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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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アドルフ・ヒトラーの一族

ヴォルフガング=シュトラール著。畔上司訳。草思社刊。

ヒトラーの一族については、手塚先生の「アドルフに告ぐ」でも、ユダヤ人がいたという証明書を巡って、日本とドイツをまたにかけた話が展開されたりしたもんですが、実はヒトラー自身によって、かなり意図的に隠されていたそうで。でも、当然人間ですから、親も家族も親戚もあったわけで、だったら、なまじっかヒトラーという名前のために、戦後と言わず、戦中でも戦前でもいろいろとあったろうなと想像するにかたくない、一族とはどのような人びとであったのか、ということをけっこう詳細に綴った本。

まず見返しの系図を見て、ヒトラーの親戚ってこんなにいたのか、と驚き、さらに家族、故郷、女性関係、異母兄、甥、妹と章立てして、細かく書かれてます。
そう言えば、水木しげるさんの「ヒトラー」という漫画を読んだ時に、姪のゲリにお熱を上げるヒトラーのシーンがありましたが、異母姉の娘だったそうで、実際に自殺してました。

まぁ、そんなこんなの1冊。下手なワイドショー見るより、よっぽどおもしろいです。

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第10話 南海の館

トンド族の掟で、戦以外の時に人を殺そうとした咎で腕を切られそうになる五右衛門を助左と善住坊は庇う。五右衛門は2人から離れようとするが、善住坊は彼も一緒にいたいのだと言う。その言葉どおり、3人は一緒に暮らすようになり、トンド族の少年を鮫から助けたことで、ようやく長に認められ、家まで建ててもらう。年明けて春、美緒と兼久の婚姻で賑わう今井家と同様、善住坊もノーラとの結婚を控えていた。そこに、五右衛門が南蛮船が沖に泊まっていると告げ、助左はもちろん、帰れば死しかない善住坊もともに帰ることに。助左たちを「土産を持っていかないつもりか」と温かく送り出すトンド族の人びと。助左は再度の来訪を誓うが、それには10年の歳月がかかったことを、今はまだ知るよしもない。

ええ、たきがは、「黄金の日日」ではいちばん好きなキャラは五右衛門だったはずなのですが、だんだん善住坊に傾いております。なんでだ〜ッ?! わしは天下御免の面食い?! 何で助左でも五右衛門でもなくて善住坊?!
それは、どうやら、わしも歳を取りまして、善住坊の庶民っぷりがあまりに切ないからなのかもしれません。いや、見ているとわかるんですけど、この呂宋島編で生涯の友情を結び合った助左、五右衛門、善住坊の3人のうち、助左は後に呂宋助左右衛門として名を馳せる大商人になります。3人の中では唯一、最後まで生き残るキャラでもあり、結果的に堺は失いますが、逆に世界を股にかける大商人として、日本を出ていきます。商人としては言うことないでしょう。ここまでスケールの大きな人物は同時代の日本人にもいるものではありません。ご立派です。
そして五右衛門、ご存じ、天下を騒がす大盗賊になります。時の太閤秀吉に楯突き、ついには釜ゆでの刑に処されてしまったのは史実なんだか伝説なんだかわかりませんが、泥棒としては大物、天晴れな最期です。釜ゆでシーンなんか、本作中、白眉の演技だと思います。私、これで五右衛門にすっ転びました。殺されるシーンで転ぶのも何ですけど。
この2人に対して、善住坊って、何で殺されちゃったのか忘れたけど、最後まで庶民なんだよね。このパワーというか、精神が今回の話では溢れてるんですよ。五右衛門に殺されそうになっても、「わしにはわかる。五右衛門は迷っておった」と言って許してしまう優しさ、憎みきれない弱さ。命を狙った五右衛門に助けられ、「五右衛門がいなかったら駄目だった」と言う強さ。勇者としてトンド族に認められ、人目を憚ることなく泣いてしまうもろさ、五右衛門をして、「こっちまで湿っぽくなる」と言わせた涙、つられないか? 苦節ンヶ月、親を同じ日本人に殺された人についに認められた嬉しさ、一緒に泣かなかったか? 殺されるしかないとわかっていても、堺の土をもう一度踏みたい一心で帰りたいと言う気持ち。ノーラに「わしもまた来るけん」と安直に約束してしまう優しさと弱さ。これらのシーンでいちいち、善住坊の庶民ぷりといいますか、あとの2人に比べるとスケールが小さいんだけど、わかるわかるって頷く共感っていいますか、その、最後には笑うしかないって善住坊の笑顔が切なくて愛おしくて、現実にこの3人いたら、わしは間違いなく善住坊にすっ転ぶなと思ったわけでした。
だから、3人の中で善住坊を選んだノーラは天晴れであり、男を見る目があるなとも思い、逆にいちばん危うい気もするし、最後は処刑されちゃったわけなんですけど、最後まできっと善住坊は好きなキャラであるんだろうと思ったりしたのでした。
3人の中で善住坊だけが唯一、歴史上の人物でないというポイントも高いかも。

