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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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山猫

監督:ルキノ=ヴィスコンティ
出演:サリーナ公爵(バート=ランカスター)、タンクレディ(アラン=ドロン)、アンジェリカ(クラウディア=カルディナーレ)、ほか
音楽:ニーノ=ロータ
原作:ジュゼッペ・トゥマージ・ディ・ランペドゥーサ
見たところ:うち
イタリア・フランス、1963年

大昔、見たことがあったのですが退屈で途中で寝ました。歳を取ったら、おもしろさがわかるかもと思って借りてきたら当たり。そういう映画ってありますよね。

1860年代のイタリア、シチリア島。スペインのアンゴラ王朝から脈々と続く名門貴族サリーナ公爵と、その甥タンクレディ、サリーナ公爵の領地の1つである町の有力者の娘アンジェリカを中心にイタリアの激動の時代に滅びゆく貴族の姿を描いた大作。

野心的な甥タンクレディにアラン=ドロンがはまり役。作中でアンジェリカに「あなたを知ってしまったら、ほかの男は水のようなもの」と言わせるだけの魅力に充ち満ちております。うーん、格好いい。ていうか、タンクレディとアンジェリカを際立たせるために他の配役が地味な気がしたぐらい、月とすっぽんでした。

アンジェリカは若い頃のクラウディア=カルディナーレさんが好演、粗野だけどこれまた情熱的、野性的な美女を魅力的に演じました。

しかし主役は何と言っても監督の分身(ヴィスコンティ監督は貴族の末裔だそうです)であるサリーナ公爵を重厚な演技で演じ、精力あふれる前半から、時代が移り変わり、タンクレディやアンジェリカに移ってゆくなか、次第に老いてゆくあたりが貫禄たっぷりなバート=ランカスターでしょう。「OK牧場の決斗」でワイアット=アープを演じたようなアクション俳優の顔は伏せて、誇りを持って生きる公爵をその仕草や表情で演じてみせたのはさすがとしか言いようがありません。

惜しむらくはDVDの状態が悪くて、途中で動きが止まったり、画像がさんざんに乱れたことです。茅ヶ崎図書館は洋画のDVDが少ないので残念。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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海と毒薬

監督・脚本:熊井啓
原作:遠藤周作
出演:勝呂(奥田瑛二)、戸田(渡辺謙)、橋本教授(田村高廣)、婦長(岸田今日子)、上田看護婦(根岸李衣)、柴田(成田三樹夫)、浅井(西田健)、GHQの取調官(岡田眞澄)、おばはん(千石規子)、権藤(神山繁)、ほか
見たところ:シネマノヴェチェント
日本、1986年

日本の熱い日々 謀殺・下山事件」に続いて熊井啓監督の特集です。

GHQの取り調べを受ける元医学生の勝呂は、そもそもの発端となったF帝大医学部内の権力争いなどを問われるままに語る。それは医学部の部長が亡くなったことに端を発した事態で、勝呂が面倒を診ていた学用患者のおばはんも、そのために利用されようとしていたが、勝呂と友人の戸田が指導を仰ぐ橋本教授が票稼ぎのために行おうとしていた手術を失敗したことで勝呂が思いもしなかった方向に向かっていく。F帝大が空襲を受けたことで、すでに助かる見込みのない重症の肺結核患者だったおばはんを失った勝呂は田舎に帰って医者になりたいという希望も失っていくが、そんな時、大学を爆撃したB29の搭乗員たちが捕虜として囚われており、軍の命令で生体解剖することが決まる。橋本教授が出世する道を絶たれたことを知った柴田や浅井たちは軍に近づくことで出世街道に乗ろうとしており、勝呂と戸田を実験に誘う。ふたつ返事で承諾した戸田に対し、勝呂は迷いながらも実験開始までつき合ってしまう。しかし、いざ実験が始まると勝呂は何も手伝うことができず、捕虜が生きながら殺されていくのをただ見守るしかできなかった。実験は橋本教授と対立していた第二外科の権藤教授らも巻き込んで捕虜8人全員を殺すまで続けられた。戦後、関係者20人以上がGHQに有罪の判決を受けたが、日本の敗戦前から始まっていた東西冷戦を前にアメリカは刑を執行せず、関係者は釈放されてしまったという。

