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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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蝶の舌(再見)

こちらも何度も見てるスペイン映画の傑作です。

叙情的に描かれる前半、急転直下に向かう後半というメリハリもさながら、少年らしい無邪気さと利発さを備えたモンチョとその恩師グレゴリオ先生とのやりとりが素晴らしい。特に初見から言ってますけどモンチョくんの先生に寄せる全幅の信頼と、砂のように知識をどんどん吸収する利発さが最高に可愛いです。その全てが込められたラストシーンが良いですね〜

しかし、同じ時代、日本はすでに軍国主義に突入しており、この年か翌年にはかの南京大虐殺を引き起こします。つまり、中国と目下、戦争中なわけです。その日本が虐げられたスペインの共和派の人びとと同じはずはなく、むしろ虐げたファシスト、フランコの側だったわけで、1945年の敗戦まで南アメリカを除く世界中を戦争に巻き込んでいくのです。

モンチョたちはこの後、フランコの独裁下で不自由な生活を送ったのかもしれませんし、もしかしたらモンチョの父ラモンが共和派だったことを知っていた人の密告によって母ローサの努力も無になってしまったかもしれません。少なくともモンチョは、結婚したいと思っていた親友ロケの妹アウローラとは結婚できなかったんじゃないかと思います。

是非、一度は見てほしい傑作です。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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22年目の記憶

監督:イ=ヘジュン
出演:キム=ソングン(ソル=ギョング)、キム=テシク(パク=ヘイル/パク=ミンス)、ソン=ヨジョン(リュ=ヘヨン)、オ長官(ユン=ジェムン)、ホ教授(イ=ビョンジュン)、イ=チョルジュ(イ=ギュヒョン)、ペク社長(ペ=ソンウ)、ソングンの老母(ソン=ヨンスン)、ほか
見たところ:桜坂劇場
韓国、2014年

カメレオン俳優ソル=ギョングが今度は金日成、になりすました売れない役者に扮した話ですが、どちらかというと主役は息子のテシクの方に思えました。国家に人生をメチャクチャにされた親子の、再生の物語でした。

1972年、南北共同声明が発表され、韓国の中央情報部は南北首脳会談に備えて、朝鮮民主主義人民共和国の最高指導者、金日成の代役オーディションを秘密裏に行い、売れない役者のキム=ソングンが抜擢される。ホ教授の演技指導と思想犯として長期囚となっているソウル大学の学生イ=チョルジュの主体(チュチェ)思想の協力とともに厳しい訓練に耐えるソングンだったが、この代役が日の目を見ぬうちにチームは解散となってしまう。それから22年後、大人になったソングンの息子テシクは、借金を返すために父が買った土地を売ろうと、今は療養院で暮らす父と同居するが、金日成になりきった父はいまだにその呪縛から逃れられていないのだった…。

前半が1972年の売れない役者キム=ソングンが、いかに金日成になりきっていくかをじっくりと描きます。そこにちょくちょく挟まれるのが在りし日の一家の暮らしぶりなんですが、ここが良かったですね。情感籠もってて。ソングンとテシクとソングンの老母との暮らしなんですけど、ソングンの妻、つまりテシクの母は病死したことがソングンから語られ、そのせいもあってかソングンとテシクが仲のいい親子なんですよ。子ども一人だし。で、売れない役者の父のことを馬鹿にされるらしく、たびたび喧嘩するテシクのお父さん大好きっぷりが全身で伝わってきまして、子役さんが上手いと思わせないくらいに自然な親子でした。

ところがこれが後半になると、テシクはマルチ商法をやって金を儲けており、祖母もとうになく、だいぶ荒んだ暮らしをしているのがうかがえます。そこにテシクと「5回寝た」というヨジョンがテシクにつきまとってまして、さらにテシクは借金で首が回りません。ところが、かつて父が買った土地が再開発されるので高値で売れると踏んで、療養院(字幕では「老人ホーム」と言ってましたが、どっちかという精神病院くさい気も…)に入れた父と、その家で暮らすことになるのです。ただ、土地はいまだに父の名義らしく、代わりに売るには実印が必要なので、テシクとしては父と暮らすのは不本意なのですが、借金元であるペク社長のよこした見張りと、家政婦代わりにヨジョンを雇い、不本意な生活を始めるわけです。

