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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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あいぽんがうちにやってきた!

たきがはが今の携帯を買ったのは、2010年12月のことでした。基本、古くなった機種しか買わず、その前も国際通話ができるのが売りだったんだけど、着うたとかは全然できない、ほとんどメールと電話しかできない携帯でしたが、なにしろ軽くてスマートだったので、わしはそれはそれは気に入っておったのでした。しかし、さすがに電池が頻繁に切れるようになって、機種変更を決心したのでありました。
で、こんな記事を書いて、「こうなったら、一生、iPhoneは使わんような気がする…」とまで書いたのですが、先日、たきがは的に気に入らない事態が発生してしまいました。

携帯に変換できない漢字があった。
・twitterを外出先で見ることが大変多くなっていたのだが(日に2〜3回)、RTが大変不便で、TLについているリンクを見ようにも携帯では見づらい場合が多いのでお気に入りに入れることが多く、RTにしてもお気に入りにしても、どこまでTLを読んだのかわからなくなってしまう(別の画面に移行しちゃうから)。

で、twitterの件は、もうずーっとそうなんで、使いづらいなぁと思ってましたが、まぁ、外出先なのでしょうがないと諦めていたんですけど、たきがは的に許せなかったのは携帯が馬鹿だったことだったのでした。一応、うちの携帯、辞書付きが売りだったもんで、辞書付きのくせに何だ貴様〜?!
しかも、ここでたきがはの気持ちをあいぽんに向かわせる資料が出てきます。

iPhoneにはAtokが搭載されている。
わたくし、かつてこんな記事を書いたほどのAtok信者です。賢い日本語AtokがiPhoneに載ってるですと〜?

買ったぁぁぁ!!!

というわけでiPhoneを買うのを決意したのが夏コミ前。しかし、なかなか携帯ショップに行くことができず、とうとう8月25日、たきがはは満を持して(鴨が大量の葱を背負って)携帯ショップに向かったのでした。

たきがはは自分の専門外のことをすらすらとよどみなく言える人は総じて敬意を払うくせがあります。けっこう、鵜呑みにしちゃいます。携帯からiPhoneに買い替えることのメリットをとくとくと説明されて、今のiPhoneっていくらぐらいなのかな〜と思っていただけが、そもそも買う気満々なわけですから、だんだんと買うモードに傾きます。
しかしこの時、たきがはの携帯には以下の2点の問題がありました。

・機種代をまだ払い終わっていない(いずれ払わなければいけない金だから、どこで払っても同じ)
・2年間の契約してるから解約金を取られる

で、たきがはは自分が解約金を取られるのは今年の12月だと思っていたので、それまで待ってた方がいいんじゃないかな〜と思っていたのですが、妹さんに「Docomoの契約を最低料金にしちゃって、切れ次第、解約したらいいんじゃない?」と言われたので、それでいこうと思っていたのですが、調べてもらったら、来年の10月にならないと切れないことが判明、とても呑気に待っていられる期間ではないではありませんか! しかも機種代はどこかで払わなければならない金です。iPhoneだろうとDocomoだろうと。
そこでたきがははDocomoから番号移動(ナンバーポータビリティとかってやつ)の予約番号をもらい、何か請求書とか手続きを送りたいので口頭で住所を言えとかふざけたことをぬかしやがるので、きっぱりと断り、乗り替えのアンケートにご協力をとか言うので面倒だったので断り、その時にはもうDocomoを辞める気満々だったんですが、まだ1つ、問題がありまして…

iPhoneのパケ放題の代金は月額なので、こんな月末に入ったら、ちょっと高くつく、ことだったのでした。

しかし、貧乏なわたくしに店員さんがとどめの一言。「2万円のキャッシュバックは、今月で終わるかもしれませんし、まだ続くかもしれません」うにゅ〜 (´・ω・`)

