な復興を遂げたわけだし、共和国は独裁主義の世界中の嫌われ者なわけですけど、まさか、共和国が世界で孤立しているとか本気で思ってないよね?!と突っ込みたいです。
さらに言えば、「俺たちがいなければ朝鮮半島は共産化していた」的な時代遅れの陰謀論も願い下げにしたいです。
さんざんマッカーサーやその取り巻き、アメリカの持つアジア人を蔑視する人種差別を描いていますが、著者自身が、あんまりそこから抜けてないという自覚を持っていなかったように感じました。

著者がメジャーになったのはベトナム戦争で、やっぱり泥沼化していったアメリカを描いたドキュメンタリー「ベスト&ブライテスト(原題そのまんまの邦題というだささにも突っ込みを入れたいところですが…)」だそうですが、たぶん読まないだろうなぁ…。

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朝鮮戦争(上)

デイヴィッド=ハルバースタム著。山田耕介・山田侑平訳。文藝春秋刊。全2巻。

原題は「The Coldest Winter」。アメリカの作家でジャーナリストの著者が10年かけて著わした力作です。
多分に朝鮮に同情的だったブルース=カミングス氏の著書に比べると、ずいぶんアメリカ寄りだと思いました。アメリカ寄りなんで、アメリカが朝鮮戦争に踏み切るまでとか、マッカーサーやトルーマンだけでなく、権力にかなり近いところにいた様々な人物にも焦点を当てているので、中国の人民解放軍が参戦したところから始まってますけど、後はずーっと戦争前と戦争中で、共産側の反撃は下巻に持ち越しです。

アメリカ人の視点ですが、わしが最近思うようになった「楯突かなければアメリカは別に大日本帝国を潰そうとはしなかったろう」というのは確定的になったようです。主に太平洋戦争での戦闘なんかが理由だったりしますけど、アメリカ人は敗戦国ニッポンには同情的ですが、植民地で辛酸をなめさせられた朝鮮のことは理解しようともしてません。まぁ、大陸でソ連や中国と接している朝鮮よりも島国で共産主義に対する橋頭堡として役に立つニッポンのが大事のようで、敗戦後、アメリカを真似して、アメリカを含む西側諸国に追いつけ追い越せのニッポン人にもだいぶ共感していたらしいのが読めます。

続きは下巻で。

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闘う執事

東篠仁著。マンガ図書館Z。全4巻。

日本で五指に入る詩浄院財閥のお嬢様サラサと彼女に仕える執事・衛藤、サラサの護衛を務めるフットマン(召使い)らの日常というか、箱入りなお嬢様のサラサの世間とのズレと彼女に輪をかけたようなズレっぷりを見せる執事とのギャグと見せかけて、20歳になったら顔も知らない相手と政略結婚を決められたサラサと衛藤、フットマンらのタイトルどおりのさまざまな「闘い」を描いた人情漫画。

最初はサラサと衛藤の天然ぷりに「しょうがないなぁ」と苦笑いしつつ、サラサの上記のような事情やその生い立ちと衛藤との出会い、フットマンたちとの触れあい、さらには母の遺言どおり「世間を見るべき」との思いから始める1週間ほどの短期バイト先での一般民衆との触れあいなどを読んでいくうちに、天然に見えていたサラサの行動や考え方が彼女なりの価値観の上に築かれていることがわかっていき、いつの間にかサラサや衛藤を応援したくなってくる不思議な漫画です。

掲載誌が「漫画ゴラク」とマイナーな青年誌だったことが災いしてか、まるで聞いたこともないタイトルでしたが、中身は正当な人情派で、サラサの成長なんか頼もしかったりします。

全4巻と短めですし、終わり方が典型的な打ち切り(俺たちの戦いはこれからだ!的な)ですが、ここで終わらせておくのが美しいのかも。「藤山寛美みたいな」という感想を見ましたが、まぁ、そんな感じのおもしろさでした。

