監督:イム=ビルソン
出演:隊長(ソン=ガンホ)、ミンジェ(ユ=ジテ)、副隊長ヨンミン(パク=ヒスン)、グンチャン(キム=ギョンイク)、ソンフン(ユン=ジェムン)、ジェギョン(チェ=ドンムン)、ユジン(カン=ヘジョン)、ほか
韓国、2005年
2019年最後に鑑賞の映画となりました。
ミステリーというかホラーというか、個人的にはあんまりおもしろくなかったです。
南極の到達不能点に向かう韓国の探検隊が、80年前にイギリスの探検隊が残した南極日誌を見つけてから、1人また1人と隊員たちが消えていき、次第に狂気に襲われていく様を描く。
海抜3700mの標高にあり、最も陸から遠い地点として「到達不能点」と言われているところですが、実は1958年にソ連の探検隊が到達しており、以来、どこも到達したことがないんだそうです。
で、そこを目指すソン=ガンホ率いる韓国探検隊が、80年前(なのでソ連より前)のイギリス探検隊の日誌を見つけたことから起きる不可解な事態に落ち込んでいく様子をミステリータッチで描きますが、思い詰めたようなソン=ガンホのキャラクターがわけわかんない系(「
殺人の追憶」「
復讐者に憐れみを」辺りの)で、全然共感できなかったのがいまいちでした。まぁ、その役割は二枚目のはずなんだけど、何(「
リベラ・メ」とか「
リメンバー・ミー」とか… 「
Split」はちょっと違うんだけど)見ても漂っちゃういい人感満載のユ=ジテくん演ずるミンジェに託されてまして、最後まで正気だったのもミンジェだけでした。
しかし、作中でも隊長が最後に自己突っ込みしてましたけど、誰かが行った時点で、そこは「到達不能」ではないわけでして、探検家として何かに取り憑かれた隊長は、真の到達不能点を探して行方知れずになってしまったのでした。
ところで80年前のイギリスで、しかも南極で遭難といったら、スコット探検隊のことかと思ってましたが、特に特定の探検隊を示唆したものではなかったようです。ただ、意識はしてるだろうし、そういうミスリードも期待してんだろうなとは思いましたが。
6人の探検隊に、ベースキャンプで待つ女性隊員以外は遭難したイギリス探検隊の死者のみという出演者のまっこと少ない映画でしたが、副隊長のヨンミンを演じたのは「
密偵」「
1987、ある闘いの真実」「
V.I.P. 修羅の獣たち」のパク=ヒスンさん。唯一、メガネをしていたので覚えやすかったんですが、彼は隊長に盲目的に従ってると思ってたので、そうじゃなかったのは意外。
ご飯(荷物の問題からフレーク状のお粥のみ)担当のグンチャンは「ペパーミント・キャンデー」にも出演してたキム=ギョンイクさんでしたが、あれも見直したい映画ではあります…
通信担当のソンフンは「パパとムスメの七日間」のお父さん役。むっちゃ見たかったんですがベトナム版を見てしまったからなぁ… またソル=ギョングの怪演ぶりが際立った「
22年目の記憶」でしたが、オ長官役でも出てました。
ビデオ担当のジェギョン役のチェ=ドンムンさんは「
王の運命〜歴史を変えた八日間」とか「
バトル・オーシャン〜海上決戦」とか「ペパーミント・キャンデー」とかいろいろ出演されてまして、名脇役なんだろうなぁと思います。
唯一の女性を演じたカン=ヘジョンさんは「
オールド・ボーイ」のヒロイン・ミドでしたが、あれはラストが気持ち悪くてのぅ…
あと、最後の方でおそらくイギリス探検隊が残したんであろう小屋は、どこから木材を持ってきたのか問い詰めたいです。遭難したくせに到達不能点に木材持ってくるほど余裕あったのかよ!!!
出演者はそれなりに豪華でしたが、後味は悪い映画でした。わしがこういう映画が好きじゃないのは監督が何言いたいんだかわからないからです。まぁ、理不尽・ホラー系は総じてそういうものだと思ってるんでそんな映画があってもいいんですが。メッセージだけが映画じゃないし。ただ映画館で見ようとは思いません。
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