そもそもわしがこの店でiPhone乗り替えを検討していたのは、それがあるからなのです! Docomoに払う解約金+MNPの予約代+Softbankに払う事務手数料+残った機種代で、すでにキャッシュバックがあっても2000円ほど足が出ますが、大きな買い物をするに当たっては、それなりです。何よりSoftbankショップでよくある、現金じゃなくて商品券というごまかしではなくて、現金だと言うのです。これは、やはり、ここで、乗り替えなければ… いつ、乗り替えると、いうのか…

ち〜ん お買い上げありがとうございました〜

かくて、たきがは家にiPhoneがやってくることになりました。

Softbankショップに行って、Docomo時代に登録したアドレスをダウンロードするわたくし。しかし、つい30分前に登録したパスワードを忘れるとはどういうわけなのだ… (´・ω・`) 後で大文字と小文字のデフォルトがiPhoneとSoftbankショップで異なることが判明… (´・ω・`)
何とかアドレスをダウンロードして、そのままだとiPodちゃんのようにぼろぼろになるのは目に見えているので(今度こそ、iPhoneは使い倒す決意をしたので、なるべく大事に使おうかと…)ケースを買おうかと思ったのですが、純正品ちゅうのはどこも高いものなので別の店で買いまして、それだけで一日かかったので、実家に行って、家族にiPhoneを見せびらかしました。

で、うちに帰って、ひとまず壁紙を変えるとか、トップページに並んでいるアイコンが使いづらいので、順番を変えたり、使いそうにないアイコンを非表示にしたいのですが、それができないので、マニュアルを読まなければならないかと思っているところです。その前にアドレス変更のお知らせをしろと… (´・ω・`)

思っていたとおり、iPhoneのキーボードは打ちづらいのですが、携帯のように「う」を入力するのに「あ」キーを連打しなくても、ちょっと長押しで打ちたいキーをすぐに入力する方法も教えてもらったので、おいおい慣れていこうと思います。

最後にたきがは家のあいぽんはこんなです ↓
 裏

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OLO

監督:岩佐寿弥
出演:オロ、岩佐寿弥、ダドゥン、ラモ=ドルマ、ラモ=ツォ、ワンチェン、モゥモ・チェンガ、ほか
絵・題字:下田昌克
見たところ:川崎アートセンター アルテリオ・シネマ
2011年、日本

予告編を見たら、おもしろそうだったので、1週間だけの上映だったので、それっと行ってきました。

ドキュメンタリーで、あんまり筋らしい筋はないので、いつものように隠さないでおきます。

6歳の時にチベットからインドに亡命し、ダラムサラのチベット亡命政府が作ったチベット子ども村に寄宿するオロ少年。チベットが好きで、チベットの映画を撮り続ける岩佐寿弥監督は、オロの日常を追い、一本の映画を撮る。

前半はダラムサラでのオロや、オロが特に仲のいいダドゥン、ラモ=ドルマ姉妹とその両親の日常を追った感じ。特にダドゥンの父は、チベットの映画監督で、2008年の北京オリンピックの時に、チベット人が考える北京オリンピックについて映画を撮り、6年の実刑を受けて、中国の刑務所に収監されています。オロの家族(母、妹、祖母)は、皆、チベットにおり、中国だとチベット人としての教育を受けられないと心配した母親が、人に頼んでオロだけ亡命させたそうです(そこら辺の事情は後半に語られる)。
後半は、それまでオロにマイクを向けるだけだった監督が前面に登場し、オロとともにネパールのポカラにあるチベット難民のキャンプへ向かいます。そこには、監督が10年前に映画に撮ったモゥモ・チェンガ(満月おばあちゃん)がいるので、訪ねていくわけです。そこで会ったモゥモ・チェンガの親戚の人びとに迎えられて、オロがチベットからインドに亡命した時の様子を語るわけなんですが、いや〜、チベットの6歳児はすげぇなぁ。どうやら、それ以前から親の手伝いで羊を追ったりしているもので、見知らぬ町で独りぼっちになっても、食堂へ住み込みで働くたくましさ。何より、ラスト、チベット独立に向けて、子どもであるオロまでが夢を語る。ああ、こうやって、独立の精神は着々と子孫に受け継がれていくわけなのだなぁと思いました。

