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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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「坊っちゃん」の時代

関川夏央・谷口ジロー著。双葉社アクションコミックス刊。全5巻。

全5巻なのですが、図書館にあったのが1、3、4巻だけだったので肝心の大逆事件の結末が読めません。なので中途半端なレビューです。そのうちに2巻と5巻をどこかで調達せねば…

第1巻ではタイトルのとおり、「坊っちゃん」の作者・夏目漱石を狂言回しに堀紫郎、荒畑寒村(というと「黒旗水滸伝」のバタバタ寒村を思い出すわけですが)、森田草平、太田仲三郎、国木田独歩、石川啄木、平塚雷鳥、菅野須賀子、伊集院影昭、ラフカディオ=ハーン、森鴎外、樋口一葉(ただし故人)、徳冨蘆花、山県有朋、桂太郎、伊藤左千夫、安重根、東条英機、柳田国男、島崎藤村、田山花袋、高浜虚子(名前だけ)、大杉栄、堺利彦といった有名無名の登場人物がなす青春記というか、漱石なんかは40過ぎのおっさんなんで交流記という感じです。

ただの交流記だったら、わしもあんまり興味がないんで手にも取らなかったんですが、第4巻が大逆事件ということで幸徳秋水や菅野須賀子がメインになってきてたんで興味を覚えて読んでみたんですけど、要するに「黒旗水滸伝」の明治版って感じで。
でも、権力者、特に大正天皇を狂人と断言、そのまま昭和20年の敗戦まで突っ走る日本という国の、いわば助走のような大正時代を鋭く描き出した「黒旗水滸伝」に比べますと、どうも全体的に柔らかい感じで物足りませんでした。まぁ、比べるのが間違ってるんですが。

あと、第1巻は夏目漱石、第3巻は石川啄木が狂言回しになってるもんで、文学者というのは主義者に比べるとぬるいというか、あまいというか、で、第3巻なんかサブタイトルを勝手につけるなら、「石川啄木はいかに堕落したか」みたいな感じの話で、金借りちゃ散財し、同郷の先輩に質に入れさせちゃ散財し、というどうしようもないダメンズっぷりを延々と描かれて、ちょっと辟易しました。

そういう意味では第1巻のがまだおもしろかったんですが、有名人も無名の市井の人も平等な描き方で、そういうのは得てして権力者に加担しちゃうものなんで、姿勢としてはあんまり好きじゃありません。

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Prince of the Yen 円の支配者

監督:マイケル=オズワルド
原作:リチャード=ヴェルナー
2014年

TLで流れてきたので見てみました。

日本のバブルの創出と崩壊を取り上げたドイツのエコノミストの著作で2001年のベストセラー「円の支配者 誰が日本経済を崩壊させたのか」を映像化したドキュメンタリー映画です。

「失われた10年」とか言われてるように、いまだにバブルと、それに続く新自由主義経済による「構造改革」から立ち直れていない日本経済を、戦後から描くことによって、日本の経済の仕組みとバブルの創出、その崩壊、ひいては韓国、タイ、インドネシアでの「構造改革」と欧州中央銀行までを暴き出しており、経済に弱いわしには、言ってることがほんとなのか嘘なのか簡単に判断もできないんですけど、ただ、日本という国の経済が日銀による統制が1980年代までがっちり行われており、資本主義と言っていいのか怪しくなってきたのだけは確実であることだけはわかりました。あと、この国が民主主義ではなくて、やっぱり選挙で選ばれてもいない官僚という名の似非エリートたちによって動かされており、そういう連中はアメリカの影響を多大に受けているのだということは再認識しましたし、そういった官僚が、そもそも敗戦で何のダメージも受けずに例外なく同じような地位に収まったというのも、この国が病膏肓に入る状態まんまじゃんな認識はますます強くなりました。

2001年と古い著作なので、今見るといろいろと批判も少なくないようですが、わしも経済には詳しくないどころか真っ暗なので、本を読もうとは思いませんけど、バブルの時期をこのように言ってのけた人は日本人のエコノミストとかアナリストとか称する連中のなかには一人もいなかったように記憶しておりますので、一見の価値はあると思います。

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東郷元帥は何をしたか

前田哲男・纐纈厚共著。高文研刊。

副題が「昭和の戦争を演出した将軍たち」です。そのタイトルのとおり、とかく美化されがちな大日本帝国の将軍たちについて、どういう考え方で何をしたか、主に知られざる功罪の罪の方を明らかにした書です。

