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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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雨の山吹

山本周五郎著。新潮文庫刊。

表題作のほか、「暗がりの乙松」「喧嘩主従」「彩虹(にじ)」「恋の伝七郎」「山茶花帖」「半之助祝言」「いしが奢る」「花咲かぬリラの話」「四年間」を収めた短編集です。うち、「暗がりの乙松」~「いしが奢る」までが時代物、残る2作は現代物です。

うち、「暗がりの乙松」は「宵闇の義賊」と同じテーマっぽい泥棒の話ですが最後で改心する人情物っぽい話。
残る時代物は武家物ですが、「彩虹」~「いしが奢る」までは武家の恋噺を据えて、いろいろなテーマの話を集めた感じ。その中で「恋の伝七郎」が下町物の風情もかもして異色、「山茶花帖」も女性の視点というところが異色です。
「花咲かぬリラの話」はどっかで読んだタイトルだと思っていたら「艶書」にそのものずばりのタイトルで「花咲かぬリラ」とありましたが、中身は全然違いました。
「四年間」はちょっと「静かなる決闘」を彷彿とするような話ですが、余命が決まっちゃってるのが違いますかね。まぁ、余命なんてのも怪しいもんだそうですが。

表題作の「雨の山吹」が、藩の公金を使い込んだ男やもめと、自殺をしたふりまでして駆け落ちした義妹のささやかな幸せが、最後のシーンでしみじみと響くのが良かったです。途中まで、妹を追いかける兄ちゃんが殺す気満々だったのが、タイトルのとおり、雨のなかで咲く山吹に妹夫婦を偲び、その幸せを願うところなんかが。

あと、「喧嘩主従」がさっぱりした読後感、「半之助祝言」はユーモア物って感じで好きでした。

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タクシー運転手 約束は海を越えて

監督:チャン=フン
出演:キム=マンソプ(ソン=ガンホ)、ピーター(トーマス=クレッチマン)、ファン=テスル(ユ=ヘジン)、ク=ジェシク(リュ=ジョンヨル)、ピーターの友人の記者(チョン=ジニョン)、ほか
見たところ:横浜ブルク13
韓国、2017年

ソン=ガンホの新たな代表作となる傑作映画です。監督は「高地戦」を撮ったチャン=フンさん。共演は「戦場のピアニスト」で印象的なナチスの軍人を演じたトーマス=クレッチマンさん。さらにテスルとジェシクもいいのですが、脇まで固いのが韓国映画のいいところ、「7番房の奇跡」や「達磨よ、遊ぼう!」のチョン=ジニョンさんがソウルでピーターを助ける韓国人のジャーナリストで登場、さらに題材は韓国現代史最大の悲劇・光州事件ですから冒頭から興奮が収まりません。

個人タクシーの運転手キム=マンソプは妻に先立たれ、11歳の娘を養っているが、生活は苦しく、10万ウォンも家賃を滞納している。しかし、光州に外国人の記者を乗せて帰ってくるだけで10万ウォンもらえると耳にして、マンソプはまったく事情を知らないでその客を横取りする。1980年5月、ソウルでは全斗煥政権に対し、民主化を求める学生を中心にしたデモが多発しており、マンソプはそのために引き起こされる渋滞を苦々しく思っていたのだった。高速道路の通行禁止を乗り越え、ようやくたどり着いた光州では軍隊によるデモ隊の武装鎮圧が頻発しており、精力的に取材を始めるピーターに対し、事情が呑み込めないマンソプは一度は光州を離れてしまう。だが同じタクシー運転手のテスルや学生のジェシクらと一緒だった時に見た、軍隊に暴力を振るわれる民衆の姿に鼓舞され、約束どおり、ピーターを金浦国際空港に連れていくことを決意して光州に戻るのだった。ピーターの撮った映像は世界中に流され、2003年、再び韓国を訪れたピーターはマンソプを探すが、再会することはできぬまま、ピーターは2016年に亡くなった。

というわけで公開前から題材と主演だけで期待150%ぐらいで見に行きましたが、これが裏切られることない出来で2時間半の長丁場を引っ張ってくれたんですから絶賛するしかありません。しかも「光州5・18」と光州行きで予習はばっちりです。作中、何度も何度も涙が止まりませんでした。

民主化を望む平和なデモが催涙弾を撃ち込まれ、銃で撃たれ、人びとが傷つけられ、倒されていく。作戦名「華麗なる休暇」はそうして1980年5月18日〜27日まで続きました。
ピーターとマンソプを逃がすためにジェシクが犠牲になり、海外からやってきた記者だとピーターを歓迎してくれ、「腹が減っては」と言っておにぎりをくれた女性も傷つけられ、最後、ピーターとマンソプをソウルに行かせるためにテスルたちタクシー運転手たちも私服軍人と戦って倒されていった。そんな彼ら彼女らは一人として特別な英雄なんかじゃなくて、私たちと同じような市民であり、父であり、子であり、母であり、娘だった。隣りにいるかもしれなかった、私たち自身であったかもしれなかった人だった。ただ彼らは光州で時の政権に民主化を要求したに過ぎなかった。それが殺されるほどの、命を奪われるほどの罪だったのか、そうではないだろうという問いと答えがぐるぐると頭のなかを駆け巡るのです。
そして、テスルが言った「あんたは悪くない。謝るべき連中は別にいる」という言葉の重さは、すぐに被害者に責任を転嫁しがちな今の日本社会にあって、決して忘れてはいけない人の心、人情として、別の理由でいちばん心にしみました。
そういう意味では主役はあくまでもマンソプとピーターなんですけど、本当の主役はテスルやジェシクのような光州の人たちで、「光州5・18」以来、1980年の光州の人たちが他人とは思えない片思いを抱いているわしには、そんな彼ら彼女らが傷つけられるシーンが本当に辛くて、悲しくて、だからこそ、マンソプには無事にピーターを金浦空港に届けてもらいたいと思いましたし、光州に戻ったマンソプが、ジェシクの死を前にして取材ができなくなったピーターを逆に励ますようになる、その過程にもいちいち涙があふれました。

