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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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幕末太陽傳

監督:川島雄三
出演:居残り佐平次(フランキー堺)、女郎おそめ(左幸子)、女郎こはる(南田洋子)、高杉晋作(石原裕次郎)、女中おひさ(芦川いづみ)、やり手おくま(菅井きん)、ほか
1957年、日本
見たところ:辻堂図書館

見たことがなかったのですが、評判がいいので見てみました。なんですが、まず何でタイトルが「太陽」なのかわからないでいましたのでキャストとか調べるのにWikipediaを見てみたら、その前に「太陽の季節」という映画を日活で撮っていて、でも、そこに登場する太陽族への風当たりが強いもので、幕末に太陽族を見出した、というのがそもそものなれそめのようです。

主演のフランキー堺さんは「私は貝になりたい」が有名ですが、ドラマで撮ったのはこの映画の前年。肺病持ちながら、したたかでパワフルな佐平次をはじけるように演じてます。

石原裕次郎は、わしは全然好きな俳優ではないし、そもそも格好いいと思ったこともないんですが(「太陽にほえろ」あたりのボスしか知らないため)、正直、芸達者な役者さんが多いなかではずいぶん大根だなぁと思いました。

古い映画のためか台詞が全般聞き取りずらかったのですが、まぁまぁ、おもしろかったです。

二谷英明、小林旭、岡田真澄など、けっこう出演者も豪華だったようですが、若い頃ばかりなんで、わしには見分けがつかないのが残念。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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高地戦

監督:チャン=フン
出演:カン中尉(シン=ハギュン)、キム中尉(コ=ス)、シン大尉(イ=ジェフン)、ナム二等兵(イ=デビッド)、オ軍曹(リュ=スンス)、ヤン曹長(コ=チャンソク)、ヒョン中隊長(リュ=スンリョン)、ほか
2011年、韓国

朝鮮戦争にまつわる話だというので、興味を覚えて見てみました。たぶん、実際はもっとひどいんでしょうけれど、これでも十分ひどい、そんな映画でした。

朝鮮戦争末期、南北の境界線に位置する通称エロック高地は、毎日のように陣地を奪い合う激しい戦いが続く激戦区であり、その戦いは2年以上も続いて停戦協議が難航を極める1つの理由ともなっていた。
1953年7月27日、午前10時、停戦協定が結ばれた。だが、その実効は12時間後、停戦を知って安堵したのもつかの間、最前線の兵士たちに新たな戦闘命令が下るのだった。

いろいろと調べたら、舞台は実在の場所ではないそうですが、「停戦協定は12時間後に実効される」という、わしらにしてみれば、おかしいやろそれ!!!な話は実話だそうで、そこが映画の主題でした。
ただ、そこに至るまでの最前線で戦う兵士たちの物語というのは、韓国映画らしく緩急つけた展開で飽きさせず、ワニ部隊という、特殊なようで、そこにいる兵士一人ひとりは全然英雄でも何でもない、私たちの隣にいてもおかしくない人間だったという流れはなかなか好みでした。でも、そこにいる兵士たちのそれぞれの事情なんかを見てみると、やっぱり隣りにはいそうもない、戦争という狂気に呑み込まれた特別なものを抱えていたりして、そんな彼らの痛ましさに見ているこっちの胸も痛くなるのでした。

ヤン曹長は日帝時代、つまり日本が朝鮮半島を植民地にしていた時代から抗日軍にいて戦ってきたという歴戦の猛者です。誰よりも戦うことの空しさと大切さと苦しさを知っていて、誰よりも生きて帰りたかったろうに、と思いました。

シン大尉は中隊長のいないワニ部隊(「ワニのように強い」ということで国連軍につけられたあだ名です)の最高責任者ですが、まだ20歳そこそこの若者で、とてもこんな戦場にいるようには見えない線の細いところがあって、自らの痛みをモルヒネでごまかしています。でも、その裏には、かつて仲間を見捨てて撤退しなければ生き延びられなかったという過去があり、壮絶な戦場をくぐり抜けているのです。

