監督:ジョン=フォード
出演:ヴィクター=マーズウェル(クラーク=ゲーブル)、エロイーズ=ケリー(エヴァ=ガードナー)、リンダ=ノードリー(グレース=ケリー)、ドナルド=ノードリー(ドナルド=シンデン)、ほか
1953年、アメリカ
ジョン=フォード監督のアフリカもので、主人公が動物を狩る仕事をしていたので「ハタリ」のクラーク=ゲーブル版かと思いきや、グレース=ケリーが現れたところで三角関係の恋愛物になってました。しかもケリー役の人の名前を調べようと思ってWikiを探したら、実は1932年の映画「紅塵」(主演同じ。監督はヴィクター=フレミング)のリメイクだそうです。主役がクラーク=ゲーブルってことは、よほどその印象が強い(「風と共に去りぬ」のレット=バトラーがクラーク=ゲーブル以外あり得ないような)のかと思いましたが、思い返しても、別にクラーク=ゲーブルである必要はない役だし、どうなんだろう、そこら辺…
アフリカで動物を捕らえ、動物園などに送る仕事をしているヴィクター=マーズウェルのもとに、アメリカからエロイーズ=ケリーと名乗る女性がやってくる。彼女はつい先日、マーズウェルの元を去ったインドのマハラジャの友人だったが、マハラジャとスレ違いになった上、帰りの船は一週間後と言われて渋々マーズウェルの家に滞在する。しかし、いつかケリーとマーズウェルは近しくなっていくが、船が来ると、マーズウェルはケリーを冷たく見送るのだった。入れ違いに人類学者のノードリー夫妻がマーズウェルの家に滞在することになったが、そこに船が転覆してかろうじて逃げ出したケリーが帰ってくる。マーズウェルは、ノードリーの妻リンダを思慕しており、ケリーには冷たく当たる。とうとうマーズウェルは、ノードリーからリンダを奪おうと決心するが…
グレース=ケリーは「真昼の決闘」でもきれいな奥さんで、現に美人なのですが、役にはそんなに恵まれた印象もないし(「真昼の決闘」ぐらいか)、あんまり上手いという感じでもなく、モナコの王妃として玉の輿に乗っちゃって、事故死という悲劇性のが印象に強いので、クラーク=ゲーブルとの組み合わせは意外な感じがしました。
ただ、クラーク=ゲーブルはやっぱり「風と共に去りぬ」のレット=バトラー役がいちばんだと思いますので、その印象からすると、上品なリンダよりもちょっとはすっぱな感じのケリーのがお似合いだと思っちゃったりするのでした。しかもケリーさん、実はベルリンで新婚ほやほや(「短い間だったけど幸せだった」と語っているので)で夫を失ったという辛い過去を乗り越えている人だったりするので、よけい、ケリーさんを応援したくなっちゃったりするのでした。
最後は収まるところに収まってハッピーエンドなんですが、ジョン=フォードの映画としてはいかんせん物足りねぇっす。
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