T長著。となりのヤングジャンプ掲載。
「死を失いし者」、通称「しをちゃん」と出会った「ぼく」の日常を描いたブラックなコメディ。
「しをちゃん」の生きることに執着を失ったゆえのぽんこつぶりにしんみりとさせられる話が多く、コメディと言っていいのか… かといって「しをちゃん」の破片(脳とか指とか、あらゆる人体の一部)がよく登場するのでほのぼの系でもなく…
どんな目に遭っても必ず死から再生してしまい、数千年も生きてきたわりに、記憶も適当に飛んでいるし、そもそもぽんこつだし、毒にも薬にもならない「しをちゃん」のキャラが、不死者としては今までなかったパターンで秀逸と言うにはあまりにブラックです。
「ぼく」はそんな「しをちゃん」に対する突っ込み役であり、時に賢者と呼ばれますが、基本的には常識的な小学生です。そんな二人に加え、中盤から世界征服を策謀する秘密結社ネオゴッド(結社員1人)の「力を求めし者」、通称「ちかもとさん」(なぜ略す)が加わりますが、間違っても世界征服なんて物騒な話にならず、単に突っ込み役がもう1人加わって、DIYが得意な「ちかもとさん」のキャラもあって、やっぱりほのぼのしちゃいます。
誰が格別好きということもなく、登場人物がみんなわりといい人で更新を楽しみにしていた漫画でした。先日、となりのヤングジャンプにて完結、その後もおまけを掲載していましたが6にて終了宣言が出たので、「しをちゃん」の設定を考えると永遠に続けられそうな漫画でしたが、最終回では「ぼく」も成長し、パパになり(息子が若い頃の「ぼく」にそっくり)、「ちかもとさん」もネオゴッドを冠するDIY帝国の主人となり、「しをちゃん」だけがいつまでも変わらなくて、その日常がいつまでも続いていき、世界が滅んでもまた繰り返されるという終わり方でした。「しをちゃん」がなんで世界を傍観し続けるのか、そこら辺の理由は明かされてませんでしたが(たぶん特に考えてもいないんでしょうが)、けっこうおもしろかったです。
スマホアプリをインストールすると全話読めるそうですが、サイトだと公開話が限られちゃいます。
何となく読み始めたら、最後まで読んじゃったという、わしには珍しいタイプの漫画でした。
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