しかし、インドがチベット亡命政府を受け入れているのは、何らかのメリットがあるからなんでしょうから(中国に対する牽制とか)、それが失せた時が来たら、それはまたそれで大変だろうと思ったり。

まるで顔つきの違うインド人が多いなか、ダラムサラを歩くオロたちチベットの人たちは、わしらと似た顔つきをしていて親近感を覚えますが、体験していることはまるで違うのだなぁと思わされました。

そして、国がない民族という点ではクルド人も同じなのだろうけれど、またどうなのだろうかと気になりました。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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ビッグ・ケーヒル

監督: アンドリュー・V=マクラグレン
出演:ケーヒル(ジョン=ウェイン)、ダニー(ゲイリー=グライムス)、ビリー・ジョー(クレイ=オブライエン)、ライトフット(ネヴィル=ブランド)、フレイザー(ジョージ=ケネディ)、ほか
音楽:エルマー=バーンスタイン
1973年、アメリカ

久々のジョン=ウェインもの。晩年の作ですが、17歳(ダニー)と11歳(ビリー・ジョー)の父親役だったりします。

連邦保安官のケーヒルが凶悪犯人を捕まえて町に帰ると、長男のダニーは牢屋に入れられていた。しかもケーヒルが町を出た晩に次男のビリー・ジョーの手助けで、ダニーはフレイザーと銀行強盗を働いてしまう。フレイザーに脅されて父に真相を話せぬまま、ダニーは保安官助手としてケーヒルを手伝うことになり、銀行強盗犯を追い、無実と知りながら4人のならず者を捕まえる手助けをさせられる。一方、フレイザーの命令で金を隠したビリー・ジョーは、密かに金を別の場所に移す。フレイザー一味とダニーとビリー・ジョーとの関係に気づいたケーヒルだったが、子どもたちは自分たちで何とかしようとしていた…。

頑固親父と父親に愛されてないと思っちゃった、意外と素直な子どもたちの親子喧嘩って感じの話で、いつものジョン=ウェインものです。しかも今回は本当の親子なんで、どっちかというと「100万ドルの血斗」に近い話ですか。
ただ、わりと親父が柱にいた「100万ドルの血斗」と違い、子どもたちの心の動きや活躍にも大いにカメラが向けられ、ダニーもビリー・ジョーも頑張ってるところが、最初は突っ張ってるんだけど、いい感じ。

最後は息子たちを囮にフレイザーに襲わせ、逆襲。どこまでも格好いい父さんでありました。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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死刑弁護人

監督:
出演:安田好弘弁護士、山本太郎(ナレーター)、ほか
見たところ:横浜シネマ・ジャック&ベティ
2012年、日本

6年ほど前、光市の母子殺害事件の裁判で初めてお名前を知った弁護士の安田好弘さんを追ったドキュメンタリーです。タイトルのとおり、死刑事件にいくつも関わっており、「死刑といったら安田」くらいの暗黙の了解が弁護士会にあるんかいなと思うくらいです。映画の時点では55件の裁判を抱えていて、うち8件が死刑なんだとか。もう、わしのような人種には想像もつかないような頭の回転の速い人なんかなぁと思っちゃいます。

でも、わしが安田さんを尊敬しているのは、そういう頭の良さではなくて、たとえ死刑確定囚であっても、決して名前を呼び捨てにしない、その誠実で真摯な人柄に対してです。もしも、わしがそんな刑事事件を起こすようなことがあったら、安田さんに是非、弁護をお願いしたい。そう思います。

