丹青の告白も今の一心には重荷に過ぎません。まぁ、結局、学生時代に一心をふったことで彼女の人生も狂ったわけだし、それを今更「あなたとやり直したかった」と言われてもなぁという感じでしょうか。まぁ、丹青も、一心が今の妻とらぶらぶなことはわかっているので略奪愛にまで踏み込みませんで、あっさりと引き下がりますが。
さて、上海の製鉄所に戻った一心はばりばりと働きます。
そして、9月15日に初出銑が決まったというのに、原料の石炭が入手できないというトラブル。一心の担当する部署だそうです。
で、石炭なら、鉄鉱石をオーストラリアから輸入するのでオーストラリアから一緒に輸入すればいいと当たってみたら、期間が短すぎて船の手配ができず、一心はやむなく東洋製鉄に協力を依頼します。最初は担当の盛田くんが渋い顔をしていましたが、一心の熱意ある訴えに協力を約束、その様子を影で聞いていたのは松本さんでした。
盛田くんは松本さんと一心が親子関係だと知らないのでわりと淡々と話しちゃいますが、松本さん、一心が帰ってきたことを知って感無量です。
で、まだトラブルとかあって、これも一心のアイデアで解決というのはできすぎてると思いますが、まぁ、華を持たせてやって、オリンピックばりに聖火ランナーまでしちゃって国家プロジェクトなもんで盛り上げます。
そして、いよいよ来賓を迎えての出銑が無事に成功し、一心はここでようやく松本さんと抱き合って喜ぶのでした。
その後、松本さんと一心は2人で長江下りの旅行に出かけます。
一心のうちにはお父さんが来ていて、お留守番の月梅さんと一心がこれからどうするのか話していますが、誰が見ても、一心がほんとに日本に帰っちゃったら、いちばんショックを受けるのはお父さんだと思う。
一心の娘、燕々は、来年、中学生だそうで、鼓笛隊の一員です。おじいちゃんと練習に行きます。
一心にふられた丹青は、職場の同僚と結婚することにし、アメリカへ。
しかし、美人な丹青ですが、とうとう空港で6歳の娘に「おばちゃん」と言われて、心中では穏やかではなかろうなぁと思ったり。
そして、一心と松本さんの旅行で、ついに松本さんは一心に「日本に帰ってきてくれ」と頼みますが、一心は「日本の父も中国の父も自分にとっては2人の父だ」と答えて保留。さらに一心も自分が日本に帰ったら、お父さんが寝込んでしまうだろうと心配しています。でも、昼間は松本さんとおそろいのセーターを着て、「親子で来ていいですな」とか言われてまんざらでもありません。
その後、名勝を通りかかった一心は、自分がこの中国の大地に育てられたという明白な自覚を持って、松本さんに「自分はこの大地の子です」と言うのでした。
ちなみに原作はここでおしまいで、なんか後味もなくて(ドラマのが先だし)、拍子抜けした覚えがありますが、ドラマではその後の一心も描きます。
一心は、約束どおり、内蒙古の製鉄所に、自分から希望して戻りました。月梅さんも「来年には行きます」と言って、たぶん、燕々が小学校を卒業するまでなんでしょう。しかし、父の「お母さんは優秀だからすぐに仕事先は見つかる」という台詞に「のろけないで」と返す燕々、たくましくなったなぁ。まぁ、父親が左遷されたり戻ってきたりだし、もしかしたら混血ということで虐められたりしてたのかもしれません。お母さんもしょっちゅういないしね。相変わらず巡回医療行ってるし。
そして、フフホトで汽車を降りた一心を迎えたのは、製鉄所の仲間たちでした。彼らとともに製鉄所に向かった一心は、さらに職場の人たちに迎えられ、明るい未来を予感させつつ、ドラマはここで終わります。
たきがははなんちゅうても中国のお父さんがいちばん好きなんで、後半になるとだんだん出番が少なくなるのは寂しい限りです。
あと、第10部、第11部あたりは展開が急すぎて、一心が内蒙古に飛ばされても、同じ回のうちに冤罪だってわかっちゃうのはちょっともったいないなぁと思います。労改がけっこう長かったしね。
さらに、幼なじみの力本も、序盤しか出番がないのはちょっと残念。
キャストのトップに松本耕次が来るのはタイトルからいったら違和感ばりばりで、松本さんの部分をもうちょっと削って、一心の方をじっくり描いてほしかったなぁと思わなくもありませんが、おおむね好きなドラマであります。
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