監督:ミロス=フォアマン
原作:ケン=キージー
出演:マクマーフィ(ジャック=ニコルソン)、ラチェッド婦長(ルイーズ=フレッチャー)、ハーディング(ウィリアム=レッドフィールド)、ビリー(ブラッド=ドゥーリフ)、テイバー(クリストファー=ロイド)、マティーニ(ダニー=デヴィート)、チェズウィック(シドニー=ラシック)、キャンディ(マーヤ=スモール)、チーフ(ウィル=サンプソン)、ほか
アメリカ、1975年
見たことがなかったんで借りてきました。
精神異常を装って刑務所での強制労働を免れたマクマーフィが精神病院に入院してきた。彼は病棟のルールに片っ端から反抗し、管理主義の婦長の逆鱗に触れてしまう。最初は婦長怖さにマクマーフィのすることに賛同しなかった患者たちだったが、少しずつ慣れていく。そんな時、マクマーフィは聾唖のネイティブ・アメリカンと思われていたチーフが、実は耳も聞こえ、しゃべれることを知り、ともに脱走を試みようとするが、チーフは自分は小さい男だと断る。そして、クリスマスの夜、脱走しようとしたマクマーフィだったが、皆とのお別れパーティで寝過ごしてしまい、脱走に失敗した上、自身はロボトミー手術を行われて廃人同様になってしまう。そのことを知ったチーフはマクマーフィを窒息死させて、一人、病院を脱走するのだった。
なんか感動話にあげられているらしいんですが、そもそもマクマーフィが精神病院に入ったのが精神病を詐称して刑務所での強制労働を逃れるため、というマイナス点があったりするので、あんまり同情せずに見ていまして、しかもなんで刑務所に入ったのかといったら、自称18歳の少女をレイプ(本人は合意の上と主張)とかだったりするもんで、これもマイナスで、確かに病院での婦長とかの扱いはかなり非人間的なもので、強権的だったりするし、最後にビリーを自殺させてしまうほどだったりするし、そのくせ、当人は善意のつもりだったりするのがまたたちが悪いと来てるんですが、どっちにも感情移入できなかったのでした。だから、ラスト、マクマーフィがロボトミー手術を受けさせられて、廃人になってしまったのを見たチーフがマクマーフィを殺して脱走というのは、せめて、クリスマス・パーティの時に決行していれば良かったのに、みんなで酒飲んで、ビリーがキャンディとセックスするのを待っている間に酔いつぶれるという緊張感のかけらもないような展開だったので、それもどうかと思ったり。
ジャック=ニコルソンは相変わらずの怪演ぶりで、アカデミー主演男優賞を取ったのも肯けたんですが(婦長と監督と脚色と作品も取った)、元ネタになったという舞台でカーク=ダグラスがマクマーフィ役だったりしたというので、そっちのが興味津々だったりしました。
で、Wikipedia見てたら、原作の小説はそもそもチーフが主役だそうなんで、そこら辺、映画だとマクマーフィに脚色してたんで、唐突さもあったりするのかなぁと思ったり。
あと、タイトルの「カッコーの巣」というのは、そもそも精神病院の別称だそうで、「はみだしっ子」でクークー(これもカッコーのこと)のあだ名もこれに由来するのかとか、そもそもクークーと命名したのはサーニンだったのですが、それがcrazyの隠語だったのを三原さんは知っていて設定したのかとか、改めて、博識だと言われた三原順さんの奥深さに感じ入った次第。
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