鈴木邦男編。皓星社刊。
金子文子の「何が私をそうさせたか」が読みたくて借りてきました。
他の収録は石川啄木「ココアのひと匙」、内山愚道「入獄記念・無政府共産・革命」、安重根「自叙伝(抜粋)・伊藤さんの罪状一五箇条・東洋平和論(序文)」、菅野すが子「死出の道艸(抜粋)」、朝日平吾「死の叫び声」、和田久太郎「後事頼み置く事ども」、難波大助「虎ノ門事件 難波大助訊問調書(抜粋)」、中浜哲「杉よ! 眼の男よ!」、古田大次郎「死の懺悔(抜粋)」、山口二矢「山口二矢供述調書(抜粋)」、三島由紀夫「国家革新の原理 学生とのティーチ・イン(抜粋)・檄」、見沢知廉「民族派暴力革命論(抜粋)」、野村秋介「『十六の墓標』は誰がために」です。
うち、読んだのは石川啄木、内山愚道、安重根、菅野すが子、和田久太郎、難波大助、中浜哲、古田大次郎、金子ふみ子(文子だったり、ふみ子だったり表記が統一されてない感じ)です。
編者の鈴木邦男は右翼団体の一水会の創始者で、その考えるところとか主張をわしは一切評価してないんですが、県立図書館には「何が私をそうさせたか」はこれしか収録してなかったんでしょうがなく借りてきました。
ただ、そんなわしですので右翼の文章なぞ読みたくもないので、全部すっ飛ばしました。そうしたら、さっさと読み終わっちゃったので時間が空きまして、先に解説でも読んでおこうかと思いましたが(三島由紀夫はそもそも嫌いだし、どの右翼にも興味が湧かなかったため)、そのナルシズム全開の文を読んで辟易したので結局、それでおしまいにしました。
それにしても抜粋が多いのは参りました。どこかでちゃんと全文を読み直すことになると思います。ていうか、要するに薄っぺらな本(400ページ足らず)にいろいろと盛り込んだら、どこかで切り落とすか外すかしなければならなかったので、どっちにもいい顔をするために両方入れました的な商売根性を感じたので鈴木邦男には二度と手を出しません。たとえアナーキストについて書いていてもだ。畜生。
あと編者は彼らがテロルに走ったことは右でも左でも究極的には同じところに行き着いただけとか書いてましたが、すでにそこからが右翼の勝手な思い込みで大きな間違いです。だいたい天皇崇拝の右翼とアナーキスト・共産主義者がどうして同じだなんて論点を繰り出せるのか理解できません。
さらに、ずいぶん前の琉球新報だったか沖縄タイムスで記事になってましたけど右翼なのに辺野古移設に反対して立つ女性ってありましたけど、そもそも沖縄の現状はヒロヒトが沖縄をアメリカに売ったからなんですが、右翼としてそこんところどう考えているんでしょうかね? 鈴木邦男はこちらを見事に否定しやがりまして、歴史修正主義乙って感じでした。だいたいヒロヒトが国民のことを第一に考えていたら、沖縄もヒロシマもナガサキもなかったんですよ。そこんところわかってんのか馬鹿野郎と思ったら、そこはさくっとスルーしました。全く、自分に都合のいいおつむの持ち主ですね。ていうか、だから天皇なんか指示できるんでしょうけど。
あと、若い頃、ソウルの安重根記念館に行った時に先輩の右翼に「韓国の愛国者に日本の愛国者として会いに行こう」と言われて、そんな考えもあるのかと思ったそうですが、馬鹿野郎、おまえら右翼こそ癌だと知れ。
だいたい
天皇へーかの周りに奸臣がいるから正しく政道が行われないのだという考え方は226事件で大々的にやって、当の天皇にそっぽ向かれたんですけど、そこはスルーですかね。
だいたいテロというのは権力に立ち向かうための道具だったので(911以降、何でもかんでもテロ呼ばわりですが、そもそも
911だって、わしはアメリカの自作自演説に立つのでテロでさえないです。そもそもアメリカという世界最大の権力者に資金援助されてるアルカイダだのISだのはテロリストでも何でもないです。権力の狗ですよ)権力者の側にしか立たない右翼がテロとか言ってほしくないですわ。一昨日来やがれです。
というわけで鈴木邦男のナルシズムはどっちらけでしたが、載ってた文はどれもおもしろかったです。ただ、どいつもこいつも抜粋なんで、ちゃんと読み直そうと思いました。
しかし、今の時代、テロで誰かを殺せば時代が変わるとは思えなくなりました。今日も悶々とする日々です。
2019.5.25追記
金子文子の文のなかで、
先日の映画ではスパイ扱いされていた新山初代を「親友」って言ってるんですけど、そこのところは故人の名誉を踏みにじっていませんかね? 監督、「何が私をそうさせたか」を読んだんでしょうか? 読んでたら、ああいう描写にはならないと思うんですが。スパイを入れたくても無名の人物にしておくとか手はいくらでもあったと思うんですが。
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