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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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秘曲 笑傲江湖 第3巻

金庸著。岡崎由美監修。小島瑞紀訳。徳間書店刊。全7巻。

サブタイトルは「魔教の美姫」でして、いよいよ、第一ヒロインの任盈盈(じんえいえい)が登場しますが、スペックが凄すぎるのに、どうして令狐冲にべた惚れなんだかよくわからない展開です。うーん、令狐冲も魅力的な人物ではあるんですが、なにしろ前巻で岳霊珊のことで悶々としてたもんで、どこがいいんだ、そんな小娘とか思ってたので、任盈盈が惚れる理由がわからん… 確かに秘曲・笑傲江湖の楽譜を渡しはしたけど、うーん、よほど男に免疫がないのか… しかし剣を取れば4人の高弟子と渡り合い、琴を弾きこなし、絶世の美女と来ております。しかも魔教の前当主の娘と人物紹介にも書いており、邪派の人間には絶対的な権力まで持っているのです。どんだけスペック高いんだよおら。

しかも最初のうちは任盈盈が令狐冲を助けるべく、邪派の連中を総動員して、あの手この手で令狐冲の健康を回復させようとしてますが、その事情が令狐冲には知らされないもので、ますます崋山派の総師・岳不羣の不興を買う羽目になり、登場人物紹介のページで岳不羣の妻で、令狐冲が師娘と慕う岳夫人が「夫に疎んじられる令狐冲を何かとかばう」と書いてあるけど、実際には全然、そんなことなくて、夫婦揃って、令狐冲を疑ってるようにしか読めず、とうとう、令狐冲は崋山派を破門されてしまうのでした。あらまぁ…

しかし、捨てる神あれば拾う神ありと言うとおり、少林派(嵩山派がてっきり少林寺かと思ってたら、別に少林派がありました)の高僧が令狐冲に込められた8つの気と、そのせいで負っている不健康を治すための秘伝を授けようとしてくれたのに、まだ岳霊珊にふられたというか、見捨てられたことを根に持っている令狐冲、二君に仕えずと言えば格好はいいですが、半分以上、意固地になって少林派に弟子入りし直すこともせずに自分の人生を見限ってしまいます。

ところが、さすがは主人公、こんなものじゃ死にません。崋山派から破門され、邪派の剣術を身につけたと師匠に疑われた令狐冲は、正派、さらに任盈盈の命で邪派からも命を狙われる身となりますが、同様に邪派に追われる凄腕の老人、向問天(こうもんてん)を義によって助太刀したことで彼と親しくなり、もともと崋山派などに収まる器ではなかったんでしょう。正派、邪派の不倶戴天の対立をも越えて、知己を得て、さらなる運命に立ち向かっていくのでした。

結局、正派・邪派と分かれている江湖を、令狐冲が最終的にはまとめるような感じで終わりそうです。そうしないと魔教の任盈盈とも結ばれなさそうだし。だいたい、正派・邪派といっても、結局は使う人間の問題なんで、前巻で曲非烟をぬっ殺したのは正派の人間だったし、秘曲・笑傲江湖を生み出したのは正派と邪派の人間だったし、登場人物がやることはえげつないのは、簡単に人を殺しちゃう「水滸伝」の世界だなぁと思いました。

それにしても東方不敗が名前しか出て来ませんが、その名に恥じずにすごく強いらしいので出番が楽しみですが、毎回、新しい人物がどって出て、半分くらいは殺されちゃったりするんで覚えるのが大変。

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秘曲 笑傲江湖 第2巻

金庸著。岡崎由美監修。小島瑞紀訳。徳間書店刊。全7巻。

風雲急を告げる第2巻です。サブタイトルは「幻の旋律」とあるように、シリーズ全体のタイトル、笑傲江湖が、実は劉正風と曲洋によって作られた簫と琴の楽曲であることが語られますが、この2人、前巻で逃げる際に嵩山派の費彬(ひひん)によって深傷を負わされており、快活なところが魅力的だった曲洋の孫娘、曲非烟ともども死んでしまいます。曲非烟は費彬に殺されます。しかし、費彬自身も、劉正風の兄弟子である衡山派の総師、莫大先生に殺されまして、一連の出来事をたまたま目撃したのが儀琳の看病で療養中だった主人公、令狐冲だったのでした。亡くなる際に劉正風と曲洋は、名曲、笑傲江湖が失われることを惜しんで令狐冲に託すことで、以下、令狐冲は数々の難事件に巻き込まれていくわけです。