ただ、あばずれでテシクのストーカーかと思ってたヨジョンは、テシクたちと暮らすようになってから、スーパーで騒いでいた父を探したテシクに代わって、ソングンの苦情に辟易していたスーパーの店長に喰ってかかった辺りから株を上げ始めまして、「水曜日は必ず休む」と言った理由が、テシクには「たまに休みたい」と言ってたのに、実は産婦人科通ってて、明らかに父親はテシクで、でも妊娠していることはテシクには言わず、という母親ならではの強さが見え始めるともう断然、魅力的になりました。うーん、わしも単純… だけど、こういう女の子の強さ、ほんと好き。しかもヨジョン、「父親の顔も知らない」とか言ってて不幸な生い立ちが見えるし。
なので、例によって落としどころはどこかなぁと思い出し始めた頃にはヨジョンが株を上げていたので、ああ、この映画の主役は一件、金日成になりきっちゃったソングンと思わせておいて、実はテシクで、テシク(とヨジョン)の再生の物語だったんだなぁと思いまして、エンディング、ヨジョンと再会したテシクが、絶対にヨジョンと結婚して、家庭を作るだろうなぁと思わせるシーンで終わったところは良かったです。

またテシクから借金を取り立てるペク社長が終盤、意外な人情派で常識人だったところも良かったですね。父の命令でテシクが飼うことになったヤギをちゃんと飼育しているあたり、けっこういい人だったよ、社長。テシクにも「二度と(金など借りに)来るな」とか言ってるし、テシクの依頼でヨジョン探してくれちゃったみたいだし。

最後、ソングンは22年目の正直ならぬ南北首脳会談の開催を受け、ついに大統領の前に金日成となって立ちます。しかし、オ長官が「私の傑作だ」と絶賛してたのに金日成になりきりすぎてしまったソングンとのリハーサルは大統領の期待外れに終わりますが、会談の場に取り残されたソングンの口から漏れてきたのは22年前、代役として舞台にあがったのに台詞を忘れて俳優としての道が閉ざされんとした時の「リア王(衣装がけったいなので「リア王」の名を借りたコメディかと思ってたら、「リア王」だったらしい)」の台詞でした。
どうやら、ソングンのなかでは息子と老母の前で見せるはずだった一世一代の演技が大失敗に終わったことがそうとう堪えていたようで、それもあって、ますます金日成の演技にのめり込んでしまったのかなぁと思いました。それだけにラスト、父があげたメンコを大事に隠していたのを見つけたテシクが今は取り壊されるのを待つだけとなった家で嘆くシーンが胸を打ちました。そして、これは国家権力に振り回され、メチャクチャにされた家族が再生するまでの物語なんだと思いました。

テシクとヨジョンが幸せになればいいと思います。いや、絶対に幸せになると思います。テシクが道を誤っても、きっとヨジョンがいれば大丈夫。そう思わせるラストでしたし、ヨジョンにはそう思わせるだけのしなやかな強さがありました。

ホ教授、チームが解散して22年後はどこかの警備員(釜山なので大学かも)になってて、こちらも国家に振り回されて人生、メチャクチャにされたのが、自主的に参加してたとはいえ気の毒でした。しかしソングンたちが来て、ラーメン奢ろうとしてくれたのに、ソングンはラーメン食べずに帰っちゃって、あのラーメン、どうなったんだろう…
イ=チョルジュくんだけその後が描かれず、どうもばりばりの北シンパのようで当局から目をつけられて長期にわたって収監されてるとか、アカへの虐待が酷かったんですが、彼は無事に釈放されたんでしょうか…
あとソングンのお母さんが22年後にはいなくて、間違いなく亡くなってるんでしょうけど、テシクが墓参りとかする様子も見せなかったし、特に回想シーンもなかったんで、そこはちょっとでも言及してほしかったです。

テシク役のパク=ヘイルさん、「グエルム〜漢江の怪物」にソン=ガンホの弟役で出てたんだけど、そろそろ忘れてきたなぁ…
オ長官役のユン=ジェムンさん主演の「パパとムスメの7日間」、正月にいっぱいDVD借りた時に予告篇を見て、すごくおもしろそうだったので、見たい。

