農場も拡張できないし、武器や防具も新しく作れる物がそれほど増えたわけでもないし、行けるところは相変わらず渓流、水没林、砂原、凍土、孤島だけとあって、少し退屈しかけていたところ、私は初めて奴に会ってしまった。ジンオウガ、ハンターではなくても知っている有名なモンスターだ。
今日はドスファンゴを狩ってほしいという依頼を受け、久しぶりに渓流に行った。何でもドスファンゴに落ち着きがなく、畑を荒らしたからなんだそうだが、確かに現れた時のドスファンゴは、いきり立っているようにも、何かに怯えていたようにも見えた。
ドスファンゴは、前回と同様、わりと簡単に片づいたが、その時、私の背中を冷たい汗が流れた。ドスファンゴが落ち着かなかったわけだ。森も、いつの間にか静まりかえっていた。
そいつはゆっくりと巨体を表わした。黄色と青の特徴的な鱗、その動きとともに空中に放電する雷狼竜、ジンオウガだった。
無謀にも私はそいつに挑んだが、わずか3発喰らっただけでのされてしまい、諦めて村に帰った。
ジンオウガが現れたことは村長も知っており、最近、大型モンスターたちがユクモ村近くに現れるようになったのは、ジンオウガのせいではないかとも考えていたようだ。
そして村長は言った。「今のあなたには、まだジンオウガを倒すことはできないでしょう。ですがいずれ、あなたがもっと強くなった時に改めて依頼をさせていただきます」と。
退屈だ、などとは言っていられなくなった。私はジンオウガと戦えるよう、もっともっと強くならなければならなくなったのだから。
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