監督:フランクリン=シャフナー
原作:アンリ=シャリエール
脚本:ダルトン=トランボ
出演:パピヨン(スティーブ=マックイーン)、ドガ(ダスティン=ホフマン)、クルジオ(ウッドロー=バーフリー)、マチュレット(ロバート=デマン)、トゥーサン(アンソニー=ザーブ)、ほか
アメリカ・フランス、1973年
原作がフランスで、舞台もフランス領ギアナなのに登場人物は誰もが英語をしゃべってるハリウッドのなんちゃっておフランスです。実話に基づいていて、原作者は脱獄後、ベネズエラで市民権を得たそうで、原作では死んでしまったマチュレットも無事に生きのびたそうですが、この時代のハリウッドには珍しくないし、演ずるのはマックイーンとホフマンという芸達者なお二人なんですけど、抜本的な粗が目について、最後まであんまりのめり込めませんでした。あと、マシンの調子がその前後で無茶苦茶悪く、見ている途中(最初の独房の辺り)でマシンがフリーズ、その翌日に見る前にも2,3回勝手に再起動しやがったのも集中できなかった理由です。
胸に蝶の入れ墨を入れているため、パピヨンと呼ばれる男の13年間に及ぶ脱獄に至るまでを描く人間ドラマです。
久しぶりにGYAO!に行ったら、無料公開されてたんで見ましたが、前述のとおり、マシンが落ちまくったので呪われとるだろ…と思うくらい、視聴環境はむっちゃ悪かったです。
もとはただの金庫破りだったのに、なぜか殺人の冤罪までかぶせられ、仏領ギアナ(途中までアフリカと勘違いしていた… なぜだ)で、かのドレフュス大尉まで流刑されたという悪魔島にまで流刑されたパピヨンが、自由を求めて脱獄に成功するまでを描きますが、13年のうち、実は半分以上の7年間は独房に入れられていたんでした。しかも最初の2年はドガがココナッツの差し入れをしてくれたのが看守にばれちゃったもんで食事を半分に減らされ、ゴキブリやムカデまで食べてしのぐ(ドガの名前を出さなかったため)という壮絶なシーンも繰り広げられるんですけど、そのせいか、二回目の独房は5年間もあったにもかかわらず、一瞬で終わって、たぶん、一緒に独房から出されて死んじゃったのがマチュレットだったんだと思うんですけど、あんまり顔が様変わりしすぎてて違ったかも…
ただ、最後、悪魔島(という名前の流刑地はほんとにある)に流されて、そこでドガと再会したパピヨンの時点で映画は残り30分となっており(全体は2時間半とやや長め)、ちょっといっちゃったみたいなドガとの交流、波を見つめるパピヨン、ココナッツを袋につめて脱出するまでが駆け足な描き方だったのは何か中途半端に感じました。
まぁ、そこものめり込めなかった理由なんですけど。というか、映画館で集中して見てるのと違うからDVDとかで鑑賞すると残り時間がわかって、そろそろクライマックスやろなとか謎解きやろなとか邪推しちゃうのも良くないとは思うんですが…
まぁ、全体の尺が足りなかったというより、何か最後の悪魔島の描写が駆け足に感じたというか… そこまでが冗長だったわけでもないんですが… うーん、インディオに助けられて、でもなぜか置いてけぼりにされたところを削れば良かったのか…
マックイーンは格好いいというより、全般、囚人服だし、最後は白髪になっちゃうし(なぜか髭は白くなかったけど…)、それでも最後、自由を得たというのはもはや執念の域に達してたよなぁと思いました。
ダスティン=ホフマンは偽札造りの天才のはずなんですが、あんまりその才は生かしようがなかったのかなと… あと、悪魔島では見事な剃髪になってましたな。
思い切って舞台をアメリカなりに置き換えればいいのに、そのままで作っちゃう無神経さがハリウッドですなぁ。
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