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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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いつか家族に

監督・主演:ハ=ジョンウ
原作:余華「血を売る男」
出演:ホ=サムグァン(ハ=ジウォン)、オンナン(ハ=ジウォン)、ホ=イルラク(ナム=ダルム)、ホ=イラク(ノ=ガンミン)、ホ=サムラク(チョン=ヒョンソク)、ハ=ソヨン(ミン=ムジェ)、その妻(チョン=ヘジン)、チェ医師(チャン=グァン)、アン(チョ=ジウン)、ブンバン(ユン=ウネ)、ほか
見たところ:桜坂劇場
韓国、2014年

原作は世界中で読まれるベストセラー小説なんだそうですが、父親がお馬鹿すぎて、愛すべき馬鹿にもなってないんですけど…

1953年、朝鮮戦争の休戦直後、建築現場と叔父の手伝いで生計を立てるホ=サムグァンが、貧しいポップコーン売りの娘オンナンに一目惚れした。血を売ってオンナンにプロポーズしたが失敗したサムグァンは、オンナンの亡き兄の親友と偽ってオンナンの父親を懐柔し、見事ゴールにこぎ着ける。それから11年後、貧しいながらも3人の子どもに恵まれたサムグァンとオンナンだったが、長男のイルラクがオンナンが結婚前につきあっていて、今は別の女性と結婚したハ=ソヨンに似ているという噂が流れて、サムグァンは身の証を立てようとするが…。

原題は「ホ=サムグァン」で、これがずばり主役、つまり一家の父親の名前です。その父親が結婚11年目に直面した息子が他人の子ではという疑惑を解いて真の家族になるまでを描いた話なんですが、やっぱりサムグァン馬鹿だろ。というか「そして父になる」って駄作もあったけど父親が主役だと家庭って廻っていかないですよね。何ででしょうね。

だいたいオンナンとイルラクに何の罪があるというんでしょ。真相が判明したら、まぁ、家族に八つ当たり(次男と三男にはさすがに優しいですが)、そのくせ、終盤でハ=ソヨンが病気に倒れ、思いあまって道士(「哭声(コクソン)」の呪術師みたいなもの)に相談して魂を呼び返すために息子が必要だっていうんで、ソヨンの嫁に頼まれ、イルラクを渡したものの、呪術の現場をこっそりのぞいたらイルラクに気づかれちゃって、泣いて「父さん父さん」とすがるもんで、情にほだされて連れ帰っちゃって、しかもイルラクが今度は病気だっていうんで顔色が悪くなるくらい血を売って売りまくって、結局、八つ当たりしてるけど、サムグァンってオンナンとイルラクが大好きなんですよね。だったら腹くくれよ男だろう!!! とどつきたくもなるというものです。というのも、オンナンがソヨンと関係を持ったことを伏せてサムグァンに嫁いだのも、ソヨンにレイプされたからでして(同意がない性行為は恋人同士でもレイプです)、しかもそうして生まれたイルラクにはかけらも罪はないんですよ。それなのに、まぁ、この馬鹿はぐちぐちとうるせぇうるせぇ。なまじ、明るいシーンの音楽が脳天気なだけに、サムグァンの後先考えないお馬鹿さ加減は、いい方向に向くと良き父親であり、良き夫であるんでしょうが、悪い方に向くとほんとにどうしようもない駄目駄目加減です。そこら辺が見てて、だいぶイラッとしました。ほら、たきがはは基本的に女性に味方するんで。あと、イルラクくんがほんとに可愛くていい子だったんで、もうダブルでイラッとしました。誰かサムグァンを諫めろと思いましたが、逆に周囲はイルラクがソヨンに似てると言って、煽り立てるだけで、それに乗っかってるサムグァンはやっぱりお馬鹿キャラにしか見えませんでした。

だいたい、いくら似てると言いましても実写ですから無理があります。ちょび髭生やして、ちょっと小悪党な感じさえするソヨンに比べて、11歳のイルラクはお父さん思いでお母さん思いで弟思い(ちょっとやり過ぎた感もありますが)なほんとにいい子なんですよ。それを似てる似てるって、漫画じゃあるまいし、そこまでわかるかよ馬鹿野郎 ヾ(。`Д´。)ノ彡☆ いっそ、開き直ってCGでも使えば説得力もあったでしょうけど、似てるなんて力説するほど似てません。赤の他人です。それを町中で煽り立てて、それに乗って八つ当たりしてるとか、サムグァン馬鹿です。じっと耐えているイルラクとオンナンが可哀想です。

