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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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墨攻

監督:ジェイコブ=チャン
出演:革離(アンディ=ラウ)、巷淹中将軍(アン=ソンギ)、梁王(ワン=ウーチェン)、逸悦(ファン=ビンビン)、子団(ウー=チーロン)、梁の王子(チェ=シウォン)、ほか
原作:酒見賢一、森秀樹
音楽:川井憲次
中国・日本・韓国・香港、2006年

GYAO!を見に行ったら、これが無料で公開されてまして、主演がアンディ=ラウだってんで、なにしろ「インファナル・アフェア」シリーズではアンディ=ラウ派のわしですんで、うはうはと鑑賞し始めたところ、敵の趙の司令官がアン=ソンギさんだったことに気づき、そういや出てたと思い出して、うはうはが止まらずに見てたんですが、後半、思いも寄らぬ方向に話が進みまして、けっこう最後は (´・ω・`) ←こんな顔でした。

紀元前370年頃の中国。小国・梁は大国・趙の侵略を受けなんとしており、墨家に助けを求めていた。だが、趙軍が目と鼻の先に現れたその時にやっと来たのは革離と名乗る男のみ。10万の大軍を相手に革離は梁を守れるのか?

って感じの粗筋だったんですが、これが前半で終わっちゃいまして、趙が撤退を偽装して、まんまと乗った梁は趙が自主的に撤退した、つまり本国が斉と交戦中との情報を得たため、そのために帰国すると勘違いしたため、そこまで時間を稼いだのは誰だって話にならずにいきなり革離が梁を乗っ取りに来たと思い込んで、もはや革離いらねって話になり、謀反をでっち上げて追い出してしまいまして、革離自身は趙との戦いのあいだに革離を慕うようになっていた王子の助けもあって無事に城から脱出するんですが、革離といい仲になってた近衛隊の逸悦や、革離に取り立てられた弓の名手・子団なんかは囚われちゃって、まぁ、ぐだぐだな展開になってしまいます。
というか、原作だと梁王がかなり愚王みたいでして、王子なんか密かに軽蔑しているようなろくでなしだったりするみたいなんですけど、映画ではまだまともっぽく描かれつつも、宰相っぽい役人と牛将軍というのの言うがままに革離の謀反を信じちゃう辺り、やっぱり馬鹿っぽかったです。まぁ、最後まで生きのびちゃうんですが。ラスト、5年後に謀反を起こされて、結局、趙に滅ぼされたって言われてるんですが。

まぁ、この後、趙も秦に滅ぼされて中国は統一されるわけなんで、小国・梁の生きのびる余地なんか最初からなかったんですけど、そういう時代の非情性というか、革離ら墨家の説く兼愛や非攻なんかは全然受け入れられなくて、それでも愛する逸悦を失って生きのびた革離は最後まで兼愛を説いたというところで終わってました。

ちゅうか、時代を原作の小説と変えたマンガ版は映画の原作ではないような… 一応、原作者に名前挙ってましたけどね。

音楽がどっかで聞いた名前だと思ったら「サンサーラ・ナーガ」シリーズ、「トワノクオン」の人だったよ。「南極日誌」もそうだったけど、そっちは忘れたよ!

趙が3本も地下道掘ってたのに、どうして革離は当たりの1本見つけたのとか、革離の知恵者ぶりに説明が足りなくて、ちょっと超人ぽい扱いだったのが残念。というか、何で墨家が軍師みたいな扱いなのか、肝心要のところがよくわかりませんでした (´・ω・`)

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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菊とギロチン

監督:瀬々敬久
出演:中浜哲(東出昌大)、古田大次郎(寛一郎)、和田久太郎(山中崇)、村木源次郎(井浦新)、大杉栄(小木戸利光)、花菊ともよ(木竜麻生)、十勝川たまえ(韓英恵)、ほか
ナレーション:永瀬正敏
日本、2018年

そういや、昨年末に一本見たのをものの見事に忘れておりまして、思い出しレビューです。まぁ、つまらなかったからなんですけどね…

関東大震災で大杉栄夫妻が甥とともに虐殺された直後の京都。大杉の死を知ったアナキストの中浜哲と古田大次郎は官憲の手を逃れて、大杉に復讐するという名目で上京する。やがて、各地で興行する女相撲の一行と知り合った中浜たちは次第に彼女らと心を通わせていくが…。