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沖縄戦と原爆投下 漫画家たちの戦争

中沢啓治、池田理代子、川崎のぼる、水木しげる、梅本さちお(原作:福本和也)、比嘉慂著。金の星社刊。

タイトルのとおり、沖縄戦と原爆投下を扱った短編漫画を集めた本ですが、正直、沖縄戦の漫画のレベルがちょっと低いかも…。

収録作品は「赤とんぼの歌(中沢啓治)」、「真理子(池田理代子)」、「黙祷 初枝〜その夏・8月9日〜(川崎のぼる)」、「沖縄に散る〜ひめゆり部隊哀歌〜(水木しげる)」、「ああ沖縄健児隊(梅本さちお/原作・福本和也)」、「ワラビムヌガタイ〜子どもが語る〜(比嘉慂)」です。
タイトルで見ればわかりますが、「黙祷」までが原爆物、以降が沖縄戦です。

中沢啓治さんの「赤とんぼの歌」は、ちんどん屋のおじさんが、もろに「はだしのゲン」の平山さん(隆太たちの親代わりの元新聞記者)でしたが、おじさんがなぜ、「赤とんぼ」だけを吹き続けるのかというエピソードは相変わらず強烈な反戦のメッセージの籠もったものでした。

池田理代子さんもこんな漫画描いていたんだなぁ!と驚きましたが、かつては夏になるとたいがいの週刊誌・月刊誌は戦争の漫画の特集で、けっこう名だたる漫画家が描いとったもんだと思いますと、その流れに乗っかったのかもしれません。ごく平凡な少女・真理子が、原爆症で亡くなる同級生や家庭教師との出会いと別れを通じて、反戦サークルに名をつらねていく過程はありがちっちゃありがちでしたがうまかったです。

そして「いなかっぺ大将」や「巨人の星」の川崎のぼるさんもこんな反戦漫画描いていたんですね。内容はもろに「生ましめんかな」の世界でして、あちらは子どもを生まれさせようとするのに対し、こちらは母を失った赤子に、被曝し、自らの子を失った母親たちがまるで自分の命と引き換えにするかのように乳をやって死んでいくというエピソードが綴られてまして、これが主人公の刑事さんの無骨さと相まっていちばん印象に深かったです。
もうね、タイトルとか見てるから8月9日といったらナガサキだなというのはピンと来るんですよ。でも、そこから引っ張って、どうして父一人娘一人の刑事さんが8月9日に黙祷を捧げることにこだわるのかを「生ましめんかな」的エピソードにつなげた手腕がお見事でした。

で、ここからテーマが沖縄戦に移るわけなんですが、正直、最後の「ワラビムヌガタイ」以外はいまいちでした。水木しげるさんは「劇画ヒトラー」とか戦記漫画描いていたけど、ひめゆり学徒隊を描くにはちょっと資料不足というか下調べ足りないんじゃねぇかなぁと思いました。その前に「水筒」読んでたからなんですが。あと、この人のタッチだと少女は無理がある…

「ああ沖縄健児隊」も「沖縄健児隊の最後」読んだ後だと、突っ込みどころが多すぎじゃないかと思っちゃいました。原作者の経歴見たら、戦記物は書いてるようですが、沖縄戦は素人っぽいですね。あと戦記物は兵隊が主役だろうけど、沖縄健児隊は民間人ですからね。ちょっと一緒に並べてほしくないレベル。

「ワラビムヌガタイ〜子どもが語る〜」は著者の名前から察するとおり沖縄の方でして、宮古島に駐留した日本軍と住民との衝突とか葛藤なんかを描いていて、そりゃあ日本軍にだってまともな奴はいただろうけど(部下の罪をかぶってとか)、やっぱりそうじゃない奴の方が多かったろうし、そもそも上層部が屑ばっかりなんだから住民殺しても屁とも思わないよねぇというエピソードを少年の目を通して描いていて、そこが良かったです。

思うに原爆と沖縄戦とでこれだけレベルに差があるのは、著者の力量というより、被害者に徹せられる原爆と、加害者でもあり被害者でもある沖縄戦という違いも大きいのだろうと思います。加害者としての側面をどこまで描くか、その責任をどこまで追及するか、そういうものが見えてこないと薄っぺらな話になってしまうのではないかと思うのです。まぁ、逆に礼賛に走られても困るんだけど…

興味深い題材ではありますが、是非にとお薦めもしません。

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