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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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罪と死と愛と

李珍宇著。朴寿南編。三一書房刊。

小松川事件で死刑となった李珍宇(日本名:金子鎮宇)と著者の交わした手紙を中心にまとめた書簡集。TLで流れてきたので興味を覚えて読んでみました。

2つの強姦致死事件により情状酌量の余地なしとされ、罪を犯した時に未成年でありながら死刑の判決を受け、判決からわずか3年で死刑執行されてしまったことに、まず異様さを覚えました。
また判決の理由に「被害者を強姦した」とありますが、これは自白にこそ記されているものの、裁判が始まってからは犯人は一転して否認し続けたにもかかわらず、そのまま採用され、上告の棄却理由にもなったのが異常だと思いました。
そして極めつけが恩赦の願いを出しているにもかかわらず、東京拘置所から宮城刑務所に移送され、わずか3ヶ月で刑が執行されてしまったことです。
他の少年の死刑囚の事件を見ても、この早さは異例に思いますが、そこに在日朝鮮人の貧しい家庭に育ち、立派な体躯と人並み以上の知能を持った犯人を思う時、それから50年以上の歳月が流れたにもかかわらず、とりたてて改善されたようには思えない、この国の在日朝鮮人の置かれた事態に慄然とせざるを得ないのでした。

被害者の遺族の方が、「これまで、日本人は朝鮮人に大きな罪をおかしてきました。その大きな罪を考えると娘がこうなったからといって、恨む筋あいはありません。もしも珍宇君が減刑になって出所したら、うちの会社にひきとりましょう」と仰ったこの時代の謙虚さも失った今の日本。この国の未来に暗澹たる気持ちを覚えるのは決して私だけではないと思います。

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