という筋なんですけど、いろいろとつまらなかったです。

まず、主役のアナキスト二人が、時代感とミスマッチで、そうでなくても周囲は時代感を醸し出しているのに、どうして主演は今風の頭してんのかなぁというのが最後まで鼻について集中できませんでした。逆に出番ちょっとでしたけど、和田久太郎と村木源次郎はなかなかの再現度だったんで(大杉は駄目駄目でしたが。もっと出番少ないから目をつぶる)主演二人、もっと今風感抜いてよ!!!と最後まで思って見てました。いきなり懐からスマホ出してもおかしくない違和感。

次にそもそものタイトル、菊、つまり女相撲とギロチン、つまり中浜哲と古田大次郎が中心のギロチン社が、もしも出逢っていたら、というのが話の発端らしいんですけど、どっちもアングラな面は持つものの、登場人物同士としてしか接点がないため、女相撲を描けば女相撲だけ、ギロチン社を描けばギロチン社だけ、というのが当然な流れになりまして、これで女相撲がギロチン社に助力していたとか、ギロチン社が女相撲を隠れ蓑にしていたとかだったら、もっと必然性もあるんでしょうけど、結局、全然関係なさそうなのくっつけてみたらおもしろそうじゃね?という発想では、話は最初から平行線というものでして、それで無駄に話が長く(3時間超)なった上、全然、おもしろくなかったんで、ぶちぶち切りながら見ました。
うーん、発想が素人過ぎておもしろくもなんともない。何で、これは見ているわしのスタンスによるんですけど、圧倒的にギロチン社の方に心情的には傾くんで、最後の方の、若い女力士が、行事もやってた男と逃げ出したけど、結局、戻ろうとして殺されちゃったという一連のくだりはくっそつまらなかったです。何しろ、女力士たちが髷結ってる上に、顔も知らない若いのばっかりなもんでいちいち覚えられず(覚えるには描き方も足りず)、あんまり思い入れもなかったのが敗因でしょう。なもんで、ラスト、女相撲が風俗違反だってんで興行中止にさせられるのに力士たちが抵抗するところで終わったのは、ほとんど (゜Д゜) な心境でした。まぁ、女相撲のパート削っちゃうとタイトルに反しちゃうんだけど、そこまで力入れるほどの出来ではなかったというのがわしの感想です。
唯一、中浜哲と心を通わせた十勝川たまえが実は朝鮮人で、大震災の時にあわや虐殺されるところだったというエピソードと、主役の花菊ともよが古田大次郎と相思相愛になったけど夫が迎えに来て、連れ帰られるところだったのを古田大次郎が助けるという展開は、古田大次郎の手作り爆弾で夫が負傷させられ、花菊に二度と近づかないのを条件に命を助けるとなり、古田大次郎の逮捕に繋がりましたが、まぁ、これも無理クリ感ありました。

あと、中浜哲が梅毒にかかってるって設定、全然、生きてないよね? この尺、無駄だよね? ていうか、監督にギロチン社やアナキストへのリスペクトが微塵も感じられなかったのがわし的には最大の敗因でした。

んで、だらだら見てたんですけど、くっそつまらなかったので、速攻で記憶はこの後見た映画に塗りつぶされたようです。てへぺろ

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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神弓 -KAMIYUMI-

監督:キム=ハンミン
出演:ナミ(パク=ヘイル)、ジャイン(ムン=チェウォン)、ソグン(キム=ムヨル)、ジュシンタ将軍(リュ=スンリョン)、トルゴン王子(パク=キウン)、カンドゥ(キム=グテク)、カビョン(イ=ハヌィ)、ほか
韓国、2011年

