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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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永遠の不服従のために

辺見庸著。毎日新聞社刊。

2001年の同時多発テロ後に「サンデー毎日」で連載されていたエッセイ集です。テーマは様々なんですが、やはり時代を反映して小泉政権やブッシュ政権の悪辣さを罵らずにいられない憤りみたいなものが全面に溢れています。負け犬の遠吠えと言われても何かを言わずにいられない、その心情に大いに共感できるところであり、この時代の小泉を知っているからこそ、今になって脱原発とか言い出した小泉を信頼するわけにはいかないと思うのです。そう言えば、たいがいの人が賛成せずにいられない耳に心地いい言葉の裏で何を企んでいるのか、何を隠そうとしているのか疑わずにいられません。たとえあの当時のことを反省しての脱原発だとしても、まず、そのことを総括してからじゃないかと思わずにいられないのです。

内容が古びたとはいえ、なかなか興味深い一冊でした。ただ、やっぱり読むのが遅かったと言わざるを得ません。

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ル・グインさん逝く

ゲド戦記」や「闇の左手」「所有せざる人びと」等、傑作ファンタジー、SFなどをものしてきたアメリカの作家、アーシュラ=K=ル・グインさんがお亡くなりになったそうです。

後年の作はフェミニズム色が強すぎてあんまり好きになれませんでしたが追悼に何か読み直そうと思います。

ご冥福をお祈りします。

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果し合い

監督:杉田成道
原作:藤沢周平
出演:庄司佐之助(仲代達矢)、美也(桜庭ななみ)、牧江(徳永えり)、庄司佐之助(若い頃)(進藤健太郎)、松崎信次郎(柳下大)、縄手達之助(高橋龍輝)、佐之助の甥(益岡徹)、その妻・多津(原田美枝子)、ほか
日本、2015年

親が見てるのにつき合って見ちゃったシリーズ。

部屋住み(武士の次男坊)で足の不自由な老人、庄司佐之助は甥夫婦の厄介者として暮らしている。甥の娘・美也は佐之助のただ一人の理解者だったが、甥の上司のはからいで望まぬ縁談が持ち上がっていた。偶然、美也と思い人の信次郎との密会を目撃してしまった佐之助は自分の過去と重ね合わせて美也の思いを遂げさせてやりたいと思うようになる。しかし縁談を断った美也にその相手である縄手達之助は因縁をつけてき、佐之助は美也を助けようと割って入るが、逆に打ちのめされてしまう。さらに達之助は美也が信次郎と好き合っていることを知り、信次郎に果たし合いを申し込み、そのことを手紙で美也に知らせた信次郎はかなわぬと知りながら果たし合いに向かう。そうと知らされた佐之助は不自由な足を引きずって助太刀に入り、居合いの一撃のもとに達之助を討つ。信次郎と美也は江戸に駆け落ちし、全ての責任を取って佐之助は切腹覚悟で城に向かうのだった。

原作が藤沢周平っぽいなと思ったら、やっぱりそうでした。世を忍ぶ剣の達人みたいな設定、どんだけ好きなんだよ ヽ(`Д´)ノ

あと、タイトルの「果し合い」が、最後の佐之助vs達之助だけでなく、佐之助が過去に起こした果たし合いにもかけていますが、これが結婚を目前に控えているのに上司の息子だかと果たし合いをし、相手を不具だったか殺すかしちゃって自分も足に後遺症を負い、牧江に駆け落ちしようとまで誘われたのに、それをばっくれたところ、彼女は望まぬ結婚をしたために一年後に精神を病んで死んでしまったと知るというネタが明かされるわけなんですが、この若い頃の果たし合いの理由がよくわかりませんでした。ていうか映画では描かれませんでした。ですが、愛する女性との縁談を破談にしてまでしなければならぬ果たし合いの理由が書かれなければ、そのために牧江も失い、結果、見殺しにしてしまい、自分も不具になった佐之助の心境がまったく共感できませんし、理解できません。その時点でこの映画、駄目すぎだろう。

