折口信夫著。ちくま日本文学全集刊。
読みたい本のリストにこれが入っていたので借りてきましたが、タイミング悪く二上山に葬られた大津皇子と、彼のために蓮の糸で曼陀羅の服を織り上げた藤原南家の郎女の話だったのですが、頑張って最後まで読み通して、ほかの随筆とかはわしがとんと興味を持たぬ歌舞伎についてだったので折口信夫はもういいや、そもそも何でこれが読みたかったのか全然覚えていないのが問題でした。うーむ、何でだ…
文語体とも違う、時代がかった文体のため、非常に読みづらかったのですが、そこは注釈も読みつつ、何とか乗り越えたんですけど、深奥の姫が写経の果てに非業の死を遂げた大津皇子の亡霊を見て、彼が葬られた二上山までさまよい出て、結果、彼のために服を織ることになり、織っただけじゃつまらなかった(意訳)ので心の赴くままに絵を描いたら曼陀羅になって、皇子も姫も往生してめでたしめでたしって話だったのはわかりましたが、そこに至るまでの過程はだらだらと長かったのに、最後、皇子に服を着せるところだけ駆け足だったのは何でだったんでしょうかね。
あと、合間合間に大伴家持の話が挿入されていたんですが、これ、大津皇子か姫と関係があったんでしょうか? そこら辺がわかりづらかったです。
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