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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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シェーナウの思い

監督:フランク=ディーチェ、ヴェルナー=キーファー
見たところ:茅ヶ崎市民文化会館
2008年、ドイツ

1997年にドイツで初めて発足したEWS(シェーナウ電力供給会社)が、市民運動からいかにして立ち上がっていったか、従来の電力会社から住民が電力を選ぶ権利を勝ち取るまでの戦いの記録を記したドキュメンタリー。シェーナウというのはドイツの南西部、スイスとの国境に近い山間の町です。

今の日本で、同じようなことをしようと思ったら、どれだけの障害があるのか、何年かかるのかと思いますと、正直、同じ敗戦国として第二次世界戦を迎えたのに、ドイツと日本との違いはどこにあるのか考えてしまいます。電力の自由化ひとつをとっても、それを得るためにしなければならないこと、変えなければならない法律はいくつあるのか、シェーナウのように国中の専門家が協力してくれるのか、何とも暗澹たる思いです。

国をあげての脱原発に向かおうとしているドイツと異なり、いまだに原発再稼働を目論み、既得権益から自由になれない日本。あれだけの大事故を引き起こしておきながら、いまだに目の覚めない国民。今度、同じことが起きたら、この国が終わるというのに、いつになったら気づくのだろうと思いながら、デモに行ったりするわけなのでした。

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ナイアガラ

監督:ヘンリー=ハサウェイ
出演:ローズ=ルーミス(マリリン=モンロー)、ジョージ=ルーミス(ジョゼフ=コットン)、レイ=カトラー(ケーシー=アダムス)、ポリー=カトラー(ジーン=ピータース)、ほか
1953年、アメリカ

それまで「白痴美」の象徴のように言われてきたマリリン=モンローが悪女を演じたサスペンス。夫役のジョゼフ=コットンさんは、どこかで見たと思ったら、昨日見た「第三の男」のホリー役だったよ! ホリーのような脳天気さは、夫婦の愛憎劇に巻き込まれてしまうカトラー夫妻の旦那に移ってたけどね。

遅めの新婚旅行でナイアガラ観光に訪れたカトラー夫妻は、逗留先のホテルで仲の悪いルーミス夫妻と出会う。妻のローズを愛するあまり、思い詰めるジョージに、ローズは嫌気がさし、浮気をして、夫を殺そうと目論んでおり、とうとうジョージが死体で発見される。しかし、ルーミス夫妻の泊まった部屋に移ったポリーは、死んだはずのジョージを目撃し…。

ポリーさんがふつうにいい人で、頑張ってて好感が持てます。逆にレイは、どうも言動の端々にホリーがちらついて、悪い人じゃないんだけど、善意の押し売りって感じがどうも嫌…

わし個人としては、マリリンには「七年目の浮気」や「紳士は金髪がお好き」のような、明るいキャラクターの方が好きだったりしますが、悪女役のはまり方もなかなかで、これはこれで貴重な映像です。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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第三の男

監督:キャロル=リード
出演:ハリー=ライム(オーソン=ウェルズ)、ホリー=マーチンス(ジョゼフ=コットン)、アンナ(アリダ=ヴァリ)、キャロウェイ少佐(トレヴァー=ハワード)、ほか
1949年、アメリカ

20年来の友人ハリー=ライムの招きでアメリカからウィーンにやってきた三文小説家のホリー=マーチンスは、来る早々、ハリーの葬儀に立ち会う。しかし、その死に疑問を抱いたホリーは、ハリーの死の真相を探るうちに、ハリーの恋人アンナや友人のクルツ、ハリーを追う国際警察の一員でイギリス人少佐のキャロウェイらと知り合うが…。

そのテーマ曲とともに、あまりに有名な映画ですが、初見です。しかし、だいたいの粗筋は有名なんで知っており、ラスト・シーンなんかもあちこちで紹介されるんで何度も見てたりしてるわけです。で、こんだけ有名な上、誰もがいい映画だと褒め称えるもんですから、どんな映画かと期待して見ていたんだけどさぁ (´・ω・`)

登場人物の誰にも感情移入できなかったんですよ、まず。ホリーもハリーも。ハリーは要するに悪役で、わりと同情の余地のない悪人なんですね。ハリーが薄めたペニシリンを売ったせいで何十人もの犠牲者が出ているのに、それをホリーに指摘されると「そんなことは聞きたくない」と。世の中は金が全てだと思ってるんだけど、自分が悪いことをやってるって自覚はあるのよ。で、たぶん、国際警察(第二次世界大戦後のウィーンなので4ヶ国統治がされているので)に追われていて、身代りを立てて死を偽装したわけなんですね。でも、そういうところが小物っぽくて、オーソン=ウェルズに特に思い入れもないもんですから、実は生きていても別に嬉しくも何ともないし、同情もしないし、好きにもならなかったのよ。これが、むしろ、「死者が出てるから何だ?」と言っちゃうような悪人だったら、まだ好きになったかもしれなかったんですが。
じゃあ、結果的にハリーを追い詰めるホリーがいいかと言われると、20年来の友人を売っちゃうのもどうかと思うんだけど、何というか、何とも青臭い御仁で、ぶっちゃけ好きなタイプではありません。それにホリーに感情移入するには、なんというか、ハリーとの20年来の友情で、警察に協力するか、ハリーを見逃すかと悩むところも、あんまり理解できず、結局、ハリーを売っちゃうんだけど。
だったら、ハリーの恋人のアンナはどうかというと、まぁ、ハリーもアンナには優しかったんだろうね。ラスト、ハリーを裏切ったホリーを、アンナは振り返りもせずに歩いていくわけだし。ホリーが許せないって気持ちもわかるんだけど、それほど魅力的な女性には見えなかったもんで。

結局、薄めたペニシリンを売って、「良くて死亡、悪かったら精神病院に送られた」ハリーの犠牲者たちの姿を見ると(それも一人や二人でもないわけで)、ハリー捕まえちまえ!とか思ってしまうわけで。

この映画のどこら辺が傑作なのか、どなたか教えていただけませんでしょうか?