あと、開始10分くらいでヒロインになる美也の台詞廻しが全然時代劇っぽくなくて、しかも美也のキャラクターが軽くて、もうその時点で嫌になってたんで政略結婚押しつけられそうだけど好きな男がいるという美也のネタがわかった時点でラストの展開は読めてしまいました。その時はまだ佐之助の事情とかはわかってませんでしたが、ぶっちゃけ、みちとの話なんか特に蛇足感が漂ってしまい、それにプラス牧江の話ですから、いい加減に「俺っち悲惨なんだよね~」な佐之助の事情はうざかったです。
それだけに美也の政略結婚の相手の達之助は、「遊び好き」という悪評に加えて、美也に暴言を吐いたり、佐之助を虐めたり、さらに信次郎まで巻き込む嫌な奴でしたが、そこまで貶めなくてもという描き方がいい加減、いやらしいと思いました。主人公サイドの人びとの善良さを強調するだけの存在なんているわけがないんです。だから藤沢周平は嫌いなんだよと思いました。

また、甥はまだ佐之助や美也に理解を示さなくもないんですが、武士の嫁のくせに何様な多津さんの描き方は酷いと思いました。原田美枝子さんはこういう冷徹な役をやらせると怖いくらいにはまるんですが、失礼だろうと言いたいです。原田さんじゃなくてもいいでしょ、こんな役。

ひどい映画でした。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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魚影の群れ

監督:相米慎二
原作:吉村昭
出演:小浜房次郎(緒形拳)、その娘トキ子(夏目雅子)、依田俊一(佐藤浩市)、アヤ(十朱幸代)、ほか
日本、1983年

夏目雅子さんが出ているというので親が見ていたのを一緒に見ましたが、まず、大間が舞台だっていうのにびっくりして、夏目さん以外にも緒形拳さんや佐藤浩市が出てたので二度びっくりし、スタッフを探していたら相米慎二監督(遺作となった「風花」のみ鑑賞)で吉村昭さんが原作だってんで三度びっくりしたのでした。

大間に住むマグロ漁師、小浜房次郎と、その娘トキ子、トキ子の結婚相手、依田俊一の三人の愛憎劇。

ですが、ここにトキ子の母親で、房次郎と別れたアヤとかもちょっと絡むので、実質的な主役は房次郎のようです。

大間と言えば、原発が絶賛建築中の本州の北の端です。そういや、何年か前に行ったっけ。マグロの産地としても有名ですが原発なんか作ったらマグロ売れなくなるかもとか心配しないんですかね。どっちにしても、わしは食物連鎖の頂点にあるマグロは食べなくなりましたが、ツナとか食べないとほんとに不便でかなわないんですが、できたら魚介類も食べたくないくらいなんですが、どうなんでしょうか。

話の方はそこそこおもしろかったんですが、夏目さんの訛りが酷くて言っていることが半分くらいしか理解できませんでした。緒方さんぐらいなら何とかなるんですが。

わしのなかでは佐藤浩市ってこういう青臭いイメージが抜けないので、そういう意味ではちょうどいい映画でした。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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もの食う人びと

辺見庸著。

先に読んだ「もの食う人びと(コミック版)」の原作です。

いろいろな主人公を据えた「コミック版」に比べ、こちらはルポルタージュの体裁をとっており、ずいぶんと翻案したんだなとわかりました。
残念だったのは「コミック版」でいちばんいいと思っていた元従軍慰安婦の方の話が原作の半分以下のエピソードしか取り上げられておらず、むしろ、それ省いたら駄目やろ!なレベルになっていたことです。たとえば以下の部分。

自殺しようとする元慰安婦の方々(「コミック版」では1人でしたが原作では3人)にご飯をおごることになり、その体験を聞くだけの「コミック版」と異なり、原作版では著者がひたすら「死なないでください」と言い続け、その間にご両親の墓参りをしたりしています。この墓参りのシーンがわし的にはいちばん胸を打たれました。ご両親が亡くなってから、初めて言えたという「自分は日本軍の慰安婦だった」という言葉、生きているうちには決して打ち明けることができなかった壮絶な過去、そんなものを朝鮮に限らず、台湾やフィリピン、インドネシア、オランダなど、数多くの国々の女性に負わせた日本という国。そこから来たジャーナリストである辺見さんは、直接の加害者ではないにしても「あの日の記憶を殺してしまいたい」と言って自殺を図ろうとする女性たちに、ただ「死なないでください」としか言うことができない、その無力さ。そして、いまもなお、解決しようとせず、真摯に向き合おうとせず、反省もしない日本という国の愚かしさ。そんなものを代表させられることになってしまったジャーナリストの無力さ。そういうものが「コミック版」にはなかったのでした。

そこがいちばんショックだったんで、わりとほかのエピソードは忘却の彼方(爆

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