ドキュメンタリーは、安田さんの弁護士としての活動を裁判以外から追い、さらに安田さんが関わった6つの事件のあらましと被告の紹介もしつつ、進んでいきます。

和歌山毒カレー事件
これは、わしも「状況証拠だけで林眞須美さんを死刑にするのは無茶苦茶だ!」と彼女が逮捕された後ぐらいから思っていました。わしは、あんまり細部を知らないで、わりと脊髄反射で考えちゃう方なんですが、この事件に関しては、どうやら間違っていないようです。

新宿西口バス放火事件
これ、停車していたバスに火の着いた新聞とガソリンが投げ込まれ、6人が死亡、44人が重軽傷を負ったという重大事件なんですが、実情を知ると、殺意って何だろうと考えさせられました。
安田さんたちの弁護により、丸山被告は無期懲役となり、死刑を免れましたが、刑の確定から11年後、自殺したそうです。安田さんは刑の確定後、1度しか会いに行かなかったと自分を今も責めているのです。

名古屋女子大生誘拐事件
1980年と、この中ではいちばん古いので、さすがにわしも覚えてません。木村被告のことも知りませんでした。以前読んだ「「生きる」という権利」にも、確かこの事件は登場してなかったはず。
死刑から8年後、木村被告に刑が執行され、安田さんは自分が恩赦を勧めたばかりにと責任を感じています。とうに終わった事件なのに、事務所に置かれたいくつもの関係書類の段ボールが、決して忘れられない罪の証でもあるかのように。

光市母子殺害事件
わしが初めて安田さんのお名前を知った事件であり、興味を覚えて「「生きる」という権利」を読んだ事件でもあります。映画のなかでは扱われていませんが、現大阪市長・橋下徹がテレビタレントだった時にテレビ番組で弁護団に懲戒請求だったかを呼びかけ、わしのなかで橋下への評価を決定づけました。
わしは事件の全貌を知る前に安田さんを知ったので、何度もメディアに登場して「犯人を死刑に」と声高に主張し続ける被害者遺族の方に共感できないなぁと思ったものです。同時に、「遺族の感情にはかった判決を」と重罪を叫び続けるメディアをおかしいと思い出したのもこの事件であり、わしが死刑制度そのものに懐疑的から大きく反対へと舵を切り始めたのもこの事件がきっかけでありました。

ここで安田さんの死刑制度反対に対する決してぶれない姿勢が明らかにされます。「たとえ家族が殺されても死刑には反対」と断言する安田さん。そういう論点は死刑制度を語る時によく言われることですが、信念の人なのだなぁと思いました。

オウム真理教事件
あまりに有名な事件なんで、クライマックスに持ってきたかと思っていたら、まだ後があったとは…。
わしが「「生きる」という権利」を読んだ時に驚いたのは、自分が扱った事件の被告たちに対する安田さんの誠実さでした。特に、このオウム真理教の教祖に対しては、当時のメディアが声高にその異常さを羅列し、唱え、叫んでいたので、わしも「信者に自分の入った風呂の水を聖水として飲ませる変態」というイメージを抱いていましたが、どうもそんな人物ではないようなのです…。
でも、一連の教団が犯した事件を麻原被告が指示したかどうかという決定的な部下からの証言を麻原被告が止めようとし、安田さんも受け入れようとしたのに、こんなに大きな事件を「3年で終わらせるように」と無茶言った裁判所は、ここで反対尋問を行わなければ放棄と見なすとか何とか無茶苦茶ですよ。やっぱり日本は司法もおかしいよ!
以来、麻原被告は誰とも話すことなく、奇異な言動が目立つようになり、東京拘置所の中で生きているのか死んでいるのかもわからないままなのですが、安田さんは「麻原の再審弁護人です」と宣言、初めて麻原被告の弁護を引き受けた時に「自分はやっていない」と言った言葉を信じて、1つ1つ吟味し、真相に迫っていこうとする態度が真摯じゃなくて何だと言うのだろうと思いましたよ。