そういうわけで音楽がうるさかったです。明るいシーンでは脳天気ですが、それはラストで同じような曲を流しちゃいけないと思います。つまり、サムグァンが何も学んでないということでいいんでしょうか? 嫁と息子たちが大好きだけど、町の人の噂で簡単に揺らぐような馬鹿のままでいいんでしょうか? そうじゃないでしょう。それを乗り越えたからラスト、みんなで肉まんと鮒の煮付けを食べたんじゃないんですか。じゃあ、曲調も変えましょうよ。

あと、ソヨンが脳炎(たぶん)で倒れたというエピソードと、地元の病院で手がつけられず、祈祷師を呼んでイルラクが脅えるというシーンはちょっとくどかったと思いました。というか、ソヨンが最後、どうなったのか、ちょっとでも描いてくれないと蛇足だろ、これ。まぁ、ここでイルラクが脅えているのを見て、サムグァンが連れ帰るという展開になるんですけど、その前のさんざんイルラクを虐めているサムグァンに言われたくないよ!とかだいぶ思いました。

あと邦題がべたべたなのはセンスが悪すぎると思います。お涙頂戴路線狙い過ぎです。

それと友情出演だったんでしょうがないんでしょうけど、ブンバンとアンのエピソードは逆に鬱陶しかったりしました。この時にはすでにサムグァンがイルラクとオンナンを虐めているんで、過去の女(というほどのつき合いさえない)を見て後悔するサムグァンとか、逆に嫌らしかったです。

まぁ、韓国はその前の朝鮮からもなんですが、何しろ血統が大事なお国柄ですんで、養子というのもなかなかないわけですし、ましてや妻が浮気ではなくて寝取られたのが許せないという事情もわからなくもないんですけど、「アドルフに告ぐ」で主役の一人アドルフ=カミルが、やっぱり婚約者のエリザをかつての親友アドルフ=カウフマンにレイプされて、「そんなことになった娘と結婚できん」と宗教を理由に言うのを見て(結局、結婚はしたんですが)、阿呆とちゃうかと思ったシーンを思い出しまして、まぁ、慣習というのはなかなか余所者には理解しづらいところもあるんでしょうけど、イルラクが自分の息子じゃ限りなくないらしいことを知って(血液検査でサムグァンはO型、オンナンはA型、ソヨンがB型でイルラクがAB型だったため。理論上、Oの親からABは生まれないとされているがそうでもないらしいですよ?)一日(朝ぐらいから夜まで)泣き明かしたのなら、腹くくってそれでもイルラクは俺の息子だ!言うぐらいの気概を見せてほしかったですねん。だったら泣くなよと。悔し泣きするぐらい可愛い息子と嫁なんだろうにと。そういう愛すべきお馬鹿キャラなら、逆に限界まで血を売って、息子を助けようとするシーンも泣けたろうにと思いました。まぁ、原作読んでないんで、そこら辺の筋はわかりませんけど。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

チョン=マンシクさんがサムグァンの同僚で出演されてたんですけど、やっぱりサムグァンを煽るしかしなくて、ほんとに友情に恵まれてねぇなと思いました。

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インファナル・アフェア

監督:アンドリュー=ラウ、アラン=マック
出演:ラウ(アンディ=ラウ)、ヤン(トニー=レオン)、ウォン警視(アンソニー=ウォン)、サム(エリック=ツァン)、リー医師(ケリー=チャン)、マリー(サミー=チェン)、若き日のラウ(エディソン=チャン)、若き日のヤン(ショーン=ユー)、ほか
香港、2002年

日本やハリウッドでもリメイクされた香港ノワールの傑作。原題が「無間道」といって、仏教の無間地獄からとられているとおり、警察とマフィアからそれぞれ潜入したラウとヤン2人の苦悩と結末を描いています。

麻薬の密売組織に入ったラウは、ボスのサムに命じられ、警察学校へ、警察学校に所属していたヤンはその優秀さを見込まれて退学になり、マフィアへと、それぞれ潜入する。10年後、そうとは知らずに2つの組織は対立し、自らの役割を果たしたラウとヤンだったが、逮捕も取引も失敗したことで上層部がスパイの存在に気づく。ラウとヤンはスパイの捜索を命じられて動き出すが、先手を打たれたのは警察の方だった…。

