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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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ハーフェズ ペルシャの詩

監督・脚本・編集・撮影・セット・デザイナー・衣装:アボルファズル=ジャリリ
出演:ハーフェズ(メヒディ=モラディ)、ナバート(麻生久美子)、シャムセディン(メヒディ=ネガーバン)、モフティ老師(ハミード=ヘダヤティ)、ジョルジャニ師(アブドッラー=シャマシー)、ほか
イラン・日本、2007年

少年と砂漠のカフェ」のアボルファズル=ジャリリ監督が「カンゾー先生」で麻生久美子さんに惚れ込んで、撮ったという映画だそうです。ただ、日本向けのパッケージだから麻生久美子さんが全面的に押し出されたデザインになってましたが、主役はハーフェズ(コーランの暗唱者であり、この映画のモデルにもなった実在の詩人)なので、出番はあんまり多くありません。ヒロインですが。

シャムセディンは子どもの頃からコーランの暗唱に励み、見事、コーランの暗唱者ハーフェズの称号を得る。そんな時、ハーフェズの師匠ジョルジャニのもとに、イスラム教の指導者モフティ老師から、最近、母方の国チベットから帰ってきた娘ナバートにコーランを教えてほしいとハーフェズを指名してくる。ハーフェズはナバートにコーランを教え始めるが、イスラム教の習慣になじんでいないナバートは無邪気にコーランの意味を尋ね、ハーフェズと詩を交わすようになるが、それは結婚前の娘には許されない行為であり、ハーフェズは罪に問われて、ハーフェズの称号を剥奪され、家庭教師も辞めさせられてしまう。ナバートはモフティ老師のもとで働くイスラム法を学んだシャムセディンと結婚させられ、ハーフェズはナバートへの愛を諦めるために各地を訪ねて「鏡の誓願」を行うが、それも本当ならば許されない行いであった…。

テーマというか、ハーフェズが何をしたいのかわからなくて、途中からわけわかめになって観てました。ナバートのことを忘れようとするんだけど、でも、「鏡の誓願」というのは本来は愛を成就するために行われるそうで(イスラム圏にそういう習慣があるというわけではなくて映画のなかでの設定)、それがいかんというので、たびたび罪に問われるハーフェズ。ナバートも結婚させられたシャムセディンよりもハーフェズのが好きなんだろうけど、なにしろとかく女性のすることにも愛だの恋だのにもうるさいイスラム圏なもんで、自由に振る舞うわけにもいかず、途中からシャムセディンまで動き出して、またわけわからん展開に。結局、シャムセディンは、ナバートと恩師の言うままに結婚はしたけれど、ナバートの本心がわかっていたのでナバートには手も触れず(と言っている)、ハーフェズとの愛を貫かせてやったらしいのですが、ラスト、ハーフェズとナバートが愛を全うしてハッピーエンドというわけでもないので、何か唐突な終わり方をしたように見えて、最後までわけわかめでした。うう…

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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戦争と人間2

五味川純平著。光文社文庫刊。全9巻。

満州事変の前後を描いた第2巻です。

この方、小説の部分はおもしろいのですが、資料の引用部分がつまらなくて、けっこう長いのでだれます。「人間の條件」はそれがなくて、終始、梶と美千子の話だったので長くてもけっこういけたのですが、戦争と人間は舞台が広がっているので登場人物も多彩になった分、おもしろいところとつまらないところがはっきりしてきた感じがします。それに加えて註がまた長いし…。

ここら辺は小説に徹した「満州国演義」と対照的なイメージですが、作家の作風の違いでもあるんでしょう。

伍代家の2代目・英介が典型的なダメな2代目で、でも高橋悦史さんのイメージとつながらないでいます。どっちかというと「ロード・トゥ・パーディション」のダメ息子に読めるのですが、もう顔は忘れたので、まぁ、どっちでもいいか…。キャラ的には伍代家の2代目なんで、周りの人とか無関係な人びとに多大な迷惑をかけ続けていきそうで、嫌な奴なんですが。

最後は日本の敗戦で伍代家も没落するようなので(予算不足のために作られなかった映画の第4部)最後まで頑張って読もうと思いますが、Twitterでいろいろと興味深い書名が紹介されているので、もっとペース上げないと…。

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ホテル・ルワンダ

監督:テリー=ジョージ
出演:ポール=ルセサバギナ(ドン=チードル)、タチアナ(ソフィー=オコネドー)、オリバー大佐(ニック=ノルティ)、カメラマン・ジャック(ホアキン=フェニックス)、テレンス社長(ジャン=レノ)、ビジムング将軍(ファナ=モコエナ)、ほか
南アフリカ共和国・イギリス・イタリア、2004年

1994年に起こったルワンダの大虐殺を背景に、勤めていたホテル・ミル・コリンの支配人ポール=ルセサバギナが自身の家族やホテルの従業員も含めて1200人以上を救った実話をもとにした映画です。評判良かったので前から見たいと思っていたのですが、図書館にあったので借りてきました。

