モーテン=デュアー文。ラース=ホーネマン絵。荒木美祢子訳。サウザンブックス社刊。
2019年にTLで流れてきたクラウドファウンディングの企画で作成されたe-Bookというやつです。何でpdf形式で送られました。
2019年9月には発行されてて、送られてすぐに読んだんですけど、すぐにレビュー書かなかったのは期待外れというか、ちょうどシリア情勢について欧米の嘘が目からウロコが落ちる状態で、いろいろと認識が引っ繰り返っていた状態になってたもんで、しょせん、この話も欧米目線だよなぁと思って、うっかり勢いで買っちゃったことが後悔されたんでした。そのTLをtweetした人もフォロー外したし。
で、昨日、4ヶ月ぶりに読んだところ、何というか、相変わらずの欧米目線を抜け出していないけど、一応、このレビュー自体、わしが読んだ本やマンガのメモみたいなもんなんで、感想をメモしておく次第です。
ページは100とマンガとしては中編ですが、大ゴマを多用してるんでマンガとしてのボリュームは短編です。マンガというより絵物語な感じですか。
シリアから逃れたアミーナという少女が、船が難破し、走馬燈のように幸せだった頃、両親の失踪、おじさん(親戚か近所か不明)と一緒に瓦礫の山となった街を通り抜け、そのままゼノビアという沈没船とともに沈んでいくという話です。ひねりも何もなし。
タイトルロールのゼノビアは、「オウガ」ではなくて、その元ネタとなってる古代シリアの女王の名前で、アミーナを励ます母が再三持ち出してますが、女王と一般ぴーぽーの女の子では、いくら「ゼノビアにできたのだから、あなたにもできる」と言われても… と突っ込みたくなる無理クリ感が漂い、著者は立場を明確にしてませんが、アミーナが難民であることを考えるとアサド大統領の方を批判的に描いてるんだろうなぁと思えまして、おいおい、いつまでホワイトヘルメットが正義の味方気取ってられると思ってんだよ、とっくに化けの皮剥がれてんよと思ったら、この本に金を出したことが思いきり後悔されたわけでした。
訳者は後書きで「作者はおしつけがましく何かをうったえているわけではありません」と言ってますけど、そうは思えず、むしろ「普遍的な人間の感情」なんてものの方がなまじっかシリアの情勢も知らないのに薄ら厄介ではないかと思えます。
まぁ、そういう自戒の念も込めて、レビューとして残しておきます。
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