実際にあった事件を遠藤周作が1958年に小説化、それを熊井啓監督が1969年に脚本化したけれど内容が内容なもんでスポンサーがなかなかつかず、1986年に映画化したという問題作。

クリスチャンである作者が日本人が宗教的な倫理観を持たぬことで集団心理と現世の利益で動きやすいと思って書かれたという今作。勝呂も戸田も特別な人間ではなく、ごく普通の日本人に過ぎず、戦時下という特殊な場に置かれ、周囲の圧力に同調するように人体実験に参加してしまうがキリスト教徒ならば拒否するのではないか。
でもキリスト教徒もメンゲレとか人体実験やったわけだし、アメリカだって731を免除したわけだし、宗教は関係ないと思います。

ただ、同調圧力という点においては今の時代にも通用するテーマだと思いました。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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100歳の少年と12通の手紙

監督・脚本・原作:エリック・エマニュエル=シュミット
出演:ローズ(ミシェル=ラロック)、オスカー(アミール)、デュッセルドルフ医師(マックス=フォン・シドー)、婦長(アミラ=カサール)、オスカーの母親(コンスタンス=ドレ)、オスカーの父親(ジェローム=キルシャー)、ローズの母(ミレーヌ=ドモンジョ)、ほか
見たところ:うち
フランス・ベルギー・カナダ、2010年

Yahoo!のトップページで無料だと宣伝されていたので興味を覚えて見てみました。

小児白血病で入院している10歳のオスカーは、主治医が両親に告げた「骨髄移植も効果がなかった」と言う話を偶然立ち聞きしてしまうが、彼らが誰一人として自分に話す気がないことを知り、不信感を抱く。そんな時に廊下で偶然会ったピザを配達するローズの罵声に好感を持つ。まるで腫れ物のように自分に接する両親や医師と違い、本音をぶつけてくれそうな相手に思えたからだ。両親と主治医に心を閉ざしたオスカーは、名も知らぬローズに会いたいとせがむ。ピザの注文と勘違いして病院にやってきたローズは、オスカーが余命幾ばくもないと知り、最初は話すのを断るが主治医のデュッセルドルフ医師に「ピザを注文するついでに」とまで言われて渋々承諾する。しかし実際にオスカーに会ったローズは、彼が抱える深い孤独を知り、大晦日までの12日間、1日で10歳を年を取り、神に手紙を書くように説く。書いた手紙はオスカーの見守る窓の下で風船をつけて飛ばし、コピーをデュッセルドルフ医師に渡すローズ。それから毎日、オスカーは10歳ずつ年を取り、ローズのアドバイスでチアノーゼに苦しむペギーに告白したり、結婚したりして、手紙を書き続けるオスカー。神の住んでいるという教会に、大きな模造のケーキに収まって行ってみたり、クリスマスには両親と和解するも、その病状は確実に悪化し続けていた。そして大晦日、両親とローズが席を外したところで亡くなってしまうオスカー。両親はローズに感謝の印としてオスカーが大事にしていた熊の像を贈る。死を極端に恐れていたローズは、初めて葬儀に出席する。自分の無力さを責めるデュッセルドルフ医師を、オスカーに向けていたような辛辣な口調で慰めるローズ。やがて春が来て、ローズのピザ販売車にオスカーの友だちが来るのだった。

どう見ても難病ものの粗筋ですが、ジャンルが「コメディ」となっております。どこら辺がコメディなのかと思っていたら、中年のローズさん、オスカーに元女子プロレスのチャンピオンと名乗っておりまして、恋人も元レスラーらしい。しかも彼がファンから贈られたと言うスノーボール入りのリングをオスカーにあげまして、たびたびオスカーを説得するのに「自分はこうして強敵を迎え撃った」と言って、プロレスのシーンが出るのですが、それが間の悪いギャグにしか見えないんだよね… なので「コメディ」になったのかもしれません。

ただ、そういう部分を除くと、たびたび語られるローズの篤い信仰心や死期の近づいたオスカーが夜明けの美しさを知り、神の技に気づくというシーンなどを見るに、いたって正統派の奇跡ものというジャンルなのではないかと思いました。「汚れなき悪戯」とか「34丁目の奇蹟」みたいな。