でも、いい映画だったね〜では終わらせずに考えたいのです。わしがこの映画を見に行った2018年4月27日は南北首脳会談が行われた日でもありました。それもこれも、元をたどれば、全部、日本が朝鮮半島を植民地化した、そこに行き着くんですよ。それだけは忘れてはいけないと思うんです。日本による植民地化がなければ、朝鮮半島が今も分断されているような事態にはならなかったろう、朝鮮戦争も起きなかったろう、ならば、民主化を求める光州事件も起きなかったのではないかと思わずにいられないのです。
南北首脳会談に続き、6月には米朝首脳会談が開かれる予定です。その時、日本はどうしているか、今こそ、過去を謝罪すべき時だと思いますし、そうしない日本と話し合う余地はないと共和国は断言しているとも聞きます。

世界中を敵に回した愚の二の舞を演じるのか、今度こそ、過去を謝罪して訣別するのか、余談は許されないのではないでしょうか。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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テレメンタリー2016 その時、『テレビ』は逃げた〜黙殺されたsos〜



TLで流れてきたのをやっと見ましたが、本放送が2016年と2年も前なので遅きに期した感もないですが、見ないよりは見ておくべきだろうと思ったので見ました。

原発が爆発した直後、自主規制によって30km圏内の福島県の自治体に取材に行かなかったテレビ朝日。そこに寄せられた1万を超す救済を求める自治体に住む人びとからのメール。

そもそも、テレ朝が原発に近い自治体に近づかなかったのは1999年の東海村臨界事故での反省があり、福島県郡山市でさえ、その基準(毎時10マイクロシーベルト)を軽く超えていたからだといいます。

記者たち自社の社員を守るための規制が、結果的に住民を見殺しにすることになった。その反省と悔悟はわからないでもないのだけれど、すでにチェルノブイリ原発事故を経験したのに、原発に対してあまりに無知で無関心で、政府の言うままに屋内避難にとどまった住民たちにも猛省が求められるべきなのでないかと思います。仮にも原発誘致をした自治体の住民が原発について無知であってはならない、そのような反省が出てこないことを不思議にも思うのです。

今も福島には多くの人が生活し、まるで原発事故など起きなかったかのように避難指示が解除されています。でもチェルノブイリの基準でいったら、福島県全域が居住不可地域なのです。

この先、わしは福島産を口にすることは二度とないでしょう。たった1つだけ例外の条件がありますが、それは今じゃないです。ましてや、関東での生活に嫌気が差して、遠く沖縄へ逃げていこうとしています。
けれども、こうしている合間にも私たちの首は絞まっているのではないかと、そう思わずにいられません。

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斎場御嶽(セーファーウタキ)

琉球王国最高の聖地にして世界文化遺産の斎場御嶽に行ってきました。

常々、この手の聖地には後足で砂をかけるような言動をしておるわしですが、興味ないわけではないですからね。むしろ好物。あと5年前に沖縄旅行した時に行きそびれたので行ってみたかったのでした。

大庫理(ウフグーイ)


寄満(ユインチ)


三庫理(サングーイ)


久高島を望む。神事イザイホウで有名ですが、「イザイホウ 神の島・久高島の祭祀」によると神事は何十年も行われていなかったはず。
しかし、この映画を見た感想が「どこの横溝正史〜」では、わしの感性もだいぶ歪んでおる。


三庫理を見上げたところ。


三庫理の手前にあった聖水(鍾乳洞から垂れる水)を集めているところ。


帰りにお祈りをしている人がいて、同行してくれた伯母(沖縄出身・在住)によるとユタじゃないかということだったので、いまだに聖地であることを否定するものではありませんが、世界遺産なんかになった時点でその聖性は踏みにじられているし、金まみれになっていくことも避けられないんじゃないかと思いました。

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ゴールデンカムイ 第2話

サブタイトルは「のっぺらぼう」です。

いよいよ本格的に入れ墨の囚人たちを追うことになった杉元とアシリパさん。この回は作中で悪役と位置づけられている陸軍第七師団や、逃亡した囚人たちのリーダー、元新撰組の副長・土方歳三、さらに囚人たちに入れ墨を入れた死刑囚のっぺらぼう、さらに第三の主役、脱獄王・白石由竹らが情報・実像ともに登場、話が広がりを見せます。

前回の感想で連載中の漫画、どう決着をつけるのかと書いたんですが、エンディングを見ているとアシリパさんのお父さんの友人、キロランケも登場していたのでけっこう突っ込んでくれるのだろうか。

前頭葉が吹っ飛ばされ、時々、体液を漏らす作中でも屈指の変態・鶴見中尉が大塚芳忠(「機動武闘伝Gガンダム」のチボデー=クロケット、「まりんとメラン」のメラン=ブルー、「ガンダム」のヤザン=ゲーブル、「エルガイム」のミラウー=キャオなど)さんでラストで一言だけしゃべってきゃっはーでしたが、好きなキャラは王道で杉元と白石、あと土方さんです。

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