そしてワニ部隊の実質的なリーダーであるキム中尉は、主役のカン中尉の親友でしたが、2年前に生き別れになっており、その時は心優しい臆病な青年だったのに、ワニ部隊に配属されたことで激戦をくぐり抜け、別人のような猛者になっているのです。シン大尉にとっては大切な「兄貴」であり、キム中尉が亡くなった時にモルヒネでごまかそうとする大尉をカン中尉は「泣いた方がいい」と言って止めるのでした。

ワニ部隊の中隊長が殺されたってんで、その調査のためにワニ部隊にやってきた(表面上は失言のための左遷)カン中尉は、ワニ部隊のことをろくに知りません。でも、そこにいて、ともに戦っていくうちにワニ部隊の味わった地獄を知ることになります。言ってみれば、わしら視聴者と同じ視線でワニ部隊を見ている狂言者の役割というわけです。

ほかにも片手のない少女とその兄という戦場には不釣り合いな孤児がいたり、シン大尉がモルヒネを使うきっかけになった殺戮された小隊のただ一人の生き残りなんだけど精神を患っちゃったので(精神病で退役は恩賞が出ないとかの理由で仲間たちは彼がワニ部隊にいることを黙認している)孤児の面倒をみるぐらいしかできないおじさんがいたり、カン中尉と一緒にやってきた新米の兵士がいたり(歌が上手い)と人物も多彩。

正直、わしは「プライベート・ライアン」を見た時は、ライアン2等兵を助けるために1つの小隊が全滅するという話で、それもライアンが兄弟の中で最後に残ったからとかいう理由だったと記憶しているのですが、ライアン一人のために小隊全滅とかどういう理屈だとしか感じた覚えがないので、あんまり戦争映画としては評価してなかったりするんですが、朝鮮戦争の生々しい痛みという意味では、この映画の方がずっとおもしろいというか、そんなんありかよ!!な展開でしたが、いい映画だったなと思いました。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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用心棒

監督:黒澤明
出演:桑畑三十郎(三船敏郎)、卯之助(仲代達也)、丑寅(山茶花究)、清兵衛の女房おりん(山田五十鈴)、馬目の清兵衛(河津清三郎)、亥之吉(加東大介)、造酒屋徳右衛門(志村喬)、名主多左衛門(藤原釜足)、小平(土屋嘉男)、その女房(司葉子)、権爺(東野英治郎)、棺桶屋(渡辺篤)、本間先生(藤田進)、ほか
1961年、日本

見ていないビデオも最後の1本となりました。黒澤映画の時代劇が2本残りましたので、わしが日本映画の最高傑作と思う「七人の侍」をクライマックスに、「用心棒」をその前に持ってきました。

個人的には、この時代の黒澤映画は「隠し砦の三悪人」「悪い奴ほどよく眠る」「椿三十郎」「天国と地獄」「赤ひげ」と乗りに乗っていた時代ではないかと思える傑作揃いです。筋立てもおもしろいし、脇役からメインまで配役にも隙がないのです。

「七人の侍」ほどのボリュームもないので入門にもお奨めです。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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メキシカン・スーツケース ロバート・キャパとスペイン内戦の真実

監督:トリーシャ=ジフ
見たところ:川崎アートセンター アルテリオ・シネマ
2011年、メキシコ・スペイン・アメリカ合作

2007年12月、スペイン内戦を撮った126本のフィルム、ネガ4500枚が入った3つのスーツケースがメキシコで発見された。撮影者はロバート=キャパ、ゲルダ=タロー、デビッド=シーモアという3人の戦争カメラマン。70年間行方不明になっていた写真史的にも重要な写真はなぜメキシコで見つかったのか? そこから明らかになるのはスペイン内戦が生み出した傷痕。

1週間しか上映していなかったので慌てて行ってきました。

スーツケースがなぜメキシコで見つかったのか、という話と、スペイン内戦が生み出したメキシコへの亡命者たちという2つの話が並行して語られているのが最初わからなくて、居眠りをしかけましたが、途中から流れが見えてきたら、おもしろくなりました。わしも「蝶の舌」と「大地と自由」ぐらいしか見たことがないので詳しくないのですが、基本的なところ、共和国対ファシストによる反乱軍という構造はわかっているので、最後まで見られました。

あの時代、ヘミングウェイを筆頭に多くの作家やジャーナリストがスペインに行ったと記憶していましたが、国としてスペインを支持したのはソ連と亡命者の受入を表明したメキシコだけだったというのが意外でした。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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どですかでん