フツ族とツチ族の対立と、それが一挙にフツ族によるツチ族の虐殺へと至る流れは、ナチスのユダヤ人迫害とも異なる急速なものと見えましたが、その下地はルワンダがそもそもベルギーの植民地だったころからなされていたもので、あんまり詳しくないのですがボスニア・ヘルツェゴビナの民族対立の方が近いのかと思いました。「タクティクスオウガ」の民族対立とかもかなり近いのかなと。それほどフツ族とツチ族というのは、わしには見分けがつかなくて同じ人びとにしか見えませんでした。ただ身分証明書には「フツ族」とか「ツチ族」と書いてあって、フツ族の来ていたカラフルな衣装(黄、緑、赤、青、ほかも入った多色)をツチ族とされる人びとは身につけていないというぐらいでしか見分けがつかないのですが、この衣装も単にフツ族の主に民兵に配られて、ツチ族には渡されなかったという程度の代物にしか見えず、もう、なんでフツ族とツチ族がそこまで対立というか、フツ族の方が一方的にツチ族をゴキブリ呼ばわりして嫌っているのか、歴史的に憎悪をかき立てられ、煽られてきたという以上の理由がわからなかったのでした。

なので、フツ族として、4つ星ホテルの支配人として、将軍にもコネを持つ者として、最初はただ家族や従業員を守るため、国連の平和維持軍が撤退した後は避難民を守るため、身体を張って頑張るポールは、有能なホテルマンでもあるのだけれど、愛情あふれる父親であり、夫であり、わりとふつうの一般市民であり、その綱渡りがはらはらして見ていました。
ただ、実際に虐殺が始まるまでのポールは、妻の兄が、これから始まる最悪の事態を予想して逃げようと相談するのも、町中の見るからに不穏な空気も「大丈夫だ」とえらく楽観的に過ごしていたので、そこは一般人で、ある意味、フツ族であるので鈍感なところもあったのかなと。
でも、実際に虐殺が始まってしまってからは、ポールの頑張りとか、今まで築いたコネとかのおかげでホテル・ミル・コリンに逃げた人びとが助かった面はすごく大きいので、そこは一般人以上に頑張ったというか。

ただ、奥さんが最初から最後までふつうの人で、ちょっと視野が狭いという感じがあったんですが、そこら辺は逆にリアルなのかもしれないと思いました。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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戦争と人間1

五味川純平著。光文社文庫刊。全9巻。

人間の條件」に引き続き五味川純平ブームです。

とある架空の財閥とそこに関係する人びとの、戦争に翻弄されていくさまと、愛と希望と夢と野心を描く長編。

1巻目は「運命の序曲1、2」を収録です。

この手の歴史物にはつきものですが、80ページにも及ぶ註がボリュームあります。書いたのは作家の澤地久枝さんです。ただ、本編を読みながら読むには原本をそのまま引き写しているのもあって量が多く、後でまとめて読み直したら、何の言葉についた註だったか忘れたという… というか、本編でどういう流れで出たのか忘れたという…
太宰の「実朝」の時も原文の引き写しに辟易しましたが、もうちょっと要約してもらえんかと思いました。まぁ、当時の雰囲気を出すには原文がいちばんいいんでしょうが…
書き手の感想(著者か、註の担当者か)が入っているのはまだおもしろいんですが、原文だけというのは退屈です…

今のところ、まだ満洲国も建設されていないので、先は長いです。あと、基本、梶の足跡を追っていた「人間の條件」に比べると伍代財閥とその関係者以外にも、いろいろな人物が入り交じって登場するので、大河ドラマ〜って感じです。こっちのが。
例によって、こちらも映画化されていて、豪華キャストなので、登場人物を覚えるのに演じた俳優さんを思い浮かべるというのはいい手でした。イメージは固定されますが。

キャストは以下のとおり。これも全3部の大作で、全部で9時間超なので、機会があったら見ます。

伍代由介(当主) 滝沢修(「原爆の子」の岩吉)
伍代喬介(その弟) 芦田伸介
伍代英介(由介の長男) 高橋悦史
伍代由紀子(由介の長女) 浅丘ルリ子
伍代俊介(由介の次男) 中村勘九郎(18代目勘三郎)→北大路欣也
伍代順子(由介の次女) 佐藤萬里→吉永小百合
柘植進太郎(情報部将校) 高橋英樹
灰山浩一(画家) 江原真二郎
お滝(伍代家の女中) 水戸光子
武居弘通(由介の秘書) 波多野憲
鴫田駒次郎(喬介の部下) 三國連太郎
高畠正典(喬介の部下) 高橋幸治
標耕平(兄が伍代家の元雇い人) 吉田次昭→山本圭
服部達夫(奉天の医師) 加藤剛
大塩雷太(長じて喬介の部下) 福崎和宏→辻萬長
梅谷邦(雷太の友人) 廣田治美→和泉雅子
梅谷庄吉(邦の父親。鴫田の部下) 山田禅二
鴻珊子(女スパイ) 岸田今日子
白永祥(喬介の部下。中国共産党員で邦の友人) 山本学
徐在林(朝鮮人。無頼の徒) 地井武男
矢次樵夫(由介の部下) 二谷英明
不破医師(邦の知り合い。服部の友人) 田村高廣
劉(済南の中国人) 大滝秀治