GYAO!で無料公開してまして、見たことなかったんで見てみました。

1636年の清国の朝鮮侵略にからめて、神弓を操る叛逆者の息子ナミと、その妹ジャイン、婚約者ソグンの戦いを描く。

神弓も強かったんですが、清のジュシンタ将軍の操る六両弓(ユクリャンシ)も無双の破壊力を持っており、その対比はおもしろかったです。ただ、テンポがいささか悪く、特に再三、口にされるわりにはナミとジャインが叛逆者の子どもでただ二人の兄妹で生き残りという設定はあんまり筋に生かされてるようには思えませんでした。何かそこのくだり、すっぱり切り落としたら、もう少しすっきりした話になったんじゃないかと思わないでもありません。

ナミ役のパク=ヘイルさんはソル=ギョングの怪演が際立つ「22年目の記憶」の息子役が記憶に新しいところ。勉学にも武芸にも腰を入れなかったけど、弓の扱いだけは超一流っていうのは、どう頑張っても出世も望めない叛逆者の息子という立場がそうさせたのかもしれませんが、それだけではちょっと弱かったです。
ジャイン役のムン=チェウォンさんは、わずか30分の映画ながら、わしの涙を絞らせてくれた「あの人に逢えるまで」のヒロイン、ヨニさんでした。ええええ ((((;゜Д゜))))))) 気づかなかった… まぁ、時間も止まっちゃったような若さで「あの人」を待ち続けるヨニさんと、「武将の娘」と剣も操るし弓も射るジャインでは全然方向性が違いますが。
ソグン役のキム=ムヨルさんは映画よりも舞台の方が出演が多いよう(DBほんと便利)でした。わし的には最初は頭でっかちの儒学生かと思わせておいて、鴨緑江のほとりで皆を逃がそうとする侠気、ジャインを庇っての逃避行が良く、後半にいくに従って株を上げまくってました。
ジュシンタ将軍のリュ=スンリョンさんは「バトル・オーシャン〜海上決戦」とか「高地戦」とか今作みたいな武闘派の役柄のが多く、「7番房の奇跡」のが例外っぽいです。王子殺されて復讐の鬼と化す流れはなかなか。まぁ、侵略したのが悪いんだけどね!とかいいっこなし。
トルゴン王子役のパク=キウンさんも映画よりTVがメインみたいです。足止めのためとはいえ、ナミに残虐な殺され方(瓶に入っていた酒か油をかけられて火をつけられたので火だるまになり、ジュシンタ将軍たちが着いた時には黒焦げになってた)したのはちょっと気の毒でした。そういや、なんでジュシンタ将軍、ソグンたちよりも後だったんですかね。話の都合的にはしょうがないとはいえ、展開がちょっと雑な気がしました。ソグンと、駆けつけるナミと対決するのにラスボス登場は早すぎるとはいえ…

気になる映画はまだまだあるので、また気づいた時にGYAO!はチェックしとこうと思いました。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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日本軍は香港で何をしたか

謝永光著。森幹夫訳。社会評論社刊。

タイトルどおり、1941年12月、太平洋戦争の開戦とともに香港に攻め込んだ日本軍が3年8ヶ月の軍政でいかに香港市民やイギリス軍・中国軍その他の捕虜を虐め、殺し、奪い抜いたかの記録です。
表紙の髑髏の山が物語ってますが、なにしろここは日本占領地、しかも中国大陸は目と鼻の先、「何をしたか」なんて今更言われるまでもないんですが、開けてびっくり、読んでびっくり。150万人いた香港市民が日本の降伏後は60万に減っていたというんですから、もはやホロコーストなんか目じゃないむごさでしょう。
しかも著者が1928年の香港生まれで、日本のために両親を失い、妹とも生き別れと辛酸をなめ尽くしていれば、執る筆も辛辣になろうというもの、こちらとしてはまったくもって頭を垂れて聞く(本だから読むだけど)以外にないじゃありませんか。

そういや、先日、くそみそにけなした「極限に面して」でしたが、1つだけいいこと書いてありました。生存者たちに共通する思いとして強制収容所のようなシステムを作らせてしまったことに対する恥だって。わしがこと日本軍の罪業にこだわるのは、その気持ちが近いかもしれません。同じ民族として、人として恥ずかしい罪を塗り重ねたことを恥じる思い、生存者とはまったく違う立場ですが、その恥への思いがいつまでもいつまでもこうした本を手に取ることを止めさせないのです。
そんな罪を犯した民族の一人であることが恥ずかしい。
その罪をいつまでも認めず、謝罪しないことが恥ずかしい。