そういうわけで、前巻がわりといろいろな人物、各派の大物・小物が入り乱れる展開だったのに比べて、今巻は令狐冲が話の中心でほとんど崋山から動きません。
まずは師匠や弟弟子ともども崋山に帰った令狐冲、儀琳を助けるためだったとはいえ、尼僧を罵倒したことや悪漢、田伯光と懇ろに酒を飲み交わしたことなどを咎められて、1年間、崋山の山頂に籠もりきりで修行をするという罰を受けることになります。1巻ではわりと颯爽と登場し、あだ名の「君子剣」に相応しい言動と風格を備えていた令狐冲の師匠であり、崋山派の総師でもある岳不羣(がくふぐん)ですが、3巻でも読み進めた現在、だんだんけつの穴の小ささを露呈していて、果たして復権するのか非常に疑問です… まぁ、令狐冲も豪放磊落な人物なんで、良くいや小さなことにこだわらないし、悪くいや大ざっぱな性格なもんですから、「君子剣」などと呼ばれて、大旦那みたく構えた師匠には可愛い一番弟子でも気に入らないところがあったのかもしれませんけど、それもそれで器の小ささが知れるので…

で、修行を始めた令狐冲ですが、まだまだそれほど強いわけではない上、なぜか師の娘、岳霊珊(がくれいさん)に首ったけなもんで、いろいろと雑念に囚われて、修行一筋とはいきません。ただ、残念なことに、令狐冲が惚れ込んでる岳霊珊が、曲非烟ほどにも魅力的じゃないもんで、惚れてしまえばあばたもえくぼなのか、令狐冲はそもそも孤児で岳夫妻が親代わりなので、インプリンティングのごとく、身近にいた岳霊珊に惚れただけなのか、と思ってしまうぐらい、岳霊珊、ただの恵まれた小娘にしか見えず、まぁ、令狐冲もそれほどできた人物というわけでもないので、可愛いだけの小娘に惚れたのかもしれませんけど、岳霊珊が、だんだん林平之(りんへいし)と仲良くなっていって嫉妬に狂い、修行も捗らないという展開は少々、退屈でした。

ところが崋山派もいろいろとありまして、現在の岳不羣が気功派で、かつて剣術派の一派と争いになり、剣術派を一掃してたことがあって、そういうところは令狐冲以下は知らないわけです。でも崋山の岩穴の奥に、その秘密が隠されていて、偶然、のぞいてしまった令狐冲、そうでなくても岳霊珊のことで胸が一杯なのに、自分がいままで信奉してきた崋山派も破られると知って、まだ気もそぞろ、全然、修行になりません。

しかも、そこに悪党、田伯光が登場、何が何でも令狐冲を下山させたいと言い出し、令狐冲も師の命に背くわけにはいかないと意地を張り、でも腕前ではとうてい田伯光にはかないませんから、口八丁手八丁で逃れようとします。
そこに岳不羣の伯父弟子にあたる風清揚が登場、本来ならば学んではいけない剣術派の極意、秘剣、独狐九剣を令狐冲に教えることで、令狐冲はさらなる疑いを師からかけられることも知らないで、とりあえず目先に田伯光を撃退するのでした。

しかし、今度は敵か味方かもわからないどころか、その目撃も不明な桃谷六仙と称する6兄弟が現れ、令狐冲をさらっていきます。ただ、腕は滅法たつけど、おつむの回転がさっぱりな桃谷六仙、令狐冲にいいように丸め込まれて崋山にとんぼ返りしますが、これまた不審人物の登場だっていうんで、令狐冲の言い分も聞かぬうちから岳夫妻によって敵と見なされ、いったん退場しますけど、桃谷六仙の勝手気まま(でも善意から)な気を注がれた令狐冲は3巻になってもまだ治ってない深傷を負うのでした。

さらに生き残っていた崋山派の剣術派が登場、あちこちに首を突っ込みたがる(前巻の劉正風の引退を止めたり)嵩山派の総師で五剣嶽派の盟主でもある左冷禅の威も借りて、岳不羣から崋山派の総師の座を奪い取ろうと乗り込んできます。
これは首を突っ込んだ桃谷六仙のせいもあって撃退しますが、左冷禅の真意を確かめるべく、嵩山に向かった崋山派の一行、今度は正体不明のならず者に襲われ、これを撃退したところで次巻に続きます。

まぁ、こうして書いてみると人物も各派が入り乱れてごちゃごちゃになってますけど、令狐冲を中心に話は進むのでそんなに混乱はしないです。
ただ、武林中から軽蔑されているという悪漢、田伯光が、令狐冲との約束を深傷を負っても守って侠気を上げるのに対して、岳不羣が株を落としているので、3巻ではさらに落ちるので、この先、どうなるのか、令狐冲はどうなるのか、目が離せない展開になってきました。

次巻ではまた登場人物ががらっと変わっているので、引き続き、風雲急を告げる展開になりそうです。

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秘曲 笑傲江湖 第1巻

金庸著。小島瑞紀訳。岡崎由美監修。徳間書店刊。全7巻。

とうとう読み始めた「機動武闘伝Gガンダム」の数々の命名の元ネタ小説です。そういや、著者の金庸氏は、つい先日、訃報に接したばかり、改めて冥福をお祈りするとともに豊潤な中華武林の世界を堪能しております。

