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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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エル・フィリブステリスモ

ホセ=リサール著。岩崎玄訳。井村文化事業社発行。フィリピン双書3。

ノリ・メ・タンヘレ」の続編です。

前作はシーサやエリアスを書くことにより、階層的な広がりを見せていましたが、今作は話の中心は学生たちとアメリカ帰りの富裕な宝石商シモウンに移り、そのうちの1人は哀れな母シーサの息子バシリョでしたけど、世界はずいぶんと狭くなってしまいました。

ただ、その分、著者が己を託したとも思えるイバルラが意外な姿で再登場し、それでも革命家にはならずテロリストに留まって、その意図するところも失敗に終わってしまうのはもともと裕福な家に生まれて、生涯、実際の運動をすることなく、理論家として処刑されたリサールらしい終わり方ではないか、というのが訳者の感想でした。

巻末にリサールの書いた論文「フィリピンの今から百年間」と「フィリピン人の怠惰について」がついていますが、ちょっと大英帝国(当時は)を美化しすぎてて(隣の芝生は青い論理か)、フィリピンより文明の進んでいない(と思われていた)アフリカを貶めたような見方をしているのがリサールの限界かとも思いました。

あとカバーの裏に登場人物の紹介があるんですけど、いきなりのネタバレはやめようよ…

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第32軍司令部壕跡ほかを見に行ってきた

行き方:1、7、8、14、17、346番線で当蔵(とうのくら)下車。当蔵交差点まで戻って県立芸術大学の方に入る

大綱挽き祭りの翌日、いつもなら家でぐたっと過ごすところですが、せっかくの三連休なので、ちょっと足を伸ばしました。といっても那覇市内に留まってますが。

第32軍司令部壕跡です。首里城の地下に築いた、米軍の艦砲射撃でも崩れなかった堅固な要塞でしたが、安里高地(シュガーローフ)などで敗退を重ね、戦力を失った日本軍にはそれ以上、持ち堪える力はなく、そこで降参すればいいものを、なにしろ「生きて虜囚の辱めを受けず」なお国なもんですから、糸満方面まで撤退し、そちらに避難していた一般住民を巻き込んで凄惨な負け戦を繰り広げます。

ただ、先日、見学した沖縄陸軍病院南風原壕群20号と違って、撤退する時に日本軍が爆破していったので第32軍司令部壕の全貌は完全にはわかっていないそうです。また、わしが見学した、唯一残った入り口も本来の入り口ではなかったようです。近くの小学校にも入り口があるようですが、小学校が休みのためにできず、開いている時でも見学できるかどうか不明です。

その前に、まず見つけた沖縄師範学校附属小学校と師範学校の石碑。



第32軍司令部壕が上のような事情で尻切れトンボだったんで、一緒に見学した一中健児の塔とも縁の深い沖縄師範学校の跡地です。現在は県立芸術大学になってます。向かいにあった県立博物館はおもろまちに移動してますが、いくつかの地図だとまだ残ってます。
そういや先日、読んだ「沖縄健児隊の最後」で鉄血勤皇隊に組み込まれた師範学校男子部の生徒たちが学校の傍に防空壕を掘ったとありましたが、女子はどこ行ったんだと思ったけど、ひめゆりなどで病院壕に行かされたんでしたね…。

師範鉄血勤皇隊の説明パネル。



第32軍司令部壕の説明パネル。



航空写真があり、見つかっている入り口などを表示しているものの、東西南北も書いてないもんですからわかりづらいことこの上なく、わしは見つけられませんでした。積極的に案内もしてないし、後の写真でわかるように中にはいることもできないし、ほかに説明のパネルもないんで力の入れ具合の低さがわかりやすいですネ。