たきがはも、こういう人たちには幻想は欠片も抱いていないので、予想どおりの結末なんですけど、まぁ、予想以上に酷かったというか。

収録は

東郷平八郎、山本五十六、井上成美、田中義一、東篠英機、辻政信、長勇

です。個人的には硫黄島の栗林忠道、ラバウルの今村均、沖縄の牛島満、あと、さすがに美化したのは聞いたことがないんですが、単にわしが知らないだけなのかもしれないので、インパール作戦の牟田口廉也あたりなんか、鋭く突っ込んでほしいので、是非、続編書いてほしいところですね。

東篠英機、辻政信は「満州国演義」と「戦争と人間」でさんざん突っ込まれてましたが、10年くらい前に「プライド」とかいうクソ映画もあったなぁとか。あれ以来、津川雅彦大嫌いなんですが、予想どおりの路線を走ってるようで…。

本が古くて状態が酷かったんで、今の時代に、是非、加筆して、人数増やして新装版とかどうでしょう?

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テレメンタリー2016 輪廻~原子炉まで300m~

制作は青森朝日放送。

TLでまわってきたので、一度は足元まで行った大間原発建設予定地です。見てみましたが、わずか30分では伝えきれないのに、話が福島からの支援者にちょっと脱線した感じで、終盤のまとまりも物足りませんでした。もっと頑張ってほしいです。

大間原発の建設予定地のど真ん中にある唯一の私有地あさこハウスを守る小笠原厚子さんと、そこを巡る人びとを描くドキュメンタリー。

福島からの支援者の夫妻は、元々、川俣町で酪農を営んでいたそうですが、フクイチの事故で現在は日本国中を旅しているようです。ただ「長くても3ヶ月いるかどうか」と言ってる生活の基盤はともかく、それで川俣町の現在の様子(除染で出た放射能廃棄物のゴミがつまった黒いビニール袋が元田んぼに大量に積み上げられている光景とか)は無関係とは言えないのかもしれないけれど、30分と短い番組の中に盛り込むにはちょっと欲張りすぎた感じがしました。というか、あさこハウスと絡めるのではなくて、こちら単独で番組作れそうなぐらいなんで、物足りなかったです。

あと、ラストの小笠原さんの台詞が、どう繋がるのかわからなかったところがあり、編集がつたないなぁと思っちゃいました。

そして、何より、わしは東北の食品は買わないようにしており、魚介類をできるだけ食べなくなって2年ぐらいになるのですが、それがあさこハウスで蛸の刺身とか出されるのを見て、複雑な気持ちでした。大間に行った時のお土産にマグロを買いましたが、わしの口にはまったく入らなかったので…
そういう意味では日本食というのは出汁が命なのに死んでしまったものなのだと思うのですよ。完全に絶てておりませんが…

なかなか目に触れることのない大間の事情を写した貴重な映像なので一度は見ておいた方がいいと思います。行くの大変だしね。

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海獣の子供

五十嵐大介著。IKKI COMICS刊。全5巻。

ハンドボール部に所属する中学2年生の琉花は思っていることを言葉にするのが苦手な少女。部活動で対戦相手を傷つけてしまい、夏休みが始まったばかりだというのに部活動に来なくていいと言われてしまう。傷心の琉花はシューズを買うと言ってもらったお金で東京に出かけ、そこで不思議な少年・海と出会う。海は琉花の父が働く江ノ倉水族館におり、入院している空という兄がいた。その頃、世界中の水族館から魚が消えるという現象が起きており、琉花は海と空を中心に起こる不思議な出来事に巻き込まれていく。

以前、1巻だけ読む機会があって、まとめて読んだんですが、ラストが全然わからなかったです。コミックスの裏表紙には「そこで始まったのは−”本番”」とあったんですが、本番が何かまったくわからんちん。

確かに言葉にできないものというのがたくさんあって、琉花という少女も自分の思っていることを言葉に表現できず、先に手を出して、相手を傷つけて、とやってるわけなんですけど、曲がりなりにもそこは漫画なんだから、言葉使ってくれよ…。
それに琉花がまるで被害者のような心情で部活に来なくていいと言われるのも、相手に怪我させてるんだから、反省しろよと。
まあ、途中から人間だけじゃなくて鯨や魚や鯱といった言葉を持たないような生き物も多く登場して、そちらの方が主体になっちゃった感もあるので言葉では表現できないような話なのかもしれませんが、何が本番なのか、ちっともわからなかったという…。

人を選ぶ漫画のようですネ。

2016/2/15追記
返す前に読み返してみたら、最初と最後で琉花と思しき老婆が孫に自分の体験を話しているというシーンが挿入されてました。孫に語れるのなら何が起きたのか説明できるはずじゃないでしょうかね? ただの手抜きですか?

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