監督:前田憲二
通訳・助監督:林秀貞
ナレーター(日本語版):関根正明
主催:NPO法人ハヌルハウス
見たところ:YMCAアジア青少年センター
日本・韓国、2016年
サブタイトルは「唐辛子とライフル銃」です。
朝日新聞の夕刊で「日韓映画、監督のバトン」という記事が掲載されていました。韓国の監督が製作半ばで亡くなったドキュメンタリー映画を日本の前田憲二さんという監督が継いで完成されたという記事です。上映会を10月10日、11日の2日限定でやるとも載ってます。題材は、わしが
ちょっとだけ勉強した東学農民運動についてのようです。電話で予約して行ってきました。
観客席はそこそこ盛況でしたが、相も変わらず若者の姿が皆無に近く、お年寄りの方ばかりで、まぁ、平日の3時開演という時間もあったせいかもしれませんが、心配になりました。
東学農民運動は日清戦争のきっかけというか、日清の介入を呼んでしまった東学党による農民革命でした。東学党というのは、現在の韓国では天道教と名前を変えて存続しており、中国からの朱子学、西洋からのカトリックのどちらにも寄らない朝鮮独自の宗教・思想です。
映画は、東学の始祖・崔済愚(チェ=ジェウ)に始まり、2代目の崔時亨や、日本軍に追われる東学党の残党が遠く済州島まで逃げていった話や、東学党の遺族、研究者などがちょっと散漫的に登場します。場面場面の転換で稲妻のショットを挟むのは蛇足だったような…。途中で舟を漕ぎかけましたが、沈没せずに済みました。
これは東学党=天道教が3・1独立運動を担い、現代の韓国にも息づく宗教であることが、何かしらの結論、あるいは問題提起のようなものを見出せずに終わったせいなのかなと思いました。あんまり風呂敷を広げすぎずに、たとえば天道教まで手を出さずに東学党で終えていれば、もうちょっとまとまった内容になったんじゃないかと思ったり。
ただ、この事件をきっかけに日本は呼ばれもしないのに朝鮮に出兵し、大陸侵略への足がかりを作ったのは紛れもない事実であるわけです。
そういう意味ではもっと多くの日本人が見るべきドキュメンタリーだと思いました。
YMCAアジア青少年センターにあった3・1独立運動より1ヶ月も早い独立宣言の記念碑。
ソウルのタプコル公園から始まった独立運動は、ここの独立宣言を受けてのものだそうです。
わしは日本の罪深さに恥じ入ってしまいます。
近くにあった故・米沢嘉博さんの名を冠せられた図書館。そういや明治大にあるって聞いたっけ…
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