パネルの辺りから見るとこう。



上の写真で見えてた鉄格子は近づくとこんな感じ。



完全に崩落して、これ以上、入れません。発掘調査が待たれます。

上の鉄格子の左に見える壕の内部(ちょっとだけ)。



結局、これ以上の情報は周辺をうろつきましたがわからず、当日は天気も良かったので、わしはさっさと一中健児の塔へ向かうことにしました。

一中健児の塔は、玉陵(たまうどぅん)の近くにあります。首里城を背に玉陵に向かい、その先の横道を下っていくと、次に太い道路に出る前に一中健児の塔の案内が立ってます。
同じ敷地内には近所の首里高校(玉陵の向かい)の弓道部の練習場と、養秀会館があり、塔はその奥、坂の上です。

その手前にある一中健児の塔の説明パネル。



一中健児の塔。



左隣に亡くなった生徒さんたちの氏名が学年ごとに綴られた石碑がありますが、なにしろ成人前の若者ばかりですので痛ましいの一言に尽きます。鉄血勤皇隊が米軍の捕虜になった時に撮られた写真を見ても初々しい少年ばかりです。そんな若者たちを戦争に駆り出した上、敗戦が色濃くなった時に無責任に戦場に放り出した日本軍の罪状は永遠に消えることはありません。

塔の近くにあった説明パネル。



あの日の空も、こんな風に青々と輝いていたのでしょうか?

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キーボードを買い換えた

のですが、量販店に行ったらWindows用のはやたらに安いくせ(3桁)にMac用のは2000円をくだりません。たきがは、キーボードは常々、消耗品だと自認しておりますので、あんまり金をかける気はありませんし、だいたいお高い純正キーボードはテンキーがないので我慢がなりません。それにせっかく規格が共通のUSBになったのにMac用を買う意味も見出せません。

よって困った時のGoogle先生、ネットでWindows用のキーボードをMacで使う方法を検索したのでした。

そうしたら、やっぱり同じようなことを考える人はいるもので、参考になるサイトがいくつか見つかり、Windows用のキーボードをMacで使うのに問題はないようなので別の量販店に行って、いちばん安いキーボードを購入してきました。長年の憧れというか、必需品テンキー付きです。

さて、うちに帰り、キーボードを早速繋いでみますと、予想以上にスムーズにWindows用のキーボードは繋がりました。ぶっちゃけ、1回、再起動した時にキーボードを認識しなくなりましたが、繋ぎなおして、システム環境設定で設定してやったら、あっさりキーボードとして認識してくれました。

しかも再起動前はキートップどおりに入力できなかった=(イコール)とか@(アットマーク)とか、(なんかもあっさり入力できるようになってました。

技術の進歩だかシステムの進歩は凄いなぁと思いましたが、Siriを使ったり、AIを使う気はさらさらないのでした。

大したネタにもなってませんが、もしかしたら、今後、同じようなことを考える人がいたら、ご参考までに。

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那覇の大綱挽祭り

基本的に祭りにはあんまり関心がない方なんですが(花より団子だから)、見たことがなかったんで行ってきました。

開始は11時半から。てんぶす前で東西合わせて14本の旗頭のお披露目です。

その後、58号線の久茂地交差点まで移動し、そこで綱挽の本番だったんですが、おなかの調子が悪くてリタイアしたので、開会式の来賓挨拶途中で抜け出しました。いや、ほんと、まじで辛かった…

なので結果は知りませんが、旗頭が14本並ぶと壮観だったので、それだけ撮りました。あと、世界一の大綱(米藁製)も撮りました。

「立ってるのが男綱で、寝ているのが女綱」と言われましたが、よくわからないで撮ったところ。



後で聞いたら、先端の丸くなってるところが男綱は立ててあり、女綱は寝かせてあり、これは女綱でした。東が男綱で、西が女綱らしいんですが、だんだん混んできたので男綱の方には行きませんでした。地域的には男綱になるみたいなんですが。