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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沙漠の花園

監督:リチャード=ボレスラウスキー
出演:ドミニ(マレーネ=ディートリヒ)、ボリス(シャルル=ボワイエ)、アンテオニ(ベイジル=ラスボーン)、バトューシュ(ジョゼフ=シルドクラウド)、ほか
1936年、アメリカ

修道院で育ったドミニは、父の看病から解放されたが生き甲斐を見失っていた。心配した修道院長はドミニに砂漠へ行くよう告げる。同じ頃、サハラ砂漠に近いエル・ランガ修道院から修道院名物の酒ランガの作り方を知る修道僧が逃げ出す。サハラ砂漠に向かったドミニは、フランスとロシアの混血だというボリスと知り合い、愛し合うようになるが、ボリスにはドミニにも告げられない秘密があって苦悩していた…。

ディートリヒさんが若いもんで、とても「情婦」や「モロッコ」のイメージはございません。どっちかというと、ミスキャストなんじゃないの?な信仰心篤いドミニですが、若いんで、意外と違和感なく見られました。

原題は「The Garden of Allah」で、あんまり花園というイメージはなく、むしろ宗教臭い映画です。アンテオニという男性が「神を敬わない者は砂漠では生き延びられない」とか言ってたり、ドミニもボリスも修道院と深い関わりがありますからね。

ラスト、ボリスを失ったドミニは涙にくれて砂漠に戻りたいと懇願します。現世の愛よりも神の愛、そんな映画です。

アンテオニ役のベイジル=ラスボーン氏、どっかで見たことがあると思ったら、「シャーロック=ホームズの全て」に出てた! アメリカでは「最高のホームズ」と言われる役者さんなんだそうだが、たきがは的にはジェレミー=ブレット氏に勝るホームズはいないのでした。てへ

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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無言歌

監督:王兵
出演:李民漢(ルウ=イエ)、顧(菫の妻)(シュー=ツェンツー)、菫建義(ヤン=ハオユー)、草の種を拾う老人(リー=シャンニェン)、ほか
見たところ:川崎アートセンター アルテリオ・シネマ
原作:告別夾辺溝
2010年、香港・フランス・ベルギー

1957年の中国・ゴビ砂漠の夾辺溝農場。右派と批判され、過酷な労働にあえぐ男たち。中国を襲った飢饉のために労働は一時中止となるが、毎日の粥は薄く、男たちは次々に死んでいく。家族に手紙を書くことが許されてはいるものの、それが届くあてもない。そこに夫を訪ねて、1人の女性が上海から現れた。彼女の夫はすでに亡くなっていたが、葬られた場所を探す彼女の姿に、男たちの心は揺れ動くのだった…。

重い話です。文革の批判は、さすがにタブーではなくなった中国ですが、こちらはそれ以前の問題で、かの毛沢東が現役ばりばりのころにやっちゃった(最初に「好きなこと言っていいよ〜」と言ったのに、翌年には言った人びとを右派と批判して、労働改造所に送り込んだ)事件なもので、毛沢東を未だに神聖視したがる中国ではタブーなんだそうです。だから、この映画、中国でロケはしてますが、未だに上映できません。という話は、映画を見た後で佐藤忠男さんのトークがありまして、話してもらいました。

よって、この映画はフィクションの形を取っていますが、原作があり、生存者へのインタビューも行い、特別出演の「草の種を拾う老人」役の方は生存者のお一人なんだそうです。
だから娯楽色は一切なし。音楽もラストにかかるぐらいで、笑いたくなるシーンがまったくありません。「酔っぱらった馬の時間」にも共通するような事実の重さです。

ですが、たきがはは基本、日本人ですし、どうやら311以降、常に日本に引きつけて考えずにいられないのですが、この夾辺溝にも匹敵するような日本でのタブーといったら、何があるでしょうか? 南京大虐殺? 昭和天皇? 731部隊? そういう映画を日本で撮りたいと思ったら、まず撮ることができるだろうかと思うのです。それを上映できるかどうか以前の問題です。そう考えた時に、少なくとも中国では、上映することは許さなくても撮ることは許している。日本で同じようなタブーに踏み込もうとした時にどうだろうか? まず、右翼の妨害に遭って、撮ることもできないんじゃないだろうか? 中国が、この映画の上映を許さないからといって、日本人がその国をあげつらうことなどできないのではないだろうか?

文革の前哨戦とも言われるこの事件の重さを噛みしめながら、同時に日本という国の、世界的に見ても遅れているところを考えずにいられませんでした。

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