趙義成訳注。平凡社東洋文庫刊。
ハングルの成り立ちと解例を綴った内容です。あと、形式的なんだか本気なんだかわかりませんが家臣の反対と現行の漢字音を正した書と3冊の本がまとめられてます。
その心は朱子学に則って作られており、どっかで「世界一、論理的な文字」とか読んだような記憶がありますが、ちょっと元ネタは見つけられませんでした。解説によると、朱子学自体が音と政治を結びつける学問だったそうで、「訓民正音」の解例にもふんだんにそのような解説が出てきます。
ちなみにハングルを作成した世宗(セジョン)は、朝鮮最高の王と讃えられ、そういやソウルには忠臣と名高い李舜臣(イ=スンシン)将軍と向き合って像建てられてましたわ。地下には二人の博物館もあったし…
あと、ソン=ガンホ主演で世宗の映画も昨年、公開されたんで、うまくいくと今年、見られるかもしれません。いや、見られるといいんじゃが… 共演はパク=ヘイルさんだそうなのでちょっと楽しみ。
そういや、家臣の反対(「崔万里等諺文反対上疏文」)では反対する理由の1つに「ハングル(この時点では諺文)が普及すれば将来、漢字が忘れられる」と言ってましたが、実際、現在の韓国では漢字はだいぶ使われなくなってるそうなんで、予想以上に時間はかかったけど、予想どおりにはなってきたような気もしますし、もっとも日本でもスマホの普及なんかで漢字が書けなくなった・読めなくなった人が増えたとか聞いたんで、ハングルだけが悪役ではないようにも思います。
あと「賢い者は朝の間に、愚かな者だとしても十日なら十分に学んで習うことができる」ってありましたけど、朝鮮の言葉を知らないとなかなか難しいのは、欧米のアルファベットに慣れ親しみ過ぎたせいなんだろうなぁと思いました。
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