例によってキャストを検索していたら、主治医デュッセルドルフ先生の俳優さんが「偉大な生涯の物語」にてジョン=ウェインと共演していたことを知って、むっちゃ驚いた〜 ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!!!!
もともとはスウェーデンの俳優さんで「偉大な生涯の物語」がハリウッド・デビュー作だったそうです。あと未見ですが「エクソシスト」で44歳なのに老齢の神父役をやって高く評価されたとか… 笠智衆さんとか秀治みたいな方のようですね (・∀・)

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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日本の熱い日々 謀殺・下山事件

監督:熊井啓
脚本:菊島隆三
原作:矢田喜美雄「謀殺・下山事件」
出演:矢代記者(仲代達矢)、大島刑事(山本圭)、川田記者(浅茅陽子)、警視総監(平幹二朗)、伊庭検事(神山繁)、菅井きん(旅館の女将)、李中漢(井川比佐志)、唐沢(大滝秀治)、丸山(隆大介)、ほか
見たところ:シネマノヴェチェント
日本、1981年

下山事件と言っても「鉄人28号(2004年版)」の「第18話」でしか知らないたきがはです。興味を覚えたので行ってきました。本当は先週の「帝銀事件 死刑囚」も見たかったんですが、うっかり宅急便の受け取りを指定してしまったので見に行けなかったのでした。こうなったら来週の「海と毒薬」も見たいと思ったのですが、ちょっと時間的に難しいかな…

1949年、日本の敗戦から4年後、いまだGHQの占領下にある日本では、GHQの指導の下、ドッジ・ライン政策と呼ばれる経済合理化政策が進められ、大企業が大がかりな首切りを発表する中、労働組合は反対闘争に立ち上がっていた。その中心にあったのが国鉄労組であり、初代総裁の下山定則は10万人の首切りを発表、国鉄労組は大規模なストライキで対抗しようとする。ストが決行されて騒然とする東京で、7月5日、下山総裁が行方不明になったことが知らされ、翌6日には下山の轢死体が常磐線のガード下で発見される。自殺か他殺か、昭和日報のベテラン記者・矢代は取材にのめり込んでいくが、その深い闇は日本の権力機構ばかりかGHQの存在をも臭わせていくのだった。

未解決の事件を描いているのですっきり終わりません。矢代記者と大島刑事が実質的な主役で、2人でずっと事件を追い続けているのですが、手がかりをつかんだと思ったら潰されてという展開なので、人物の入れ替わりも激しいです。しかも1949年の事件が1963年の東京オリンピックまで描かれるんで長いです。大島刑事も途中で刑事退職してるし。
見てて、この話の終着点はどこだろうと思ってましたが、事件に直接関わった丸山の死をもって、その翌年に事件が時効を迎えてしまって終わりました。
うーん、すっきりしない。

と思っていたら、「ひかりごけ」の監督でした。
でも「サンダカン八番娼館 望郷」や「黒部の太陽」なんかも撮ってました。「天平の甍」はタイトル知ってるんですが見たかなぁ… 「黒部の太陽」は見てないんですが。「サンダカン八番娼館」は見たんだ。

脚本の菊島隆三さんは黒澤監督の脚本でおなじみの方です。

個人的には秀治の悪役を初めて拝んだので、そこが最大の収穫でしたv

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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アメリカン・スナイパー

監督:クリント=イーストウッド
出演:クリス=カイル(ブラッドリー=クーパー)、タヤ(シエナ=ミラー)、ほか
見たところ:109シネマ湘南
アメリカ、2014年

評判がやたらに高いので行ってみましたが、イラク戦争の真実にかすりもしないような駄作でした。こんな映画評価するぐらいなら「ルート・アイリッシュ」見やがれ ヽ(`Д´)ノ

羊や狼ではなく番犬になれと言われて育ったクリスは20歳を過ぎてもロデオに熱中している若者だった。だが、ある日、米軍が新兵を募集していることを知り、最も厳しいと言われるシールズとなる。過酷な訓練に耐え、父に教わった射撃の腕前を発揮していくクリスは、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件をテレビで見て愛国心を強めていく。同時にバーで知り合ったタヤと出会い、愛を深めていくが、結婚式の当日、アメリカはイラクに宣戦布告するのだった。イラクに派遣されたクリスは、腕利きのスナイパーとして敵に恐れられ、味方からは「伝説」と呼ばれる存在となっていくが、何度も戦場に向かう彼に2人の子を持つ母親となったタヤは「心が帰ってこない」と訴える。4度目の派遣で敵側のスナイパー、ムスタファを射殺したクリスは二度と戦場に戻らない決心をする。米国に帰還した兵士たちに身体や心に深い傷痕を残した者たちがいることを知って、クリスは彼らと頻繁に会うようになり、自分の負った傷も癒していくが、ある日、元海兵隊を名乗る若者に殺されてしまうのだった。クリスの葬儀は全米の人びとが見送る壮大なものとなった。

