監督:イム=グォンテク
出演:チャン=スンオプ(チェ=ミンシク)、キム=ヒョンムン(アン=ソンギ)、ソウン(ソン=イェジン)、メヒャン(ユ=ホジョン)、ジノン、ほか
たきがははチェ=ミンシク氏が主演だというんで、それだけで見に行きたかったんですが、そういや何年か前に、正月ぐらい映画を見に行こうと思って、結局、行かなかったのがこの「酔画仙」だったりします。
朝鮮三大画家の一人、チャン=スンオプの波乱に満ちた生涯を描いた文芸作品。
孤児の少年チャン=スンオプは、その画才を見込まれ、キム=ヒョンムンに保護されるが、2人が再会したのは3年後のことだった。スンオプを可愛がるヒョンムンは、その画才を高く買い、様々な画家に師事させる。中国画、韓国画の画風を次々に自分のものにして、スンオプはやがて貴族階級にも認められるようになっていく。だが、スンオプは決して自分の高名に満足せず、画家として常に向上を目指していた。ところが、時は19世紀の末、朝鮮は西の大国・清と、東の新興国・日本に挟まれ、激動の時代を迎えようとしていた…。
さしずめ朝鮮の時代劇という感じですか。後でメイキング見たら、セットにかなりかかったとか。
チャン=スンオプという人物は、史実がほとんど残っていないそうで、酒好きの女好き、紛れもない天才であったという以外は生年と没年がわかってるぐらいのようです。だから、作中のエピソードはみんな創作なわけなんですが、韓国映画界の巨匠イム=グォンテク監督自身の経験とかもかなり反映されてるようで、天才と呼ばれ、物乞いの少年が宮廷画家まで上り詰めながら、なお切磋琢磨を欲したチャン=スンオプというキャラは、監督自身の代弁者であるのかもしれません。
いろいろな先生に師事したスンオプですが、生涯の師と呼べるのはキム=ヒョンムンただ一人。アン=ソンギさんの好演が、最後は漁村で凍った海で貝を採りつつ、子どもたちに字を教える高潔なキャラを引き立てておりました。
イム=グォンテク監督の映画はほかにも「太白山脈(これも主演がアン=ソンギ氏だ)」とか、「春香伝」とか見たんですが、いずれもエンターテイメントだけに終わらない芸術性が、日本ではいない作風で、こういうバリエーションの多さっちゅうんですか、韓国映画界の強みではないかな〜と思ったりしました。
チェ=ミンシク氏は「シュリ」の北朝鮮特殊部隊長のような硬派なキャラの方が例外なのかも、と思ったり。
そのうちに「西便制〜風の丘を越えて」だったかな。イム=グォンテク監督の作品ももっと見てみようと思います。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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