そういや、「新しき世界」という韓国映画が、もろにヤンでしたし、「ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日 第29話」で豹子頭林冲の告白がもろにそれでした。わし、「第29話」のレビューで

以下引用
「しかし、林冲さんにとってはこれからが地獄。表面上は林冲ではなく、白昼の残月となったもんで、残月として振る舞わなければならず、BF団として味方を次々に倒すはめに(ここらへん、いくら疑われないためとはいえ、何ともならなかったのだろうか? そんなに孔明の監視が厳しかったのか、林冲さんが単に頭脳派でない脳筋…げふんげふん)なったと告白」
引用終わり

と書きましたけど、そんな余裕はなかったんですねぇぇぇ。ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!!!! 林冲さん、すまんかった…

そのわりには今作のラウもヤンも、ちょくちょく、それぞれのボスと携帯で連絡しあってますけど、あれは周りの目を盗んで必死なんだよ、きっと!!!

男たちの挽歌」を見た後だと意外とと思っちゃうくらい暴力描写は薄目でした。「新しき世界」なんか、かなり血で血を洗う抗争だったりしたもんですが、そこんところはスマートでした。

しかしラスト、ラウだけ生き残っちゃって、身分は隠しおおせたけど、嫁のマリーには知られちゃって、ここからがタイトルの「無間地獄」の始まりなんだなぁと思うと、そこんところがラウの心情を思って切なかったです。ヤンはむしろ、6ヶ月後に身分の証が立てられて、殉職した英雄として葬られたわけですから。そう思うと続編の「インファナル・アフェア2〜無間序曲」と「インファナル・アフェア3〜終極無間」が見たくなるというものです、これは。

そういや、「ウォーロード 男たちの誓い」でアルフを演じたのがアンディ=ラウだったんだけど、全然気づきませんでしたよ? あっちはワイルドだったからけ?
トニー=レオンは「英雄 HERO」の残剣でしたが、忘れているもんですなぁ…

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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秘曲 笑傲江湖 第3巻

金庸著。岡崎由美監修。小島瑞紀訳。徳間書店刊。全7巻。

サブタイトルは「魔教の美姫」でして、いよいよ、第一ヒロインの任盈盈(じんえいえい)が登場しますが、スペックが凄すぎるのに、どうして令狐冲にべた惚れなんだかよくわからない展開です。うーん、令狐冲も魅力的な人物ではあるんですが、なにしろ前巻で岳霊珊のことで悶々としてたもんで、どこがいいんだ、そんな小娘とか思ってたので、任盈盈が惚れる理由がわからん… 確かに秘曲・笑傲江湖の楽譜を渡しはしたけど、うーん、よほど男に免疫がないのか… しかし剣を取れば4人の高弟子と渡り合い、琴を弾きこなし、絶世の美女と来ております。しかも魔教の前当主の娘と人物紹介にも書いており、邪派の人間には絶対的な権力まで持っているのです。どんだけスペック高いんだよおら。

しかも最初のうちは任盈盈が令狐冲を助けるべく、邪派の連中を総動員して、あの手この手で令狐冲の健康を回復させようとしてますが、その事情が令狐冲には知らされないもので、ますます崋山派の総師・岳不羣の不興を買う羽目になり、登場人物紹介のページで岳不羣の妻で、令狐冲が師娘と慕う岳夫人が「夫に疎んじられる令狐冲を何かとかばう」と書いてあるけど、実際には全然、そんなことなくて、夫婦揃って、令狐冲を疑ってるようにしか読めず、とうとう、令狐冲は崋山派を破門されてしまうのでした。あらまぁ…

しかし、捨てる神あれば拾う神ありと言うとおり、少林派(嵩山派がてっきり少林寺かと思ってたら、別に少林派がありました)の高僧が令狐冲に込められた8つの気と、そのせいで負っている不健康を治すための秘伝を授けようとしてくれたのに、まだ岳霊珊にふられたというか、見捨てられたことを根に持っている令狐冲、二君に仕えずと言えば格好はいいですが、半分以上、意固地になって少林派に弟子入りし直すこともせずに自分の人生を見限ってしまいます。

