王の奸計。
捕らえたアマルガンを拷問の末に、無理矢理投降書に拇印を押させるサコミズ。一方、彼は地上へ出た時に備えて現在の日本を知り、口の軽い郎利と金本から情報を得る。海自の二人は口が堅かったのだ。そして反米から王への共感を語る郎利と金本を参謀に取り立てるとサコミズは口約束をし、オーラバトラー・キントキを与えた。フェラリオたちを捕らえ、海自の飛行機に乗せると、サコミズは「反乱軍と和解する」と言って、エイサップとカスミに先陣を切らせるが、王の指示は「反乱軍と接触したら逃げろ」というものだった。海自の飛行機とフェラリオたちを囮に、サコミズは反乱軍を一網打尽にする計画で、その憎しみのオーラエネルギーがオーラロードを開くと考えていた。しかし、そうと知ってサコミズの意志に反する行動を取ったエイサップは、囚われのリュクスを助けたが、彼女は父を止めるべく、短刀をサコミズに突き立てる。ジャコバアオンもその行動を煽るが、エイサップはリュクスを止める。聖戦士のなりそこないとなじるジャコバアオンに自分はエイサップ鈴木だと主張するエイサップ。その時、サコミズの意志に反していたリーンの翼の沓が逃げ出し、エイサップとサコミズの真ん中に落ちる。同時にリーンの翼の沓に触れる二人。するとリーンの翼が出現し、オーラロードが開いてしまうのだった。
やっと主人公らしくなってきたエイサップ。ちょっと遅いなぁ。あと2話で終わりですよ? 主人公の存在感、もっと早い方がいいんでね?
逆に俗物というのも悲しい郎利と金本。薄い。キャラが薄い。反米と愛国唱えているだけなら今のネット右翼とどう違うのか。もともとそういう人種なのか。二人もいらねだろ、そんなの。またそいつらを「参謀としてキントキを与えよう」とか言っちゃうサコミズも軽い。
そう、個人的にいちばん不満なのは、すでにサコミズである。なんですか、彼ってば、70年も前にバイストンウェルに落ちてきて、ホウジョウ一帯を平定、って、どういう時間の流れ方をしているのか。実は見かけはああでもアマルガンよりじじいか? まぁ、それはいいとして、その70年も特攻死できず、生まれ育った日本に帰りたいと思っているキャラならば、もっとその思いの強さをいままでの話で演出してくれにゃあ。今回、いきなり「特攻死できなかった」とか言われても、あ、そ、てなもんよ。だからなに?てなもんよ。説得力ねぇよ? しかも「特攻死」ときたもんですよ、お客さん。いないとは言わないけどかなり希少なキャラじゃねぇすか? だってたきがは、「きけ、わだつみの声」とか読んだけど、「自分は日本のために死ねて満足だ」なんて読んだことねーもん。サコミズってそういうキャラですか? そんな奴に「生まれた世界に帰りたい」とか言われてもさ、なんか「いいよ、帰ってこなくて」とか思っちゃいますよ。ジャコバアオンの「そなたはバイストンウェルでの生をまっとうしてくれるものと思っていた」なんて台詞も、勝手なこと言ってんなよ〜とか思いますけど。サコミズの何がなんでも日本に帰りたい、そのためにはリーンの翼でも何でも使う、でも言うこときいてくれないから、憎しみのオーラでオーラロード開いちゃえ、えいえい皆殺しだ、おまえら、俺を憎め、憎んで憎んで
俺に力を分けてくれ!(←この台詞間違い) になったというのも全部台詞で説明してるのよ。あのさ、それはいくらなんでもなくね? 奇異なキャラクターならばそれなりの演出してくれにゃあ。台詞で片づけちゃだめだろ。もう、登場時からそういうどす黒いオーラの感じられるキャラでなけりゃあ。あのね、前回も書いたけど、ドレイクって覇王らしい演出もあったし、声も重みがあったのよ。サコミズって、そういうのが足りんの。ただの悪役なわけ。だからつまらないんだよ。
「ダンバイン」というか、アニメのなかでも高位に位置するであろう悪女ルーザ=ルフト。サコミズの後妻コドールがそれに匹敵するキャラかと言われると、かなり苦しい。
背景は相変わらず美しいし、奥行きのある描き方も良い。
オーラバトラーのくねくねした動きも慣れてきた。かっこいいとは思わんが。まぁ、今回は生き物って感じなので、どうしてそうなのかわからんけど、それはそれでおもしろいと思う。
でも、たきがは、ぶっちゃけ背景がべたでも、オーラバトラーが硬質でも良かった。そんなものは何回も見直してから改めて堪能するものだからだ。だから「ダンバイン」の時もそんなものは気にしていないし、好きなのはあくまでも人間ドラマなのだ(「ゴジラ」の場合は逆で人間はどーでもいい。わしはゴジラや怪獣が見たいのである)。
「リーンの翼」の次回はどっちだ??
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