安田事件
安田さんが強制執行妨害の容疑で逮捕された事件。うう、あんまり記憶にないかも…。
映画のなかで安田さんのために、おそらくは弁護士自身のために1400人もの弁護士が弁護団を結成したとあり、弁護士もまだまだ捨てたものじゃないのかなぁなんて思ったり。でも、絶対に橋下は入ってないだろうなと思ったり。

自宅は鎌倉にあるのに、月に1回ぐらいしか帰れず、子どもたちの成長も見ることができず、赤坂の事務所に泊まり込んで弁護士として活動し続ける安田さん。どうか、いつまでもお元気でいてほしいと願わずにいられませんでした。

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赤いリュックサック

巴里夫著。巴里夫プロダクション発行。

80歳になる著者の復刻シリーズです。その熱意に敬意を払いまして、買いました。懐かしいなぁ、こういう作風。昔の漫画って、今の時期になると反戦とかテーマの漫画が1作ぐらい載ってたりしたもんですが、今はレディコミとかでまとめて特集するぐらいになりましたなぁ。テレビとかもわざわざ流さないし(それなのに、先日、地井武男さんが死んだ時にいろいろ追悼やったのはなんでなんだろう… たいした俳優じゃないと思うんだけど…)。

旧満州からの引き揚げを描いた表題作と、著者自身の体験による「石の戦場」の2本を収録。巻末に収録の後書きを読むと、ほかに2作、戦争に関する漫画を記されたそうなんで、そっちも読んでみよっかな〜

「赤いリュックサック」ぼろぼろのリュックサックを背負った少女の姿をした地蔵にまつわる、旧満州からの引き揚げの悲劇を、陽子という少女を通して描いた作品。最初の緊張感もないような雰囲気はすぐにお父さんの死によって、来る悲劇を予想させます。やがてソ連兵に囚われ、それでも帰国の希望を持ち続けるものの、結局、陽子は死に、日本に帰り着いたお母さんも耳が聞こえなくなってしまいました。お母さんは陽子を模したお地蔵さんを作り、赤いリュックサックを毎年、8月になると替えてやっていましたが、やがて亡くなり、「やがてだれもしらないおはなしになっていくのでしょう」で幕です。
実話で3人の子どもを連れ帰った藤原ていさんの「流れる星は生きている」の凄さがよくわかります。しかし、実際には「赤いリュックサック」のような親子、あるいは「大地の子」のように残留孤児とかの方がずっと多かったでしょう。だからこそ、この作品が発表された時、圧倒的な反響を持って迎えられたのではないかと思います。1970年代というのは、まだまだ戦争の記憶が生々しさを持っていた時代でした。まだ戦傷兵が乞食のように身をさらしていました。

「悲劇ばかりではなく鎮魂も」込められた物語は、きっとお地蔵さんに込められたものなのだと思うのですが、「だれもしらないおはなし」ではあんまり悲しいと思いました。あの戦争がもたらした悲劇を、やはり今の時代にも伝えていかなければいけないと思います。そして、日本人がその悲劇を胸を張って語るには、栗原貞子さんの「ヒロシマというとき」にあるように

〈ヒロシマ〉といえば
〈ああ ヒロシマ〉と
やさしいこたえがかえって来るためには
わたしたちは
わたしたちの汚れた手を
きよめねばならない

だとわしは思います。それは、日本が侵略地に対して行った残虐な行為を今からでも遅くないから謝罪することではないかと思うのです。

「石の戦場」著者の実体験に基づいたという13歳で敗戦を迎えた軍国少年の日常を描いた話です。わりと散文調で、いろいろなことが起こるので、悲劇を前面に打ち出した「赤いリュックサック」に比べると、どうしても評判は悪かったろうなぁと思いました。わしはおもしろかったけどね。手塚先生の「紙の砦」とかも好きだし。

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