と、ざっとあげただけでもすごい顔ぶれで、演じる人によって、こんなイメージだわ〜と想像できてしまうのが楽しいです。例によって。あんまりイメージおかしくないし。
ただ、わし的には由紀子はけっこうな美人なんで、浅丘ルリ子さんよりも久我美子さんのが凄みあっていいと思うので、勝手に脳内で差し替えてますが。
わし的なお薦めは強盗強姦暗殺と悪いことは何でもござれの悪党・鴫田駒次郎を三國連太郎さんが演じていて、どんなに凄みのある悪役なのかというところと、秀治が劉といういかにも小物っぽい悪役で、興味津々なのと、田村高廣さんや加藤剛さんや高橋幸治さんがイメージまんまに正義感の強いキャラクターばかりで、その清涼感っぷりですvvv

まだ始まったばかりで出て来ていない人物もいるので、先が楽しみです。

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トレブリンカ叛乱 死の収容所で起こったこと 1942−43

サムエル=ヴィレンベルク著。近藤康子訳。みすず書房刊。

タイトルのとおりの内容です。絶滅収容所トレブリンカにいた著者が、そこに移送された経緯からトレブリンカでなぜ生き残ったのか、何をさせられていたのか、そしてトレブリンカで著者たちが起こした叛乱の成り行きと、その後、著者がワルシャワに向かい、両親と再会した後でワルシャワ蜂起に加わり、その敗北までです。

著者のサムエル=ヴィレンベルク氏がトレブリンカに移送されたのは1942年の10月、19歳の時でした。父親は画家でワルシャワ、母親は工場で働いており、著者の姉と妹と同じチェンストホヴァにいましたが、著者だけオパトゥフのゲットーで暮らしていたそうです。

トレブリンカに移送された著者は、そこで幼なじみのアルフレッドと再会し、彼の誘いで特別労務班員となり、7000人のなかで、たった一人、生き延びます。
それからトレブリンカで叛乱が起こった1943年8月までの10ヶ月間、著者は特別労務班員となって生き延びるのです。

著者がトレブリンカから逃走してから40年も経ってから書かれたためか、その記述は冷静なものです。また40年も経ったとは思えないほど詳細でアウシュビッツ・ビルケナウのゾンダーコマンドとはまた違った作業はいろいろな驚きと発見に満ちています。

SHOAH」に登場した人のなかでフランツ=ズーホメルの名前だけ再登場でした。ユダヤ人の金や宝石を扱うゴルトユーデンと呼ばれるユダヤ人たちをまとめていたのがズーホメルだそうです。トレブリンカの話はしてたけど、自分の仕事については話していなかったな、そういや。あと映画の中でトレブリンカで唄わせた歌を唄うシーンがありましたが、その歌詞の日本語訳も掲載。「トレブリンカ賛歌」というそうです。悪趣味なタイトルつけやがりますネ。

アブラハム=ボンバ氏は登場しませんでしたが、似たようなユダヤ人の女性たちの髪を刈る床屋の話はありました。

リヒァルト=グラツァール氏も登場しませんが野戦病院はしょっちゅう言及されてます。特別労務班員も別に命が保証されたわけではなくて、SSやウクライナ兵の気まぐれによって、しょっちゅう補充しなければならなくなったそうです。すなわち、それだけ殺される人が多かったそうです。殺されたユダヤ人たちの遺体は野戦病院に掘られた穴蔵に放り込まれたとか。ナチスが自分たちの罪を隠蔽するためにショベルカーで遺体を掘り出して、念入りに焼いていたとか。

トレブリンカは絶海の孤島ではなく、ポーランドの一寒村です。ワルシャワから北東に100kmぐらいのところにあります。アウシュビッツ・ビルケナウはワルシャワから200km以上離れています。いや、懐かしい。
つまり、トレブリンカにしてもアウシュビッツ・ビルケナウにしても周囲が無人ということはなかったのですよ。ポーランド人の村があった。でも、彼らはそこで何が起こっているかを知りながら、そのために戦ったり、ドイツ兵に抗議をすることはしなかった。ポーランド人はユダヤ人を憎んでいたから、と著者は言います。
そのために、ワルシャワ蜂起(1944年)に加わった著者は、ユダヤ人ということである組織にいられなくなり、別の組織(共産党系)に移らなければなりませんでした。ワルシャワをナチスから解放するための戦いでも行われた人種差別。わしらが想像している以上にユダヤ人を嫌ったり、憎んだりする気持ちはヨーロッパ、特に東ヨーロッパでは根強く、そこに楔のように反ユダヤ人主義を持ち込んだナチスの巧妙さは日本のそれとは全然別物として語られなければならないでしょう。

なかなか良い本だと思いましたが、訳者が敗戦の昭和20年を強調したいあまり、今年(2015年)を昭和90年と書いたのはどうかと思いました。

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