歴史修正主義者の場合は、だから隠そう、忘れよう、なかったことにしよう、になるんでしょうけど、その真逆の方へわしは向かわざるを得ません。だって隠すのも忘れるのもなかったことにするのも恥ずかしいから。人様に誇れるようなことをしていないことだってすでに恥ずかしいのに、それを隠したり忘れたり、なかったことにするのはもっと恥ずかしいから。
かつて、わしは大好きな映画「山の郵便配達(何度目か)」でこんな感想を書いたことがあります。

引用ここから。

かつて日本人が持っていた恥の文化にも通じるものがあり、人に迷惑をかけまい、できることをする、自分の仕事に誇りを持つという姿勢は、もしや今の日本で「エリート」などと呼ばれる人たちが持っていたならば、間違っても原発事故などというものはなかったのではないかと思ってしまうような、そんな失われた「旧き良き日本」の姿というものがそこにあるようにも思えました。

引用ここまで。

いやあ、当時のわし、甘いわ。栗むし羊羹のように甘っちょろいわ。ないない。「旧き良き日本」なんてどこにもない。恥の文化なんて日本にゃなかった。恥じるから隠すなんて恥ずかしい真似は文化でも何でもない。ただの歴史修正主義じゃよ。

閑話休題。

というわけで、こちらの本では中国戦線でも東南アジア戦線でも、どこでもかしこでも見慣れた獣兵(要するに鬼畜。人間以下)とも揶揄される日本兵が軍民そろっていかにひどいことを香港でやったかを次から次へと15章に渡って紹介していくのです。楽しいわけがない。愉快なわけがない。でも読まずにいられない記録です。

以下、雑多なメモ。

引用ここから。

日本軍国主義者(こういう言い方1つをとっても、著者がいかに現代の日本人に気を遣ってくれているのかよくわかるってもんです。まぁ、その優しさを仇で返すのが日本人なわけなんですが)は、このような非人道的な殺戮行為を「膺懲(ようちょう)」行為と称し、この戦争は「膺懲戦」であると主張していた。それは、中国人が日本民族の優越性とアジアの盟主としての地位を認めようとしないで日本との合作(いわゆる「共存共栄」)を拒絶したので、中国に懲罰を加えるために戦う、というのであった。またこのことを盾にとって、この戦争には国際法上の戦争法規を適用するわけにはいかないと主張していた。その結果、中日戦争はきわめて残酷かつ野蛮な戦争と化し、日本軍国主義者は中国人民の抵抗の意志を徹底的に粉砕しようとしたのである。

引用ここまで。

日本軍の残虐行為を論理的に説明するとこうなるんだと思います。ただ、こう言っちゃ何ですが、先日見た「東京裁判」でも

引用ここから。

被告の謀議とか共謀とかが疑われてたのに、被告の一人、賀屋興宣が「そんなまっとうなものなんかなくて、なんかあれよあれよという間に戦争がどんどん拡大してって、負けちゃったんだよ」という認識が全員に共通したものであろうとのナレーション

引用ここまで。

ってあったんで、日本人はそんなに論理的にゃあ考えねぇ。まぁ、せいぜい後付けの言い訳だと思いました。あるいはそうでも解釈しなきゃやってらんない著者の思いだとも思えました。

引用ここから。

残忍さで世界に名を知られていた日本侵略軍は、

とあるのに、後の方で

世間(世界の間違いかも)はただナチス・ドイツのユダヤ人虐殺の蛮行を非難するだけで、日本軍が犯したこのような極悪非道な罪業については忘れ去っている。

引用ここまで。

これね、最近、特に思います。わしの結論は、白人が持つ潜在的なアジア人蔑視が原因ではないかと。特に中国や朝鮮、東南アジアは、日本が敗北するまでは欧米の植民地だったので新興国が圧倒的に多い。そのことがサンフランシスコ講和条約でも軽視されたし、韓国や東南アジア諸国に対する賠償もろくに行われていないのは何も日本一国だけでできることじゃないと思います。欧米、特にアメリカの後押しがあっての日本のふんぞり返りだろうと思うのです。
だから日本のいわゆる「保守」が何かとサンフランシスコ講和条約を否定したがったりするのを見てると、そのおかげででかいつらができているくせに自分勝手だなぁという感想しか出てきません。まぁ、あいつらは「保守」の名を騙る隷米だよね。

