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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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生まれ出づる悩み

有島武郎著。青空文庫刊。

黒旗水滸伝(有島武郎の心中が載ってたはずの下巻のレビュー)」を読んでいた時に有島武郎という人に興味を抱いたので読んでみたのでした。

自分の仕事に苦しむ作家の私が、かつて絵を持ち込んだ「君」のことを思い巡らし、10年後に送られたスケッチブックと、再会した「君」の生活を思い巡らすことで、生活のなかの芸術、生活と芸術などについて綴った私小説って感じでした。

Wikiで調べたら「君」にはモデルがいるそうで没後、記念美術館も建てられたそうです。

貧しい漁夫の家に生まれた「君」が、父や兄、他の漁夫のように仕事に没頭できず、絵のことを考えずにいられない姿には共感を覚えずにいられません。

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残像

監督・脚本:アンジェイ=ワイダ
出演:ヴワディスワフ=ストゥシェミンスキ(ボグスワフ=リンダ)、ハンナ(ゾフィア=ヴィフワチ)、ニカ=ストゥシェミンスカ(ブロニスワヴァ=ザマホフスカ)、ユリアン=プシボシ(クシシュトフ=ピェチンスキ)、文化大臣(シモン=ボブロフスキ)、ウッチ造形大学学長(アレクサンデル=ファビシャク)、ロマン(トマシュ=ヴウォソク)、ほか
見たところ:岩波ホール
ポーランド、2016年

たきがは大好きのポーランドの巨匠アンジェイ=ワイダ監督の遺作です。神奈川県に来るのを待っていたら来ないことがわかり、慌てて岩波ホールに行って来ました。何年ぶりだよ…

1948年、スターリン主義まっただ中のポーランドの地方都市ウッチを舞台に共産主義につぶされていく前衛的な画家ヴワディスワフ=ストゥシェミンスキの晩年の4年間を描きます。

わしは絵画の世界にはとんと暗いのでストゥシェミンスキさんのことは全然知りませんでしたが、左手と右足がなくても松葉杖をついて精力的に動き回り、学生たちに慕われた講義の風景などを見ていると、画家としてだけでなく教師としても素晴らしい方だったんだろうなぁと思いました。でも、その一方で、すでに別れた彫刻家の奥さんと小〜中学生ぐらいの娘さんがいて、その奥さんの葬儀にも呼んでもらえないというのはどっか問題はあるのだろうという描き方もワイダ監督らしいと思います。まぁ、母親の葬儀を一人で行った娘の前で、協力者とはいえ、愛人のようなハンナさんとのやりとりをしちゃう無神経さはどうなのと思ったし。それでもラストシーン、孤児になった娘が父親が死んだというベッドに来るところで終わるのは、彼女が示せる精一杯の愛情とも取れるし。
しかし、寮に入っているとはいえ、この先、娘さんが冷遇されたのではないかと心配にもなりますが。

タイトルの「残像」は、ストゥシェミンスキさんの残した「残像はものを見た時に目の中に残る色なのだ。人は認識したものしか見ていない」から取られたそうで、それはストゥシェミンスキさんが最後にショーウィンドウの中で倒れた時、何人も通行人が通るのに誰もが無関心というところにも現れていたのかなぁと。

大好き監督とか言いつつ、見てない映画もあるので機会があったら見てしまおうと思います。

ワイダ監督のご冥福をお祈りします。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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平尾昌晃さん逝去

数々の歌謡曲、ヒット曲を世に生み出された作曲家の平尾昌晃さんが亡くなられたそうで驚いています。

「よこはま・たそがれ」とか「瀬戸の花嫁」なんか空で歌えちゃう世代なもんですが、「銀河鉄道999(TV版)」とか「誰がために」などが好きでした。「必殺仕事人」のテーマ曲なんかも手がけられたそうで、改めて、その作風の広さに恐れ入ってしまいます。

ご冥福をお祈りします。

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花匂う

山本周五郎著。新潮文庫刊。

とりどりの時代物と現代物2作を収めた短編集です。

表題作のほか、「宗太兄弟の悲劇」「秋風不帰」「矢押の樋」「愚鈍物語」「明暗嫁問答」「椿説女嫌い」「花匂う」「蘭」「渡の求婚」「出来ていた青」「酒・盃・徳利」の11編が収められてます。

