森鴎外原作。佐藤宏之作画。リイド社SPコミックス刊。
タイトルだけ知ってたんですが、内容を知らなかったのでお手軽に漫画で読んでみた。
大昔、たきがはがマンションに住んでた時、母同士が仲のいいご近所さんで阿部さんていたのですよ。その時、マンションの郵便受けに「阿部一族」って標識があって、どういう意味か知らなかったんだけど覚えたわけ。で、後で森鴎外の小説だと知ったわけ。で、今回、初めて内容を知ったんですが…(((((((( ;゚Д゚))))))) 内容わかってて掲げてたんだったら、洒落にもほどがあるわいと思った次第。
江戸時代、肥後藩。藩主・細川忠利の死に際し、殉死を願い出ていた阿部一族の当主・弥一右衛門はその許可が得られぬまま、忠利の死とその息子・光尚が肥後藩の藩主になったのを迎える。しかし、古くからの臣下でありながら殉死しなかった弥一右衛門への風当たりは強く、弥一右衛門は犬死にと知りながら、切腹する。阿部一族は長男の権兵衛が跡目を継ぐが、藩の命により、その知行は分断されてしまい、親戚や郎党に肩身の狭くなった権兵衛は、忠利の一周忌の法要で捕縛され、斬首されてしまう。藩は次男の弥五兵衛を阿部家の当主にしようとするが、あまりに情の欠いたやり方に阿部一族は反発、屋敷に立てこもって藩の差し向けた討伐隊と戦って全滅するのだった。
実際にあった事件だそうで、主に次男の弥五兵衛の視線で描かれるんですけど、キャラのかき分けが後半になるとできなくなっており、誰が誰だかわかりづらかったです。あと、時代劇をあんまり描き慣れてないんじゃないかなぁって思うぐらい、画面が平坦だし、白いし(髪の毛とか着物は色ついてるけど、陰影がない)そもそも絵が上手くな(もがもが)
他にどういう漫画を描いた方なのかと思ったら、「気分はグルービー」という高校生ロックバンド漫画を「マカロニほうれん荘」と同時期に週刊少年チャンピオンに連載してたそうですが、当然、読んでないです。たきがはは音楽系の漫画はほとんど読まないもんで(「Toy」とか「3-Three」とか…)。あと絵柄もあんまり好きじゃなかったもんで。
話的には最近、何かとサムライつけたがる今の日本ですが、サムライってほんとはそんなに格好いいものじゃないし、むしろ、わしが江戸時代に生まれるとしても武家だけは御免被りたいって思うぐらいなんで、何というか、藩主の死にかこつけて、目の上のたんこぶ的な存在だった阿部一族を皆殺しにするよう仕向けた感じの林外記(って名前の家老っぽいおっさん)の方がおつむが上だったけど、まぁ、陰惨も陰惨な手を使いましたよねって感じでした。
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