監督:りんたろう
出演:星野鉄郎(野沢雅子)、メーテル(池田昌子)、車掌(肝付兼太)、プロメシューム(来宮良子)、ミヤウダー(富山敬)、ハーロック(井上真樹夫)、エメラルダス(田島令子)、黒騎士(江守徹)、メタルメナ(麻上洋子)、ほか
有名な話だと思いますんで、相変わらず粗筋は書きませんが、たきがは、久々に見て、もう最初の、鉄郎が999に乗り込むまでと、ミヤウダー関連のエピソードだけでおなかいっぱい、大満足でした。
いや、最初の話って、地球で鉄郎が機械化人と戦ってるわけなんですよ。そのなかで、メーテルからのメッセージが「鉄郎、999に乗りなさい」と来た。で、もはや銀河鉄道自体がめためたで駅も機械化人に支配されている状態でも鉄郎は行くと言う。すると、ともに戦うおじさんたちが「わしらの息子を行かせてやろうじゃないか」と言って、一人、また一人と倒れつつ、鉄郎を命がけで999に乗せてくれるわけです。くぅ〜っ! ここのおじさん、最後にポイントのところで息絶えるおっさんが最高! もう、台詞廻しとかいちいち格好いいし、所作もしびれる〜! 誰だ、このCVは誰だッ?! と興奮しながらエンディングを待っていたら、「SAYONARA」もかからんでテープが切れやがりました。ううむ、さすがに3本は無理があったよ、ぢぶん。「SAYONARA」に未練はまったくないんですが、おじさんのCVだけ知りたかったなぁ。納谷吾朗さんとかかなぁ。Goo映画で調べたら、
森山周一郎さんでした! うひゃあ〜〜 贅沢! 何でここだけ大文字って突っ込みも無用のことよ!
で、相変わらず親父好きが炸裂してる中、999もようやくラーメタル星に臨時停車。ヘビーメルダーが戦闘著しく、停車できないというあたり、時間の流れを感じさせます。ましてや、鉄郎には母の仇、機械伯爵を討ったところでもありますから、なおさらでしょう。
しかし、このラーメタルで鉄郎には忘れられぬ出会いが待っていました。それが前述のミヤウダーであります。いや、初見の時は大して感動もしなかったんですが、CVが富山さんてのも渋いんですけど(しかし、同じ声の持ち主が「Aチーム」のモンキーもやっちまうんだから、声優さんて凄いよな〜と思う)、鉄郎と同じくらいの年齢ぽいようでありながら、戦い慣れた戦士像が格好いいです。しかも、ラーメタル星で「メーテルを探している」と言う鉄郎にミヤウダーが「討つんだったら手を貸すぜ」と言ったのに、鉄郎殴りかかっちゃうんだけど、文句ひとつ言わず、「おまえの拳は効いたぜ」って、格好良すぎるぜ、ミヤウダー。
ところが、その後、最後の停車駅、惑星モザイクでミヤウダー所持の父親の形見のペンダントか? キーホルダーか? から流れる音楽が聞こえるもミヤウダーとは再会できず、終着駅、惑星大アンドロメダでまさかの再会、ミヤウダーはすでに死んでいた、機械化人の食事となるべく殺された、という一連のエピソードは、ミヤウダーの出番があれだけだったからこそ印象に強く、またその死を嘆く鉄郎の友情を思い、ラスト、ラーメタル星のミヤウダーの墓の前、というところまで胸が熱くなるわけでした。
逆に、たきがは的には黒騎士が実は鉄郎のお父さんだった、というエピソードはなんか蛇足っぽく、ハーロックとの友情とかもとってつけたようで、さらに、今回はハーロックもエメラルダスもおいしいところだけ持ってく野郎とダブルで化してたもんで(ラーメタルでアルカディア号がミヤウダーらゲリラたちを支援攻撃するのも、その前に「この戦いは苦しい」とゲリラのボスっぽい人が悲痛な覚悟を示して演説してたのを見てるので、何をいまさら感が強い)、どーでもよく、鉄郎にしてみれば、機械化人に殺された母のことがあるのに、何で親父が機械化人、それもプロメシュームの側近?!てなもんじゃないかと思うんですが、なにしろ決闘のシーンも、前後に999がサイレンの魔女から脱出するのに鉄郎、懸命に石炭を補給中というシーンが挟まるもんで、呑気に決闘なんかやってられっかよ、おら、な感じで、そこらへんも蛇足っぽさに輪をかけておりました。
あと、たきがはは度のつく面食いでありやがりますが、なぜかメーテルには燃えたことがありません。別に嫌いなキャラじゃないんだけど、松本美女にはいまいち燃えないっちゅうか、興味ねぇっちゅうか。いや、別に顔面からまつげがはみ出すのがいや!とか絵的なことは申しませんが、いわゆるメーテルのキャラを評するのによく「今にわかるわ、今にね」っていう台詞がありますが、そういうもったい付けるキャラがあんまり好きじゃないって話もありますです、はい。じゃあ、「Gガンダム」のシュバルツ=ブルーダーや、「ジャイアントロボ」のもったいのつけかたはどうなのかって突っ込みがあるかもしれませんが、あれは話として燃えるからOKちゅうことで。
で、メーテルと再会した鉄郎が「今度の旅はわからないことだらけだ」とぼやくわけです。視聴者的には前回もわかったことばかりだったのかと突っ込みたくなるわけですが、それは置いておいて、そうするとメーテルがさ、「あたしは言いたいのに言えないの」って感じで指を噛むんすよ。思わず突っ込んだもんね(←不毛だ)、「もう、おまえにはごまかされんぞ」って。
たきがはが松本漫画を基本、読まない(「999」も通して読んだことがありませんし、「ハーロック」とか「エメラルダス」にいたっては何をかいわんや。ましてや最近の自己満足物なんて…げふんげふん)のは、こういう何かありそうで、実は(作者が)何も考えてねーだろう的な美女が闊歩するのが気に入らんってこともあります。いや、親父ならいいのかと言われるとそういう問題でもなく。
だから、この「さよなら」は、話としてはやはり圧倒的に前半がおもしろく、まぁ「999」と銘打ってる時点で999出さないわけにはいかんのでしょうが、機械化人と戦う鉄郎のシーンがいちばん良かったなぁ、後はキャラ的にミヤウダーが良かったなぁと思ったりしながら見とったわけなのでした。
そういう意味では、前回は鉄郎の旅立ちと目覚め、という感じでオープニングもエンディングもゴダイゴで明るかったのですが、今回はオープニングは戦闘から始まり歌なし、エンディングもラスト近辺でラーメタル星のゲリラたちが唄う「ららら〜♪」という歌(というより、スキャットっていうんでしたっけ、こういう歌詞なし?)に合わせて占め、さらにエンディング・テーマは「SAYONARA」と、なんかしんみりと閉幕する感じでした。
ただ、最近(と言っても、もう何年も前ですが)映画化したのは見るには見たんですけど、続編は作られないし、原作はもうわやだって聞くし、だいたい、立ち読みしても前の「999」なのか、今の「999」なのか、違いがわからんとですよ。もう、作者、永遠に999がアンドロメダにつかなきゃ良かったと思ったんだろうと。それよりも読者、さっさと話終わらせろと。ちゃんと決着つけろと思ったりしました。でもそのあいだに「メーテル・レジェンド」とかってタイトルのアニメ出て、いきなりエメラルダスとメーテルが姉妹になってるわ、もうどっちでもいいよって感じになっちゃったんで、たきがは的には「999」はこれでおしまい、「劇場版」と「さよなら」で完結、それ以外は知らないって感じなのだなぁと思います。
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