一方、堺では美緒が兼久と結婚させられます。そうか、そういう展開だったか。忘れてましたわ。しかし、兼久は「生涯、兄という以上の感情は持たない」と梢ちゃんに言い訳っちゅうか、本音も半分あるんだろうけど、何かこういうシチュエーションで言われても真剣みが薄いっていうか。おまえ、美緒よりも梢のが好きなだけだろうとか、思ったりしなかったり。この人もそれなりに気の毒ではあるのでしょうが、あんまり同情できないのは、それでも親父の傘から逃げない、抜けないという、あくまでも反抗止まりな点でしょうな。

で、気の毒なのは美緒で、すっかり腑抜けになってしまいます。しかも、前回(前々回だっけ)求婚した小西くんは、美緒の頼みを蹴ったとか。うーん、美緒の頼みを聞きやすくするために求婚したんじゃなくて、単に美緒が好きになっただけだったのか。腑抜けめ。
モニカがよよと嘆くのは、実は小西くんが好きだったからでしょうか? うーん、もうちょっといい男を好きになれよ。こんなおぼっちゃんでなく。五右衛門にしろとは言わないからさ。

でも、死んだと思われていた助左たちが次回では帰国できそうです。五右衛門は宗久の命令を果たせなかったし、善住坊は命が危ないし、波乱はありそうですが、美緒は復活しそうですね。助左のこの時代の人間とは思えない奥手ぶりも一歩進むか?(←なんてお下品)

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日本の原爆文学13 詩歌

ほるぷ出版刊。

昨年だったか、栗原貞子さんが亡くなったという記事を読んだ時に、「生ましめんかな」の作者さんだと聞いて、読んでみたいと思っていたんですが、詩集とか全部絶版で手に入らなかったんですよ。

で、ふと図書館で見つけて、これなら入ってるんじゃないか!と思ったら、びんごでした。逆に、峠三吉さんの詩は1つも入ってなかったんで、詩集とかにまとまってない詩、短歌、俳句、川柳をまとめた1冊なのかと思いました。

生ましめんかな

栗原貞子

こわれたビルディングの地下室の夜だった。
原子爆弾の負傷者たちは
ローソク一本ない暗い地下室を
うずめて、いっぱいだった。
生ぐさい血の匂い、死臭。
汗くさい人いきれ、うめきごえ
その中から不思議な声がきこえて来た。
「赤ん坊が生まれる」と言うのだ。
この地獄の底のような地下室で
今、若い女が産気づいているのだ。

マッチ一本ないくらがりで
どうしたらいいのだろう
人々は自分の痛みを忘れて気づかった。
と、「私が産婆です、私が生ませましょう」
と言ったのは
さっきまでうめいていた重傷者だ。
かくてくらがりの地獄の底で
新しい生命は生まれた。
かくてあかつきを待たず産婆は
血まみれのまま死んだ。
生ましめんかな
生ましめんかな
己が命捨つとも


以上、116ページより引用。

栗原貞子さんはほかに「ヒロシマというとき」という印象的な詩も掲載されていて、部分的ですが引用させてもらいますと、

〈ヒロシマ〉といえば
〈ああ ヒロシマ〉と
やさしいこたえがかえって来るためには
わたしたちは
わたしたちの汚れた手を
きよめねばならない


以上、130ページより引用。

この詩に書かれたことは、今の日本、やはり満たしていないし、むしろ悪化していると思います。恥ずかしいことだと思います。

この2編の詩だけで、満足っちゅうか、腹一杯ちゅうか、読んだ甲斐があったっていうか。13なので、12まであるんだな。読んでみようと思いました。

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リボンの騎士

手塚治虫著。講談社刊。全2巻。

いやいやお恥ずかしながら、たきがは、この歳になるまで、まともに読んだことありませんでした。でも、そういうの多いんだよね。手塚先生にしても横山先生にしても、読んでない代表作が多いこと多いこと。今時の漫画なんぞ、読まなくても損はしないと思うことが少なくありませんが、このお二人の作はやっぱり全部読んでおきたいなぁと思いました。