というわけで腹立ったんで最後まで粗筋書いた。

話の半分以上は戦争シーンです。まぁ、戦争映画ですから、そこは割り切るとしましても、どのシーンも同じような長さで描かれるのでメリハリがありません。そこでまず退屈しました。

そして、クリスの人物が、実在の人物で、実際に殺された人なんですが、お父さんから「番犬になれ」と言われて育ったやんちゃな男が30になって軍に入り、射撃の才能があったんで「伝説」になったけど、4回イラクに行っても、自分たちが侵略者だという自覚はまったく持ちませんでした。まぁ、実在の人物なんだから、持たなかったんでしょう。
でも、現在、そもそもイラクに攻め入った理由である大量破壊兵器の存在はなかったことがわかっています。その反省というか、結局のところは侵略戦争であり、イラクの石油資源とかが欲しかっただけの戦争だよね?ということは製作者、つまり監督のおつむにはまったくないようでして、クリスは4回のイラク派遣で常にイラクの人たちを「野蛮人」呼ばわりし、アメリカ軍がそもそも侵略しなければイラクの女性や子どもたちまでアメリカ軍を襲うようなはめにならないで済んだはずではなかったかと思い至ることもないままに「仲間を守っただけ」と言って、アメリカ軍史上最強のスナイパーとして君臨するわけです。

確かにイラク帰還兵のPTSDの問題とかは多少出てこなくもなかったようですが、肝心の主役はそういう負傷兵たちとの交流でいともあっさり「あなたの心は戦場から帰ってこない」と言われた奥さんをして「以前のあなたが帰ってきてくれた」と言わせています。ええと、主人公の苦悩って何それ?

そして、最後、殺されてしまったクリスの葬儀が行われるわけですが、国葬と呼ぶに相応しい盛大なものでした。市民たちが星条旗を持ってクリスの棺を乗せた車の通る街道で見送る。うん、これはただの英雄ですよね?

「ルート・アイリッシュ」で主人公や親友が加害者の一人、イラクにとっては侵略者に過ぎないという事実を出し、戦争で受けた深い傷痕を故郷に戻っても癒しきれず、最後は死を選んだのとはあまりに大きな違いではありませんか?

どこかで否定的な描き方をしているのなら、このような批判は的外れなものだと思って見ていましたが、クリスは始終「蛮人と戦っている」「仲間を守っている」と言い、3回目の派遣でアメリカ人に情報を売らざるを得なくなったために殺された男性を同じ町の人たちが担ぎ上げて非難するというシーンでも「奴は選択を誤ったんだ」と言ったきりでした。2回目でも住民が避難したはずの町に残っていた一家に、敵の幹部の情報を話すように迫り、自信たっぷりに「必ず守る」と言いながら、敵に知られて殺されてしまうのをただ見ているだけでは、何か言いたかったんですか監督?

わしは、最初から最後までクリスに共感できませんでした。だって共感できるところ、1つもないんだもん。全然、魅力的じゃありませんでした。

「父親たちの星条旗」とか「硫黄島からの手紙」とか見る必要はないなぁと思いましたよ。

ネットで好意的な感想を読んだんで追記(2015年3月14日)

淡々とした作風は、この監督の傾向のようです。抑えた、とも言います。メリハリがないと同義です。

この映画を見て「考えさせられた」という感想を見ましたが、クリント=イーストウッドに説教される覚えはありません。アメリカ人である監督は日本人であるわし以上に当事者であり、考えるべき立場ではありませんか? まぁ、イラク戦争でほいほいとアメリカの尻馬に乗っかって後方支援をした日本が何の反省もなく、統括もなく、今度はいつでも戦争できる国になろうとしている時代に偉そうなことを言ってしまいますけれど、最大の当事者であるアメリカ人が人のこと言うなと。そう思いました。

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