サブタイトルは「殺戮の序曲」というわけで、福建省福州で用心棒稼業を営む福威鏢局の若旦那・林平之(りん=へいし)が一門を皆殺しにされ、両親を生け捕りにされて、その犯人、青城派を追いかけるところから始まり、武林のなかでも特に有力な五嶽剣派の1つ衡山派の有力者、劉正風の引退式に潜り込み、主人公である令狐冲の活躍、劉正風の引退の真の目的に気づき、それを止めようとして惨劇を巻き起こす嵩山派の弟子たちと劉正風との今後の因縁なんかを描きます。
名のある登場人物がこの巻だけで数十人と出てきて、そのうちの十何人かは殺されちゃったりしてますが、まぁ、おおむねサブタイトルに相応しく、並々ならぬ今後の波乱を予感させる出だしで、おもしろかったです。殺伐とした話ばかりでなくて、純真な尼僧の儀琳が語る令狐冲と悪漢、田伯光との息詰まるやりとりや戦い、九死に一生を得た令狐冲を介抱する儀琳のけなげさとか、もう英雄好漢に美男美女、悪役も多才で入り乱れ、登場人物が多いわりに混乱しないのは描写の見事さと言っていいでしょう。

それに加えて武林正派の仇敵・魔教の党首が東方不敗とか言われたら、主人公そっちのけでどんなキャラクターか興味津々になるってものじゃないですか。いや〜、笑傲江湖(ウォルターガンダム)も出てきたことだし、そのうちに天剣絶刀(ガンダムヘブンズソード)や獅王双覇(グランドガンダム)まで出てくるんじゃないかとわくわくが止まりません。

登場人物のなかでは「癇癪がきついけど、慈悲深い心の持ち主」と紹介されてる定逸師太がけっこう良かったんですが、劉正風との親交も厚いけど、魔教の長老でもある曲洋がどんな人物かも興味津々。何より東方不敗の出番はまだか。

さくさくと読み進めたいと思います。

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死霊3

埴谷雄高著。講談社刊。全3巻。

最後の巻ですが、相変わらずよくわからないで読み進めたのですが、登場人物の大半が観念的なことしかしゃべってないので、まぁいいか…

わし的には1巻で登場して以来、ずっと沈黙した狂人として描かれてきた矢場徹吾が、首猛夫に最後の審判を打ち明けるシーンがすこぶるおもしろかったです。特に人間代表として食った魚や豆に裁かれるイエスと仏陀とか最高でした。まぁ、これもすぐに否定されちゃうんですけど…

ただ、矢場徹吾や首猛夫まで三輪与志らの異母兄弟だったというのは必要だったんですかね? 三輪の血筋という意味で必要だったのかもしれませんけど… 確かに考えてるだけというのは滅多になさそうな血筋ですが… 誰も悪徳政治家と言われた親父に似てないですネ。

高志が「ひとりの子供だにまったく存しなくなった人類死滅に際しておこなわれる革命のみが、本来の純粋革命となる」と書いたというのを読んだ時は、似たようなことはあちこちで言われてるけど、それ、自分一人を消した方が早いんちゃう?と思いました。

あと、たとえ話のなかで、どいつもこいつも「あっは」とか「ぷふい」と事あるごとにつぶやくのは、どいつもこいつも同じ奴にしか見えなくなってしまったので、もう少し書き分けてほしかったり…

わし的にはボルヘスの「伝奇集」以来、背丈に合わない本を読んじゃったなぁというのが素直な感想です。

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ゴー・トゥ・ヘルン

しいたけ元帥著。GANMA!掲載。

バトル物だったり、育児物だったり、明るい地獄ライフを満喫する最強の亡者・美善清正(みよしきよまさ)と、最弱の獄吏ヘルンの筋肉地獄コメディ。

冒頭でも書いてますように、路線が都度、変更になり、時に読者を惑わせるんですが、基本は清正=最強と小悪魔(というほど悪人でもないですが)ヘルンの絡みを中心に、獄吏や生者、閻魔やサタンまで巻き込んだコメディなので、どんな時でもぶれないキヨちゃんに安心して読めるマンガでした。作者も納得の完結をした、GANMA!でも貴重なマンガです。いや、ほんとに。

ちなみにキヨちゃんは、中盤より前にその凶悪すぎる力をセーブされ、若キヨにさせられたりしてますが、わしはむきキヨちゃんが好きでした。いやぁ、いい地獄だ。

サブキャラクターも何話も描かれるほどのエピソードを持っていて、たまにキヨちゃんが登場しない話もありましたが、それもまたおもしろく、お気楽極楽に読める貴重なマンガです。

完結したてなので、いまなら全話が一気に読めますから(2018年12月のアップデートで完結作品が読める期間が制限されるとか、いろいろ改悪されたため)、お早めに。

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