景梅九著。大高巌・波多野太郎訳。平凡社東洋文庫刊。
サブタイトルが「中国アナキストの半生」とあったもので条件反射で借りてきました。幸徳秋水に師事し、大杉栄にエスペラントを習ったという景定成(字が梅九)という人の自叙伝です。清朝末期から辛亥革命を経て、袁世凱が大総統になって権力を握る辺りまでの19世紀末〜20世紀初頭の中国を描いてまして、そういや、ここら辺、歴史なんかで読むとわりと軍閥が跋扈して〜とか大ざっぱな紹介で、あっちゅうまに国民党とかいっちゃうなぁと思いまして、その「いろいろあった」の部分を東京への留学時代から始まって、わりと細かく書いてました。
また何かあると詩を読む風情のある人な上、相当な博学で蜂の生態が出てきたり、原文もだいぶ凝っていたようです(なので訳すのが大変と訳者が言ってた)。
ご本人は残念ながら、中華人民共和国の成立を見ず、日本の敗戦前に亡くなられたと書いてあったんですが、ググってみたら1961年だそうで、ちゃんと中華人民共和国見届けてんじゃん… 発行が1966年なのに、ちゃんと調べてみもしなかったんですかね。けっこういい加減な訳者だなぁ…
引き続き、東洋文庫を読む予定ですが、いたって気まぐれなんで、別の本に手を出すかも。
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