吉田伸之・伊藤毅編。東京大学出版会刊。全4巻。
例によってタイトルだけメモしていたので何が気になったのか不明のまま読みましたが、とってつけたようなサブタイトルの「イデア(プラトンによる。「理想」と訳す)」とかなければ、個々の論文は意外とおもしろいのもあったです。
特におもしろかったのは海外の諸都市についての論文でしたが、日本の都市の近代化というか西洋化において、
一等地と言える日本橋においてさえ、開発が優先されるのは進んで金を出す地主の土地で、限られた予算と時間がそちらに割かれてしまい、本来の道路計画が体系的に実現されることもなかったという、理想もへったくれもない、行き当たりばったりの日本の都市計画ってところでした。いや、ほんとに。「伝統」とかどの口が言うんだと言いたいですネ。
あと論文のなかでは「××図」によると〜という記述が出てくるのに、肝心の図を載せないので全然形の見えないのは辟易しました。ちょっと図版少なすぎ。
わし的には、個々の論文の執筆者がばらばらで、最初にテーマがあって、それでかき集めました感が満載なので、もうちっと個々の論文を繋ぐような編者の言葉とかあったら良かったんじゃないかと思いました。あと、執筆者が何でこの都市を選んだのかも、もうちょっと語ってくれると興味の持ち方も違うんじゃないかなぁと思いました。
あと、いくら東大でも
「海外進出」とか「朝鮮進出」はいただけません。侵略の間違いだろぉぉぉぉ!!!と指摘したい。
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