ソル=ギョング氏は相変わらずの怪演でなりきりぶりが凄かったです。しかも最近、韓国映画のデータベースとして重宝している輝国山人(てるくにさんじん)さんでのプロフィール欄の体重のところに「体重は役により変えるため不定」とかあってふいた。今回も金日成になりきるために98キロまで増やしての熱演ですよ。

原題が「私の独裁者」で、邦題よりもいいかも…

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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マヨネーズ失敗

そろそろマヨネーズの高カロリーな生活も忘れたのと、油を買い換えた(今度は癖のないごま油)ので、卵を買ってきて、ブレンダーをセットしました。

前回は、ブレンダーを廻しただけでオリーブオイルと卵をみるみるうちにマヨネーズに化けまして、わしをえらく感動させてものですが、今回はそうはいきませんでした。

分量どおりに材料を入れたのに、いつまで経っても固まりません。マヨネーズの滑らかさが出ません。

なじぇ… (´・ω・`)

前回と違ったところ。

・レシピ。ブレンダーについてきたレシピブックのを使ったので、まさかうまくいかないとは思いませんが、レシピどおりにしてないのがサラダ油ではなくてごま油の一点だけです。サラダ油やオリーブオイルでは固まるけど、ごま油じゃマヨネーズはできないのでしょうか?

前回のレシピを見たところ、ブレンダーなど使わず、泡立て器で混ぜる方式なので、オイルは「少しずつ混ぜましょう」と書いてあります。むぅ… 原因はこれか… しかし、前回のみるみるうちにマヨネーズは逆になぜうまくいったのか… やはり洋物のマヨネーズは洋物の油との相性がいいのか…

味は薄めのドレッシングなんですが、なにしろ200ml以上ありますし、生卵なのであんまり保存が利きそうにありません。山盛りポテトサラダでも食うべきか… 野菜不足だし…

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GR計画とは

ふと思いついたんでメモしときますけど、まさかOVAで孔明の言ってたGR計画って、「今のジャイアントロボ(GR)は草間大作のものになっちゃったから、みんなでGRを使えるようにしよう計画」じゃあるまいか…

って、「バベルの籠城編」で花栄と黄信が言ってたか…

でも、それなら孔明が「GR計画のその始まりなのですぞ」で背景が明らかにジャイアントロボだった理由になると思うんですが、もう来ないかな…

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聖なる嘘つき(何度でも)

今まで再生しかできなかったDVDがドライブを変えたらメニューまで見られてひゃっはーで喜んで見直しました。

もう冒頭からジェイコブに感情移入して見てるのでラストの大どんでん返しは涙涙ですし、途中の嘘をついたり重ねたり、リーナの心配をしたり、キルシュバウム先生に頼ったり、とそのたんびにはらはらしたり、笑ったり、心配したりしてました。

なにしろ、わしの好きな映画ではヒーローがいないというのが異色じゃないかと思うんですけど、それでもニュースを求めてドイツ兵専用のトイレに籠もったジェイコブの窮地を助けるために馬鹿っぽい歌を唄いだしたコワルスキーや、リーナのことをジェイコブに頼まれて恋人のローザともども走るミーシャ、「皆殺し」とあだ名される冷徹な指揮官ハートローフの心臓病を癒すのを断って毒をあおるキルシュバウム先生、10歳ながら勇気と知恵を持ったリーナの4人は、ジェイコブともども、やっぱりヒーローだと思いました。もう、その勇気が愛おしい。

かといってジェイコブに「ラジオがない」と真実を言われて自殺しちゃったサミュエルや、わりと自分勝手なフランクフルターが魅力がないかと言われれば、これまた人間くささ全開なところが好きだったりして、何一つ希望のない時代に、それでも明日に命を繋ごうとして、ジェイコブの嘘に耳傾け、精一杯生きていこうとする登場人物たちが大好きで、その頂点に主人公であるジェイコブがいるんだなぁと思います。
実際のところ、そんなゲットーはなかったかもしれないし、そんなに都合良く助けられたユダヤ人もいなかったかもしれない。でも、全てをドイツ人に奪われて、たった1つ残ったユーモアだけは失わせまいとする、この映画全編を貫く精神はどんな時もわしの支えになって、信条になってくれているように思います。

そして自ら命を絶ってしまったロビンさん自身にも、ラスト、殺されてしまったジェイコブが重なっていくのです。
ありがとう、ロビンさん。あなたのことは忘れない。

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