現代物のうち「出来ていた青」は推理物ですが、推理の過程が少々唐突のきらいがあります。ただ、山本さんは「寝ぼけ署長」というミステリの短編集だったかもあるらしいので、ミステリにはそれなりに興味があったようですが、殺されたヒロインが性的に堕落していたという設定が再三語られるのがかなりくどく、いまいち。
「酒・盃・徳利」は、落ちもないような話でしたが、どうやら貧乏な青年に託した私小説っぽいです。ただ、いまだに「青べか物語」に食指が動かないのは、この方の現代物にはあんまり興味が湧かないからなので、半分くらい愚痴のようなこの話もおもしろくなく。

「宗太兄弟の悲劇」「秋風不帰」「矢押の樋」「蘭」が武家物で、武家ならではの悲劇が主題な感じ。特に巻頭の「宗太兄弟」は、ちょっと酒癖の悪い親父を持ってしまった兄弟の敵討ちの悲劇が「阿部一族」なんかとはまた違った感じの悲劇。
「蘭」は、親友のために犠牲になる友情とかも感じられます。
「矢押の樋」は軽率に振る舞う武士が命を賭して藩を救う話で、こういう「能ある鷹は爪を隠す」はけっこうお好きだったのかなと。

「愚鈍物語」「明暗嫁問答」「椿説女嫌い」「花匂う」「渡の求婚」はそれぞれ武士が嫁を娶る話なんですが、頑固な叔父を説得すべくあの手この手の「明暗嫁問答」ではヒロイン、お笛さんの凛とした美しさが良く、山本ヒロインではわりとよくある感じ。
「愚鈍物語」も「愚鈍」と言われた主人公の話は「矢押の樋」に通じる部分もありますが、もっとユーモラス。
「椿説女嫌い」になっちゃうと、女嫌いの勘定奉行と強面のお局がなんだかんだで結ばれちゃう話がまたユーモア満載。
表題作の「花匂う」は、想っていた女性を親友に譲った主人公が、親友の死後、彼女と結ばれるくだりを叙情たっぷりに描いた秀作。
「渡の求婚」は天邪鬼な渡を求婚させるために周囲が骨を折るユーモアと、わりとユーモア系が多かったりしました。

多くの話が戦中の作で、戦争中も意欲的に発表していた周五郎さんの作家としての姿勢がうかがえます。

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藁の盾

監督:三池崇史
出演:銘苅一基(大沢たかお)、白岩篤子(松嶋菜々子)、蜷川隆興(山崎努)、清丸国秀(藤原竜也)、奥村武(岸谷五朗)、関谷賢示(伊武雅刀)、神箸正樹(永山絢斗)、ほか
原作:木内一裕
日本、2013年

うちの親が見ているのにつき合ってまるっと見てしまいました。ただ監督が三池崇史だとわかってたんで、最近、特に漫画やアニメの実写映画化で評判が悪いので期待してなかったのですが、それ以下の出来でしたが、原作があると知って、そのざるな設定にかなりがっかりです。

仮釈放中の身でありながら幼女を殺した罪に問われた容疑者・清丸国秀の命に、被害者の祖父・蜷川隆興が10億の身代金をかけた。SPの銘苅一基と部下の白岩篤子は、警視庁の奥村武、神箸正樹、福岡県警の関谷賢示と協力して自首してきた清丸を福岡から警視庁に移送する任務を命じられる。しかし、蜷川が清丸殺害を広言したことで一攫千金を狙う一般市民だけでなく、移送に協力するはずの警察の中にまで清丸の命を狙う者が現れてしまう…。

というわけで凶悪犯を守るSP対一般市民(キャッチコピーでは日本国民1億2000万とか言ってましたが、全員がそんな発想になるわけはないので、その時点ですでにおかしい)という話なんですけど、

・SPの銘苅だけ防弾チョッキを着ていたのに、白岩と神箸が着てないで射殺されたのはおかしい。
・最初、何十台ものパトカーに守らせて護送しようとしていたけど、場所を特定されていたので新幹線に切り替え、それもばれて最後はタクシーとか、計画性のなさ過ぎる移送がひどい。警視庁ならヘリコプターで移送すれば速いはずだし、新聞社とかヘリを持っていても、ゴルゴじゃあるまいし、ヘリから清丸を狙えるスナイパーがいるとも思えない。

という辺りがひどかったです。

カンヌで酷評されたそうなんですが、脚本のざるを訂正すれば、それなりに見られる、むしろ、一石を投じられる映画になれたと思うので、つくづく、設定の甘さがもったいないと思いました。

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