先端のアップ。



まだ交通規制が始まってないので信号を渡る際に急いで撮りました。

遠くから見るとこんな感じ。まだ規制が始まってませんが、だんだん車の量は減ってきてます。



そのうちに国際通りでお披露目をした旗頭が揃ってきます。

先に東の方が並んでいたので撮りました。



西の方は一本ずつ登場。



これで全部かと思いきや、まだ2本足りず。





と揃ったところで本部席も設置され、祭りが開始のはずだったんですが、激烈な腹痛に見舞われ、ここでリタイア。肝心要の綱挽き現場を見られずに終わりました… けっこう暑かったのに何があったのだ… 何かに当たったのか…

ただ、前述のように祭り好きじゃないし雰囲気は堪能したので来年はもう行かなくてもいいかなぁ…

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ノリ・メ・タンヘレ

ホセ=リサール著。岩崎玄訳。井村文化事業者発行、フィリピン双書1。

偶然読んだホセ=リサールの伝記漫画で、フィリピン独立の英雄だと知り、興味を覚えて図書館を検索したら置いてあったので早速読んでみました。

植民地時代のフィリピン。スペイン留学から帰ってきた理想に燃える青年、地主の息子クリソストモ=イバルラに託して描いたフィリピン独立前夜の物語。

教会を信じ、敬虔な信者だったイバルラは、やがて父がその教会によって貶められ、遺体さえも湖に投げ捨てられたと知っても、なお教会こそがフィリピンを導くのだと信じて己の理想を貫こうとしますが、飽くまでもイバルラ父子と対立する教会は、イバルラをフィリブステロ(フィリピンにおいてスペインからの独立を果たそうとする者を指しますが、超反動的な教会によって諸悪の根源と見なされ、神にも逆らう極悪人と信者には吹き込まれていたそうです)として裁こうとするのです。

リサールがこの小説を著した時、教会はフィリピンにおける諸悪の根源でもありました。超反動的な考え方により、スペインからの独立を良しとせず、多くの土地を有して貸し付け、リサールの父も年々上がる賃料に苦しめられます。また精神的に人びとを支配することで世論を誘導することも可能でした。
なので、理想に破れて全てを失っていくイバルラは、フィリピンで銃殺刑に処せられたリサール自身にも重なって見えます。

けれども、この小説が優れていると思うのは、イバルラは主人公であり、作中でも最大の苦難を味わわされますが、しょせんは地主、金持ちなんですよね。それ以上に苦しむ庶民の姿を、2人の息子を持つ母でありながら、謂われのない教会の責め苦により、狂人となってしまったシーサや、元は中流階級の出身でありながら、イバルラの祖父によって貶められたエリアスなども描くことによって、話が大きく膨らんでいくところです。
なので中盤、イバルラをそれと知らずに助けたエリアスが、貧しい人びとの願いを託そうとして断られたシーンなんか読んでると、イバルラの世間知らずっぷりとかお坊ちゃんぶりにイラッとしたりなんかもするのでした。
父祖の仇の子孫であるイバルラを、たった一度、命を助けられたという理由で恨みを捨て去り、命がけで守ろうとしたエリアスは間違いなく、この話のなかではいちばん格好良かったです。

その一方で、教会と同じように権力を持ち、人びとを苦しめていた自衛隊(正規の軍隊ではない)や、イバルラの周辺の人びとなんかも描くことで、その醜さをあぶり出しているところなんか、当時のフィリピンでは危険な書物だったんだろうなぁと思わなくもなく。
それ以上に、多才な登場人物や、フィリピンの習慣とか文化の描写もおもしろかったです。

リサール自身は処刑されてしまったため、フィリピンの独立を見ることはありませんでしたが、その死は人びとを奮い立たせ、革命へと導きます。
たった2ヶ月ばかりの縁でしたけど、無関係とは思えないフィリピンという国の一面をこうして読むことはとても興味深いものでした。

引き続き、リサールの「エル・フィリブステリスモ」も置いてあるそうなんで読むつもりです。

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