ところが、さすがは主人公、こんなものじゃ死にません。崋山派から破門され、邪派の剣術を身につけたと師匠に疑われた令狐冲は、正派、さらに任盈盈の命で邪派からも命を狙われる身となりますが、同様に邪派に追われる凄腕の老人、向問天(こうもんてん)を義によって助太刀したことで彼と親しくなり、もともと崋山派などに収まる器ではなかったんでしょう。正派、邪派の不倶戴天の対立をも越えて、知己を得て、さらなる運命に立ち向かっていくのでした。

結局、正派・邪派と分かれている江湖を、令狐冲が最終的にはまとめるような感じで終わりそうです。そうしないと魔教の任盈盈とも結ばれなさそうだし。だいたい、正派・邪派といっても、結局は使う人間の問題なんで、前巻で曲非烟をぬっ殺したのは正派の人間だったし、秘曲・笑傲江湖を生み出したのは正派と邪派の人間だったし、登場人物がやることはえげつないのは、簡単に人を殺しちゃう「水滸伝」の世界だなぁと思いました。

それにしても東方不敗が名前しか出て来ませんが、その名に恥じずにすごく強いらしいので出番が楽しみですが、毎回、新しい人物がどって出て、半分くらいは殺されちゃったりするんで覚えるのが大変。

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男たちの挽歌2

監督:ジョン=ウー
出演:ホー(ティ=ロン)、ケン(チョウ=ユンファ)、キット(レスリー=チャン)、ロン(ディーン=セキ)、キン(ケネス=ツァン)、コー(シャン=クァン)、ジャッキー(エミリー=チュウ)、ペギー(レジーナ=ケント)、ウー部長(ラウ=シンミン)、ウォン(ン=マンタ)、ほか
香港、1987年

男たちの挽歌」の続編です。さすがに見たいのもなくなってきたんで勢いでこれを見ましたが、ラストの銃撃シーンは凄まじかったです。ただ、突っ込みどころも多く、考えるな感じろの世界で、そういう外連味は嫌いじゃありません。むしろ好き。私的にはホーの額が前作より広くなってたのが気になる…

シン殺しで刑務所に服役中のホーに、警察のウー部長が潜入捜査を依頼してくる。その容疑者は、かつてホーの兄貴分で、いまは堅気になったはずのロンだったからだ。だが、ロンの無実を信じるホーは断るが、よりを戻した弟のキットが潜入捜査に励んでおり、妻のジャッキーにも何も話していないと知り、引き受ける。しかし、ロンの造船会社を狙ったはずのウォンが何者かに殺され、その罪がロンになすりつけられたため、ホーはやむなくキンの手を借りてロンを知り合いがいるというニューヨークに高飛びさせる。だが、裏切り者はロンの片腕のコーだった。ロンの娘ペギーを殺してロンの会社を乗っ取ったコーは、偽札の取引を開始する一方、ニューヨークに逃げたロンに暗殺者を差し向ける。知り合いの教会に身を寄せていたところを周りの者を皆殺しにされたロンは心身症を患い、精神病院に収監されてしまうが、その扱いのひどさにロンを兄貴分とする、マークの双子の弟ケンによって救出され、暗殺者から逃れるうちにようやく健康を回復する。正気を取り戻したロンは復讐のため、ケンとともに香港に戻り、ホーと再会する。これにキットを加えてコーのアジトを襲うが、それはコーの仕掛けた罠で、キットが重傷を負ってしまう。おりしもジャッキーは女児を出産するが、その泣き声を聞くこともなくキットは命を落とす。ホー、ロン、ケンは、それぞれの思いを胸にキンの手を借りてホー宅を襲撃する。激しい銃撃戦の末、コー一味は壊滅した。ウー部長ら警察を、深傷を負いながら、3人は晴れ晴れとした表情で出迎えるのだった。

至近距離で撃ち合うという構図は、実はこの作品が始まりのようで、以後、ジョン=ウー監督の代名詞にもなっていったそうです。いやいや、それにしても倒れるのは敵ばかりで、こっちの3人はいくら傷を負っても生きているのは、もはや突っ込むよりもそういう美学なんだと理解した方がいいでしょう。ただ、それならキットが生きていても良かったんじゃないか… ロンが生きてるよりもさ… 子どもだって生まれたんだし、いちばん若いんだし…

前作では「報復なんてするな」とか言ってたキンさんは、今作では3人をばっちり手伝ってまして、とうとう銃までぶっ放します。いや〜、ちょい役なんでしょうけど、もうちょっとキャラクターの整合性を保ってくれよ。