今更粗筋を言うまでもない、超有名な話ですが、初めて読んで、波瀾万丈、次から次へとサファイアを襲う運命にはらはらどきどきです。いや〜、こんなにアクション性の強い漫画だったのか。改めて、手塚先生の先見性に驚きです。

わしは、小学生時代は少女漫画を読んでおりましたが、中学生で「サイボーグ009」を知ったこともあり、だんだん少年漫画にも移行してました。少女漫画でも基本的に読んでいたのは「スケバン刑事」とか佐々木淳子さんのSFだとか、いわゆるラブコメって興味なかったんですよ。今も興味がないので、先日、「うる星やつら」をこれまた初めて全巻通しで借りて読んだんですが(Yちゃん、ありがとう!)、どたばたナンセンスの最初の方はともかく、ラブコメ全開の中盤以降の展開は駄目でした。いや〜、ここまで自分の好みが変わらんとは。
そんなもんで、ラブコメばっかり(と思っていた)「フレンド」とか「マーガレット」とか全然読んでませんし、ちょっとガキっぽいなと思っていた(あくまでもたきがはの主観でありますが)「ちゃお」とか「なかよし」とか「リボン」とかも全然興味がありませんで、それらに比べるとちょっと新興の「花とゆめ」とか読んでたんすよ。今はともかく、あの頃は白泉社系は「LaLa」にしてもラブコメよりもそれ以外のが主体で、おもしろかったんだよね。個人的には森川久実さんは「LaLa」時代がいちばん好きだったし(いわゆる「上海」シリーズ」ですな)。

だから、「リボンの騎士」といいますと、元祖少女漫画、巨匠手塚治虫の初少女漫画みたいな印象がありまして、もっとサファイアとフランツの話が主体なのかと思ってたら、そうじゃないんすね。今読んでもこれ、おもしろいよ。この波瀾万丈ぶりは目が離せませんがな。

ただ、読み終わって思ったのは、わし、ヘケートとかサファイアってわりといいなぁと思ってたんですけど、肝心のヒーロー、サファイア、ヘケート、ビーナスに好かれるフランツ王子が全然魅力ねぇなぁって。能ある鷹は爪を隠すの典型、ウーロン候とか、サファイアの男の心を呑んで、いきなり凛々しくなったプラスチック王とか、海賊ブラッドの方が個性的だし、魅力的だなぁと。連載当時、フランツの人気ってどうだったのだろうと思ったりしましたが、逆に個性のない王子らしい王子というのがそれなりの人気だったのかなぁ? イケメンではあるしな。

どっちかというと、魔女の母が死ぬと、自分も死んでしまったヘケートが可哀想で、もったいないと思いました。

ああ、こりゃあ、全作読んでない「アトム」とかちゃんと読まないと。

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妖精物語の国へ

J.R.R.トールキン著。杉山洋子訳。ちくま文庫刊。

妖精物語とは何か、というエッセイと、C.S.ルイスに当てた手紙、詩劇の3篇収めた1冊。

最初のエッセイで、トールキン教授は何度か劇とファンタジーとの相性の悪さを言及しとります。このエッセイが書かれたのは1938年と、まだ「指輪物語」も完成していない時期でした。ハリウッドでは映画が撮られていましたが、トールキン教授はそういう映画を見たでしょうか、見なかったでしょうか。
ただ、「人間が創る芸術のなかでも、ファンタジーは特に言葉、つまり本来言葉の芸術である文学にゆだねるのがもっともよい。たとえば絵画だと、心に描いた不思議なイメージを視覚的に表現するのはかんたんすぎる。手が先走って心に勝ったりするのである(90ページより引用)」と言う教授にとり、自作の映画化「ロード・オブ・ザ・リング(たきがはは、「指輪物語」と「ロード・オブ・ザ・リング」は別物だと主張します)」は、あまり好意的には見られなかったのではないかと思うのです。あるいは、映画化そのものに反対したのかもしれないと思うのです。

今、フロド=バギンズという名前を聞いて、あるいはアラゴルンでもレゴラスでもボロミアでもいいのですが、あの映画の配役を思い浮かべないでいられる人は少ないと思います(あの映画が嫌いなたきがはでさえ、つい思い出して、慌てて打ち消しているような有様です)。でも、それはトールキン教授が望まなかったのではないかと、思わずにいられないのです。

いまいちど、あの「指輪物語」の世界に浸りたいと思いました。トールキン教授が描いて、瀬田貞二さんが私たちに届けてくれたあの純然たる言葉の世界に、どっぷりと浸かりたいと思いました。あ〜、たきがはは瀬田貞二さんだけの訳が好きなんで、今時出回ってる版には興味がねぇっす。

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