本文中、日本軍の手先として使われた漢奸(中国人のスパイ、売国奴)以外に、植民地の朝鮮や台湾から連れてこられた朝鮮人、台湾人がいて、残虐な日本軍以上に憎まれたという記述を読むと、BC級戦犯でもそういう人がいて、何人も処刑されてて、直接、捕虜や住民と触れあう機会が多い下っ端の方が恨みを買いやすいんだよなぁと思って、何とも気の毒でした。まぁ、朝鮮の親日派なんか見てると、気の毒だけでは済まない悪質なのもいるんでしょうけど、そもそも植民地にしてなければ、日本軍に連れていかれなければ、という植民地ならではの事情は見過ごすわけにはいかないと思うんです。

日本軍が香港を陥落させて三日間の休暇を兵に与えたものの、アメリカなんかと違って後方に下げたりなんかしないから現地で休みで、そのあいだ、悪逆非道の限りを尽くしたとか読むと、抜本的に余裕のない日本軍というのは世界一、戦争をさせちゃいけない軍隊だとしか思えません。休暇で占領地の住民相手に憂さを晴らすとか、最低最悪の悪手ですよ。別に香港に限ったことでもありませんが。日本軍が占領したところ、どこでもそうですが。
そのくせ、香港占領後にアメリカ軍(香港はイギリスの植民地なのになぜアメリカ?)を悪者に仕立てたプロパガンダ映画なんか作ってますけど、実態は逆ですもんね。悪さしとるの日本人だもんね。映画一本で殺し尽くし、奪い尽くし、犯し尽くした悪行が誤魔化せるとか、馬鹿ですよね。

また香港だけじゃなく、マカオにも甚大な被害をもたらしてますが、当時のポルトガルは中立を宣言してたので、これは国際法違反です。いやぁ、ここら辺、ちゃんと問い詰めなくちゃあ。
でもポルトガルがそうしなかったのはアジアの植民地を軽視していたか、大したことないと思っていたか、わりとファシスト寄りの政権だったみたいなんで、日本がやったことは大目に見たのか、どれかでしょう。

あと日本人の牧師が回想記書いてまして、当時の憲兵隊長とかが戦後、処刑されたのを聞いて、

引用ここから。

彼らは罰せられて当然で、死んでも償いきれないほど生前の罪業が大きかったとはいえ、権力を濫用した者の末路は憐れむべきであった。彼らはすべて異常な時代の産物として憐れむべき同胞であり、やはり戦争が生み出した犠牲者であった。したがって、これ以上彼らを憎悪するのではなく、いつ、どこであろうと、永遠に二度と不幸な戦争をくり返さないよう、ひたすら祈るだけである。

引用ここまで。

と書いてましたが、これ読んだ時にわしは ( ゜д゜)、 というAAが真っ先に浮かびました。100%加害者捉まえて「戦争が生み出した犠牲者」とか、ものほんの犠牲者差し置いて、どの面下げて言うねん。しかも「異常な時代の産物」とかって時代のせいにするなよ。悪いのは戦争じゃなく、それを引き起こす差別なんだよというのが、わしの最近の考えです。
上の方でも書きましたけど、中国を懲らしめるために残虐な作戦をとったといったって限度ってもんがあるじゃないですか、普通。でも日本軍てそうじゃないよね。とことん残虐、三光作戦まんまに殺し尽くし奪い尽くし犯し尽くした。それって懲罰ってよりも中国人を日本人以下と考える差別の賜物だろうと思うんですよね。というか、現人神を戴く日本人すげぇで、日本人と例外的にドイツ・イタリア以外を下に見てたでしょ。だから捕虜にもあんなことができたんじゃなかろうかとしか思えないんです。