そして、当シリーズを象徴するチョウ=ユンファは、前作では見事な死を遂げましたが、なんと双子の弟として復活、ファンのあいだでは物議を醸したとかしないとか… まぁ、実はおまえの親兄弟なんてのは香港映画に限らず、古今東西この手の話にはつきものですので、わしはそれほど驚きゃしませんでした。「スター・ウォーズ」のダース・ベイダーとか、「さよなら999」の黒騎士とか… 某ガンダムの仮面キャラとか…

ただ、ケンがロンを助けるのが唐突だったんで、ずいぶん無理クリに突っ込んだなぁとは思いました。まぁ、それを言ったらチョウ=ユンファを再登場させるためのケンなんで、設定そのものが無理と言えば無理なんですが、15歳でアメリカに渡って、それからずっとアメリカ暮らしなのに、ロンとどういう知り合いだったのだとは思いましたが、どうやら前作のマークとホーは幼なじみという関係に、後付けでしたっぽいです。

あと、銃の撃ち方が何かに似てるなぁと思ったら、わりと韓国映画の銃撃戦は、こんな感じなので、こちらが元祖なのでしょう。一発で終わらせず、念入りに二、三発撃ってとどめを指すところとか。

シリーズ物ではありますが、「3」が作られて、それでおしまいのようです。ただ、キャストを見ていたら、なぜか時間軸が「1」より前で、ホーの役が時任三郎になってました。若いから役者を変えたんでしょうかね? マークはチョウ=ユンファのままなのに。よほどマークの人気が高かったんでしょうなぁ。

ちなみにさも悪役っぽい登場をしたのに、とっとと殺されちゃったウォン役は、「少林サッカー」の監督役のン=マンタさんです。

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執行者

監督:チェ=ジノ
出演:オ=ジェギョン(ユン=ゲサン)、ペ=ジョンホ(チョ=ジェヒョン)、ウンジュ(チャ=スヨン)、キム刑務官(パク=イナン)、イ死刑囚(キム=ジェゴン)、チャン死刑囚(チョ=ヨンハ)、ほか
韓国、2009年

GYAO!づいておりますが、こんなに無料で映画公開して大丈夫なのかしらん…

12年ぶりに復活した死刑執行を、新人刑務官を通じて描いたドラマ。1時間半のなかに詰め込みすぎの感もありますが、なかなかの力作です。

新人刑務官のオ=ジェギョンは初日から一癖も二癖もある服役者のために苦労するが、先輩刑務官のペの指導を見よう見まねで覚えていく。気も正義感も強いガールフレンドのウンジュも公務員を目指しており、二人の仲はまずまずだった。だが、12人もの連続女性殺人犯チャン=ヨンドゥがジェギョンの働く刑務所に収監され、12年ぶりに死刑執行が再開されることになる。経験者は少なく、「エビ目」と老いた死刑囚イと親しくするキム刑務官しかいないが、死刑を執行される3人囚人のなかにイも含まれており、キム刑務官は頑なにこれを断ろうとする。囚人たちを獣と呼び、正義感をあらわにするペ刑務官は自ら執行役に名乗り出たが、ほかに立候補する者がいなかったため、ジェギョンのほかに2人の刑務官がくじで決まってしまう。埃と蜘蛛の巣で覆われた刑場を掃除し、死刑の手順を確かめる刑務官たち。そんな時、ウンジュが妊娠したとジェギョンに打ち明けたが、死刑執行に気もそぞろなジェギョンは「考える時間がほしい」と答えるのだった。3人の死刑囚にはチャンも含まれていたが、そうと知らないチャンは自殺未遂を犯し、死刑執行のために一日だけ命を長らえさせられる。イ死刑囚と親しくしていたキム刑務官は執行の日に無断欠勤をしようとしたが、その態度から死刑執行を察したイの頼みを聞き、自らの手で執行すべく刑場に現れるのだった。3人の死刑は執行され、ジェギョンたちには特別手当てが出されたが、ジェギョンはウンジュから中絶したことを知らされてしまい、ペ刑務官も精神を病んでしまう。定年間近だったキム刑務官は辞職し、それでも彼らの苦悩をよそに、今日も刑務所での変わらぬ日々が続けられていくのだった。

