世に「鍋奉行」というものがある。わしは「ちゃんこ鍋」に限って、それもお気に入りの店でちゃんこを食べた時に限って仕切りたがる、限定鍋奉行である。単に店の人に手を出してほしくないだけだけど。
しかし、本日より、たきがはは「
毛蟹奉行」と名乗りたいと思う。大事なことなので二回言います。
毛蟹奉行。
先日、ままが毛蟹を買ったと言う。
たきがは家の人びとは毛蟹好きである。しかしことたきがは以外に限って言えば、毛蟹も好きだが、もっと食べやすいズワイガニもタラバガニも好きだという毛蟹好きの風上にもおけない程度の毛蟹好きであるが、毛蟹といったら「わ〜い(はーと)」と喜ぶのは家風である。
しかも、毛蟹の味噌を苦手としていた妹さんまで「美味しくなったv」と言うようになり、たきがはは毛蟹をいちばん愛し、毛蟹以外の蟹はなくてもいいわvvというぐらいの毛蟹至上主義者であり、一度は毛蟹の味噌を鼻血が出るほど食べてみたいと願う毛蟹気違いであるが、ありがたくないことに毛蟹の味噌を食べるライバルは家族3人となってしまったのであった。
なので、毛蟹を食べ始める前に、わしが「味噌を全部くれるなら、足も胴体もいらない」という申し出は丁重に却下されたのであった。
しかし、毛蟹奉行を名乗るからには毛蟹を食べる時期にはこだわりたいものである。当然である。毛蟹はサンマと同じように季節のものである。毛蟹は年がら年中、いつ食べても美味しいというハウスでできました〜wといった野菜とは異なり、旬を持つ食材なのである。
そこで、たきがはの毛蟹が美味しい時期というのは、年明けから年度末まで、つまり1〜3月までという大変、限定された時期なのであるが、なぜか、こんな秋口に、ままが毛蟹を買ってしまったのである。
たきがはは毛蟹の身をほじくるのが大変遅い人種なので、毛蟹を食べる時はご飯もおつゆもよそわず、毛蟹の身をほじくるのを事前に済ませてから食べ始めるのであるが、毛蟹の身をほじくる前にしなければならないことといったら、毛蟹の味噌を食べることであった。
世に、自分の好物を先に食べるか最後に食べるか、というたら、けっこうこだわりがあって分かれると思うのであるが、わしは「好きなものを最後に食べるのは、最後まで我慢をしていて精神衛生上良くないので(意訳)、好きなものは最初に食べた方が良い」という誰かのエッセイを読んだのとは全然関係なく(←関係ないのかよ!)、毛蟹の味噌はいちばん最初に食べる主義である。それもなぶるように味わい尽くすのがモットーである。
なぜなら、毛蟹の美味しさは何よりこの味噌にこそ詰まっているのであり、味噌を食べないでしまうことは、毛蟹の美味しさを半分も味わっているとは言えないからであると言い切ってしまうからである。
つまり、毛蟹の味噌がいちばん好きなので最初に食べるのである。そして、その味噌の美味さ如何によって、毛蟹の美味しさは測れ、決定されてしまうと言っても過言ではないのである。
しかし、たきがははままが毛蟹を注文したと聞いた時にすかさず、のたもうたものであった。「毛蟹が美味しいのは1〜3月なんだから、今買っちゃ駄目じゃない」と。
果たして、秋口に食べる毛蟹は美味いのか、そうではないのか、今、明かされる時が!(たきがはも日頃より高コレステロールに悩まされる体質なもんで、そうでなくても栄養過多な毛蟹の味噌は、そう頻繁に口にできるものではないのであった)
( ゚д゚)
むしゃむしゃ
(;゚д゚)
むしゃ… むしゃ…
_, ._
(;゚ Д゚)
違う、毛蟹の味噌は、もっと美味しいものなんだ〜!!!ヽ(`Д´)ノ
だから1〜3月以外に毛蟹を買っちゃいけないって言ったんだ〜!!! (ノ゚皿゚)ノ==========================毛蟹(←投げちゃ駄目だろ!)
冷凍庫にはあと二杯の毛蟹が凍っている。しかし、その毛蟹が美味しいとは、もはや家族の誰にも期待できないものとなってしまったのだ。
もう一度言います。わしは
毛蟹奉行です。奉行に黙って毛蟹を買っちゃ駄目〜!!! ゴルァ━━━━━ヾ( )ノ゛ヾ( ゚д)ノ゛ヾ( ゚ д ゚ )ノ゛ヾ(д゚ )ノ゛ヾ( )ノ゛━━━━━ッッ!!!!!
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