自分の持ち物は何でも「ちゃん」づけで呼ぶのが癖です。せんちゃんとはCentris610のことです。「せんとりす610ちゃん」ではあんまり長いので、ほかに「せん」てつくこもいませんし、「せんちゃん」呼ばわりです。
さて、せんちゃんことCentris610ですが、先日のSad Mac事件以来、久々に起動してみました。この子には15年くらい前の価格で60万円ばかしつぎ込んだんです。貯金をはたいて、「おばあちゃんとぼくと」というCD-ROMが見たいがために、Classic IIを手放して買い直したんです。60万円分使い倒したならば、わしも諦めがつきますが、とうてい60万円にはほど遠いような気がします。何より、セットアップ用のCDもあるし、FDも出てきたし、まだまだ復活に望みはかけねばなりません。CDドライブも交換したしね。
そこで、まずはDisk First Aidをかけるべく、FDを突っ込んでせんちゃんを起動しました。ほんとはNorton先生があれば言うことないんですが、何しろ捨てちゃったんでどうしようもありません。
FDからせんちゃん、無事、起動。あれ、意外といけるかも、と希望が差し込みます。だって、FDからも起動しないんじゃ、逃げ道がありません。古いマシンですので取っておきたいデータはないにしても、いきなりフォーマットして再インストールというのはやはり最後の手段にしたく思います。
Disk First Aidを起動し、待つこと数分、さすがにハードディスクがmB単位ですから早いです。FDでも簡単に終わります。修復メッセージが出てました。Norton先生ならば、「何とかセレクタが不良です」とかなんとかいうメッセージがうんざりするほど出てきて、全部修復したのにもう1回Norton先生を走らせるとまたメッセージがたっぷり出てくるんですが、Disk First Aidは大して修復するところはないようです。ここらへんが林檎使いとしてはApple純正のDisk First Aidに信頼が置けない理由だったりします。ほんとに平気かよ、おら、というわけです。
で、もう1回、Disk First Aidをかけます。何回かかけないとエラーというのは完全に直らないからです。
しかし、2回目はエラーなしと出ました。
ぬ、ぬわぬぃぃぃ〜?!Sad Macが出た林檎の反応とは思えません。いくらDisk First Aidだって手を抜いてるんじゃあるまいか、と思いますが、反証する手段がありませんので、それ以上の修復は諦めることにしました。
ほんとに大丈夫なのかなぁ。不安は募りますが、再起動。ついでにデスクトップの再構築も試みることにします。林檎キーとOptionキーを同時に押して、しばし待ちます。
じゃ〜〜ん!賑やかな起動音とともに現れたのはHappy Macの方でした! しかし、漢字Talk7.5のロゴとともに起動のバーが伸び始めたところ、すぐに止まってしまい、それ以上起動する気配がありません。
やっぱり駄目かなぁ、せんちゃん。
諦めるのはまだ早い。試しにリセットボタンをぽちっと押してみます。
じゃ〜〜ん!またしてもHappy Mac出現! なんなんだ、こないだのSad Macは? しかも、見ているうちに漢字Talk7.5のロゴが現れ、今度は起動のバーが順調に伸び始め、拡張機能のアイコンも並んでいき、そのうちに見慣れた懐かしいデスクトップが現れました(壁紙は「伝説のオウガバトル」の攻略本からスキャンしたヴァルキリー)。
ま、まさか、死んだふりしとったんか〜〜??
喜びのあまり、たきがははデスクトップに置いてあるBeat the Dragonというゲームを1時間もやってしまいました。いや、ほんとにはまるんですよ、これ。なかなかあがれないし。歴代のMacのゲームの中で、いちばん好きだと言っても過言ではないんですよ。
その後、せんちゃんは2度の起動を無事に過ごし、あれだけ騒がせたSad Macは、いまのところお目にかかっていません。
10年ぐらい、せんちゃん、起動してなかったから、へそを曲げて、ちょっと死んだふりなんかしてみたのかも。古い林檎には、そんなことを思わせてしまう、妙な生き物くささが漂います。ええ、林檎使いの幻覚かもしれませんが、なんかただのマシンじゃないという気持ち、抱くのはわしだけじゃないはずだ。
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