ちょっと気弱で頼りないジェギョンくんが狂言回しですが、主役はペ刑務官とキム刑務官な感じです。この2人のエピソードが大きく割かれてます。あと3人の死刑を執行したことになってますが、3人目は顔も執行シーンも出ず、それでも後のニュースで、その日、全国で10人もの死刑囚に刑が執行されたことをジェギョンくんは知るのでした。

ペ刑務官は40歳で、同期のジンソクを囚人に殺されたせいか、人一倍囚人たちに厳しく、5人の刑務官のなかでただ一人だけ自主的に執行に名乗り出ましたが、最後は精神を病んでしまいます。むしろ、名前もろくに出なかったと思いますけど残る2人の刑務官とジェギョンくんの3人は刑務所に残り、勤務を続けていますが、この後、どうするのかはわかりません。

キム刑務官は30年も刑務官を務めたベテランで、この刑務所で唯一、死刑執行の経験があった刑務官でしたが、12年も死刑が執行されず、「エビ目」というあだ名の老いた死刑囚(強盗殺人で3人も殺してて、もう20年も収監されてるそうです。ただ、現在はまるで好々爺で、とてもそんな大それた犯罪を犯したようには見えませんし、死刑の間際に映される犯行の様子は泣きじゃくっていて、よほどの事情があってこんな犯罪を犯してしまったのだと思わせる図になっています)とすっかり仲良くなってしまい、将棋を指したり、茹でた芋を差し入れてやったりする仲。うっかり「クリスマスに恩赦があるかも」とか言っちゃったのに、実際はクリスマスに死刑することになって、でもそれは当日まで規則で言えなくて、でもよそよそしい態度で相手に死刑執行だと気づかれちゃって、「執行はあんたに頼みたい」と言われたのに、執行をばっくれようとしたけど、「エビ目」の執行には駆けつけて、震える「エビ目」をなだめてやったり、「友だちだよな」と言われれば「ああ」と答えるなど、人情味に溢れた感じでしたけど、待って待って、30年も務めてて、うち18年は死刑も執行してて、なかには冤罪もいたとか言っちゃって、それなのに最後の最後で逃げ出すんかいと思いましたけど、人間、勝手なもので、「死刑囚042」でも笹塚さんの台詞でもあった「加害者にかかわれば また情のようなものが湧く」そのまんまなんだろうなぁと思いました。その同僚だったらしい不動産会社の社長さんが先に罪の意識から逃れるべく刑務官を辞めて、それでも教会に通い、薬を呑まなければ寝ることができない時もあると言ってたのと同じ境遇になったんだなぁと。

ジェギョンくんは最初こそ頼りない奴でしたが、最後、さすがにウンジュちゃんに「死刑執行で3人殺してきた」とは言えなかったんでしょう。その代わりにウンジュちゃんが身ごもった赤ん坊を育てたいと思ったんでしょう。でも、そうとは知らないウンジュちゃんに中絶したことを知らされ、無責任だと責められ、ふられてしまいました。それでも刑務所の勤務を続けていったのは彼なりに考えるところがあったのでしょうか。
ただ、「命令に従っただけなのにどうして」と言っていたので、まだ考えが足りないなぁとも思いました。わしはこの点において死刑執行に反対してます。逆に疑問を抱かなくなったら、人間、行き着くところはアイヒマンに代表されるような凡庸な悪じゃないかと思うのです。

10人もの死刑が執行されたニュースを見る焼き肉屋のアジュマが、「公開処刑にするべき」とか言っていたのは、自分の手を汚さない人間が言うことだけはやたら勇ましいの代表格なんだろうなぁと思いました。たいがいの死刑賛成派の人たちですが。

そういや「休暇」も同様のスタンスの映画でしたけど、あちらで主人公がやらされたような支え役というのは韓国にはないのでしょうか。

題材だけで見てみたけど、思わぬ拾い物でした。

キャストの経歴とか調べていたら、ペ刑務官役のチョ=ジェヒョンさんは「詐欺師キム=ソンタル(キム=ソンタル一味ではなくて役人役)」に出てて、連続殺人犯チャン=ヨンドゥ役のチョ=ソンハさんは「火山高(ラスト、主人公と対決する学園鎮圧教師5人衆の1人)」に出てて、キム刑務官役のパク=イナンさんは「クワイエット・ファミリー(お父さん役)」に出てたし、「エビ目」役のキム=ジェゴンさんも「クワイエット・ファミリー」と「大統領の理髪師」に出てるとは! DB凄い。

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