そして植民地といったら朝鮮、朝鮮といったら日窒、日窒といったら水俣病です。連想が一方的だという意見は却下します。著者の妹さんが海南島から戦後、30年以上も経って戻ってきたという記述がありましたが、そこには日窒によって開発された石碌鉄山があったというじゃありませんか。いやいや、水俣で漁民の血を吸って大きくなった日窒、やることが違いますネ。朝鮮だけじゃなかったんだネ。

あと、わしが日本軍を阿呆呼ばわりするのはインパール作戦を引き合いに出すまでもなく、日中戦争でも、アメリカとの開戦でも何でもそうですが、何しろ見通しが甘いことにつきます。というか、なんでそう、何でも自分たちの思いどおりになると思っちゃうのかなぁと思わざるを得ない幼稚さです。それは香港戦でも発揮されてまして、

引用ここから。

日本側が把握していた軍事情報では香港島側のイギリス防衛体制を実勢より甘くみていたため、

引用ここまで。

なんちゅうか、万事がこの調子で敗戦まで突っ走ったよね、この国は、って感じです。

と、徹頭徹尾、こんな本が読みたかったんだ!!!な、たきがはド・ストライクな良書でしたが、1つだけ注文をつけると中国の人の名前にルビ振ってほしかったですね。地名はルビ振ってんだからさぁ。

そういや、わしはまだ香港に行ったことがありません。でも行くとしたら、この本に書かれたことを忘れないで、観光一辺倒に陥らないようにしたいと思います。

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シルミド(再見)

監督:カン=ウソク
出演:カン=インチャン第三班長(ソル=ギョング)、隊長(アン=ソンギ)、チョ伍長(ホ=ジュノ)、ハン=サンピル第一班長(チョン=ジェヨン)、チョ=グンジェ第二班長(カン=シニル)、パク伍長(イ=ジョンホン)、ほか
韓国、2003年

シルミド」再見です。前回は筋を追って人物覚えるので精一杯でしたが、今回は最初からどっぷり浸かって見られました。
なんで、カン=インチャンが連座制で父親がスパイの疑いをかけられたために15歳の時点でヤクザになる以外、選択の余地がなかったとか、隊長がいい人っぽかったけど、最後、自殺しちゃったのは無責任だったなぁとか、チョ伍長が鬼教官まんまなのに、ラスト、すごいいい人(甘い物が欲しいと言われて飴を買ってきてた。共産ゲリラと言われた684部隊を自分の部下だと言った辺り)だったとか、そこら辺、噛みしめるように見ました。

チョン=ジェヨンさんは「感染家族」のお人好しの長男で、奇しくも嫁の映画も見たばかりでした。「俺はハン=サンピルだ!」って何度も叫ぶところが、収監前はチンピラだったんだろうけど意地を感じさせて良かったですね。わりとインチャンとよく絡むしね。単細胞なんだけど、いい奴だなって思わせるところが好きでしたね。
カン=シニルさんは「監獄の首領」出てましたが、囚人役ではなかったです。サンピルよりももちょっと上で、組長やってたらしいんですが、いかにもな面倒見の良さが、わりと孤立しがちなインチャン、仲間とわいわいやりたいサンピルのあいだでいいバランス取れてたんで、自分より若い担当教官をぶっ殺して(反乱を起こした時にそういう計画を立ててた)、思わずその死体を抱いていたらパク伍長に後ろから撃たれちゃって死んじゃったのは性格がよく出てたと思います。
パク伍長役のイ=ジョンホンさんは「酔画仙」出てましたが、あれもチェ=ミンシク氏とアン=ソンギさん追うので精一杯だったのでもう一回見直したいところではあります。684部隊を殺せと言われて躊躇なく承諾するのも嫁に子どもが生まれるからで、「あいつらと一緒に死ぬわけにはいかない」って言い分は自分勝手な面も強いんですがリアリティがありました。

684部隊の訓練シーンは、韓国軍の場合、たぶんに大日本帝国軍の影響が強いと思いますが、もっとも、この時代まで、まだ残ってるかどうかはわかりませんが見ていて複雑な気持ちでした。まぁ、だいぶアメリカっぽくもなってるとは思いますが。

いい映画でした。

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