監督:黒澤明
原作:山本周五郎「季節のない街」
出演:六ちゃん(頭師佳孝)、その母(菅井きん)、たんばさん(渡辺篤)、島さん(伴淳三郎)、そのワイフ(丹下キヨ子)、平さん(芥川比呂志)、お蝶(奈良岡朋子)、乞食の父親(三谷昇)、その子ども(川瀬裕之)、父ちゃん(三波伸介)、母ちゃん(楠侑子)、(井川比佐志)、(田中邦衛)、かつ子(山崎知子)、その叔父(松村達雄)、その叔母(辻伊万里)、酒屋の少年(亀谷雅彦)、老人(藤原釜足)、ほか
1970年、日本

黒澤映画初のカラー作品。

ゴミだめの中にある貧しい架空の街を舞台に、市井の人びとのつつましい生活やたくましさ、愛情などを7つほどの短いエピソードでつづったオムニバス映画。

わし的には、これの後「デルス・ウザーラ」をもって、黒澤映画への興味は失せます。いわゆるスターは一人も出ておらず、今までの黒澤映画に比べると地味な映画ですが、出演されてる俳優さんが芸達者な方が多いので各エピソードはおもしろいです。特に好きなのは三波伸介さんの「父ちゃん」とたんばさん関係のエピソード、伴淳三郎さんの芸達者ぶりを堪能できる「僕のワイフ」、衝撃的なのは「プールのある家」です。

「父ちゃん」の話は7人目の子どもを妊娠している母ちゃんと父ちゃんの間には種違いの子ばかり男4人、女2人の子どもがいるけれど、どうも父ちゃんの子どもは一人もいないらしい。でも繊細な刷毛職人として貧しいながらも子どもたちを慈しんで育てている父ちゃんのキャラクターが、三波伸介さん自身のキャラと相まって、ほのぼのといい話なのでした。昔、「減点パパ」って見てたし。調べてみたら、「お笑いオンステージ」の1コーナーでした。番組の最後にあったんで印象が強かったのか。エンディングも歌えるぞ。

たんばさんは自分のエピソードはわりと短いのですが、盗みに入った泥棒に財布を与えたり(後で捕まって余罪を吐いた泥棒を刑事が連れて来ても「知らない」ととぼける)、酔っぱらって暴れるジェリー藤尾を「疲れただろうから替わろう」と言ってなだめちゃったりという飄々としたところが好きなんですが、自分では何ひとつしようとせず、日がな一日中、家を建てるという妄想にふけっている乞食の父親と子どもが食中毒(いくら酢でしめてあるからといって、何日か経ったしめ鯖を生で食べた)で苦しんでいるのを、ただ一人、心配したり(でも父親は、言葉の端々にインテリなのがうかがえて、それで半端に知識をひけらかしているところもあるので街の中心にある水道で年中、洗濯をしながら井戸端会議をやっているおばちゃんたちには煙たがられている)、挙げ句、子どもが死んでしまえば、火葬までしてやり、墓穴を掘るのにも立ち会ったりと、いい人です、たんばさん。黒澤映画の常連、藤原釜足さんが死にたがっている老人ならば、毒を与えて自殺を幇助しているように見せつつ、彼が失った妻子の夢を見ると言うと「あんたが死んだら、その人たちも本当に死んでしまう」と言って自殺を思いとどまらせ、渡したのも実はただの胃腸薬だったりとか和むわ、たんばさん。

「僕のワイフ」は、悪妻で、評判も悪いけど、島さんにすれば苦楽をともにしてきたワイフなんだよ、というエピソードが良いです。

「プールのある家」はたんばさんのところであらかた書いてしまいました、家を造るという夢想にふける父親に、子どもがけなげにつき合って、残飯をもらって、でも最後は死んでしまった子どもが、死ぬ間際に言い残した「プールが欲しい」と言ったのを、父親が掘った墓穴を見て「ほら、プールができたよ!」と言うというエピソードがまぁ、そのシーンの色の毒々しさもありまして、なかなかな出来。

前作「赤ひげ」までの大作に比べると小粒ですが、佳作だと思うんですよ。

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