監督:瀬々敬久
出演:中浜哲(東出昌大)、古田大次郎(寛一郎)、和田久太郎(山中崇)、村木源次郎(井浦新)、大杉栄(小木戸利光)、花菊ともよ(木竜麻生)、十勝川たまえ(韓英恵)、ほか
ナレーション:永瀬正敏
日本、2018年
そういや、昨年末に一本見たのをものの見事に忘れておりまして、思い出しレビューです。まぁ、つまらなかったからなんですけどね…
関東大震災で大杉栄夫妻が甥とともに虐殺された直後の京都。大杉の死を知ったアナキストの中浜哲と古田大次郎は官憲の手を逃れて、大杉に復讐するという名目で上京する。やがて、各地で興行する女相撲の一行と知り合った中浜たちは次第に彼女らと心を通わせていくが…。
という筋なんですけど、いろいろとつまらなかったです。
まず、主役のアナキスト二人が、時代感とミスマッチで、そうでなくても周囲は時代感を醸し出しているのに、どうして主演は今風の頭してんのかなぁというのが最後まで鼻について集中できませんでした。逆に出番ちょっとでしたけど、和田久太郎と村木源次郎はなかなかの再現度だったんで(大杉は駄目駄目でしたが。もっと出番少ないから目をつぶる)主演二人、もっと今風感抜いてよ!!!と最後まで思って見てました。いきなり懐からスマホ出してもおかしくない違和感。
次にそもそものタイトル、菊、つまり女相撲とギロチン、つまり中浜哲と古田大次郎が中心のギロチン社が、もしも出逢っていたら、というのが話の発端らしいんですけど、どっちもアングラな面は持つものの、登場人物同士としてしか接点がないため、女相撲を描けば女相撲だけ、ギロチン社を描けばギロチン社だけ、というのが当然な流れになりまして、これで女相撲がギロチン社に助力していたとか、ギロチン社が女相撲を隠れ蓑にしていたとかだったら、もっと必然性もあるんでしょうけど、結局、全然関係なさそうなのくっつけてみたらおもしろそうじゃね?という発想では、話は最初から平行線というものでして、それで無駄に話が長く(3時間超)なった上、全然、おもしろくなかったんで、ぶちぶち切りながら見ました。
うーん、発想が素人過ぎておもしろくもなんともない。何で、これは見ているわしのスタンスによるんですけど、圧倒的にギロチン社の方に心情的には傾くんで、最後の方の、若い女力士が、行事もやってた男と逃げ出したけど、結局、戻ろうとして殺されちゃったという一連のくだりはくっそつまらなかったです。何しろ、女力士たちが髷結ってる上に、顔も知らない若いのばっかりなもんでいちいち覚えられず(覚えるには描き方も足りず)、あんまり思い入れもなかったのが敗因でしょう。なもんで、ラスト、女相撲が風俗違反だってんで興行中止にさせられるのに力士たちが抵抗するところで終わったのは、ほとんど (゜Д゜) な心境でした。まぁ、女相撲のパート削っちゃうとタイトルに反しちゃうんだけど、そこまで力入れるほどの出来ではなかったというのがわしの感想です。
唯一、中浜哲と心を通わせた十勝川たまえが実は朝鮮人で、大震災の時にあわや虐殺されるところだったというエピソードと、主役の花菊ともよが古田大次郎と相思相愛になったけど夫が迎えに来て、連れ帰られるところだったのを古田大次郎が助けるという展開は、古田大次郎の手作り爆弾で夫が負傷させられ、花菊に二度と近づかないのを条件に命を助けるとなり、古田大次郎の逮捕に繋がりましたが、まぁ、これも無理クリ感ありました。
あと、中浜哲が梅毒にかかってるって設定、全然、生きてないよね? この尺、無駄だよね? ていうか、監督にギロチン社やアナキストへのリスペクトが微塵も感じられなかったのがわし的には最大の敗因でした。
んで、だらだら見てたんですけど、くっそつまらなかったので、速攻で記憶はこの後見た映画に塗りつぶされたようです。てへぺろ
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