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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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天馬の血族

竹宮惠子著。あすかコミックス。全24巻。

「地球(テラ)へ…」、「ファラオの墓」や「風と木の詩」など話題作、大作、傑作、問題作をなしてきた竹宮惠子の大作です。個人的には「地球へ…」と「エデン2185」が好き。「風木」ではセルジュでもジルベールでもオーギュでもなくアスランが好きv

ASKAで連載していた頃にぱらぱらと断片的に読んだ記憶がありまして、通して読んでみました。

モンゴルっぽい国の皇子オルスボルトとイスマイルの世界を股にかけた兄弟喧嘩と和解の話。と書くと、すごく省略してますが、そこに帝家の正当な後継者でありながら草原で育ったアルトジンとか、異形の帝とか、オルスボルトの忠臣サイード(この人がいちばん好きだった)とか、諸国の人びとといったまぁ、多種多様な登場人物がおりなすヒロイック・ファンタジーです。

「地球へ…」のスケールの大きさに負けず劣らぬ大作で、登場する国も仏教っぽい宗教国とか、北の蛮族とか南のアマゾネスとか、商売の国とか、ジャンルを問わずに多作を誇る著者らしく、多彩。さらに帝に忠誠を誓わされている忍者っぽい要素も持つ巴紋とか、生き別れの修多羅(「しだら」と読む)とユルクの兄弟とか、いやいや、これでもかと要素を盛り込みつつ、でも少女漫画の路線からは外れない王道を行く展開とか、また言っちゃいますけど、竹宮惠子恐るべしです。

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歴史の偽造をただす

中塚明著。高文研刊。

副題は「戦史から消された日本軍の『朝鮮王宮占領』」です。

そのサブタイトルのとおり、扱いのほとんどは日清戦争の発端となった「朝鮮王宮占領」ですが、ひいては「坂の上の雲」や「龍馬がゆく」などがもてはやされている司馬遼太郎の歴史観などにも突っ込みが入り、日本人が敗戦後、どうして原爆や東京空襲、沖縄戦などの被害者意識ばかり拡大し、戦場となったアジアの人びとを2000万以上も殺害したという事実は触れず、ほとんど加害者としての立場は忘れ去ってきたか、その発端がこの朝鮮王宮の占領にあるという指摘にまで及びます。

歴史は勝者が書くもの、という意識はたいがいの人が持っていると思いますが、まぁ、ここまで自分たちにだけ都合がいい(よって一歩、国外に出るとまったく通用しない)歴史観をよく日本人は育ててきたものだと。

日本という国が100年後に名を残すとしたら、それは「第二次世界大戦を引き起こしたファシズム国家であり、アメリカの物量の前に敗戦、しかし、そのことを忘れて、折しも突入した冷戦でアメリカに尻尾を振ることにより、朝鮮戦争などの犠牲の上に経済大国として復興したが東日本大震災における原発事故の収束を誤り滅亡」とか、ろくでもないことだけは間違いがないと確信しました。

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サイコ

監督:アルフレッド=ヒッチコック
原作:ロバート=ブロック
出演:ノーマン=ベイツ(アンソニー=パーキンス)、マリオン(ジャネット=リー)、ライラ(ヴェラ=マイルズ)、サム(ジョン=ギャヴィン)、アーボガスト(マーティン=バルサム)、ほか
音楽:バーナード=ハーマン
アメリカ、1960年

ヒッチコック監督の古典的なサイコ・サスペンス。原作付きだとは知りませんでした。

小さい不動産会社で働くマリオンは別れた妻への慰謝料で頭を痛めるサムとの不倫状態に疲れており、来客の持ち込んだ4万ドルに魔が差して、持ち逃げしてしまう。アリゾナ州のフェニックスからサムの住むカリフォルニア州に向かったマリオンは、そのおどおどした態度を警官に怪しまれつつも、車を買い換え、ベイツ・モーテルに一泊することになる。そこの若い主人ノーマンは、精神を病んだ母親と2人で暮らしていたが、彼との話でマリオンは横領した金を返そうとするが、その晩、何者かに殺されてしまい、ノーマンによって車ごと沼に沈められる。マリオンの妹ライラは、姉が横領した金の行方を追って、恋人のサムのもとにたどり着くが、そこに現れた私立探偵のアーボガストは、マリオンが金を返せば、依頼主は警察沙汰にしないと言い、ライラもサムも協力することになる。やがてマリオンがベイツ・モーテルに泊まったことを突き止めたアーボガストだったが、ノーマンと話すことで彼が人前に出そうとしない母親が何かを知っていると思い、その屋敷に侵入するが逆に殺されてしまう。アーボガストから連絡の来ないことを不審に思ったライラはサムとともにベイツ・モーテルに向かうが、近くの町の保安官はノーマンの母親は10年前に死んだはずだと言う。ノーマンの屋敷にいるのは、いったい誰なのか?

前半は4万ドルを盗んだマリオンの逃亡劇が中心で、まるでなってない魔が差した犯罪者の心理というのが、くどいくらいに描写されちゃいます。まあ、これはマリオンに同情するための演出でもあるらしいのですが、どんとかまえられないほど、マリオンというのは普通の女性なので、ノーマン=ベイツと話すことで、自分が罠にはまったことに気づき、逆に4万ドル返そうという気持ちになるのはいい流れでした。

それだけに何者かにあっという間に殺されてしまい、4万ドルごと沼に沈められるマリオンは気の毒で、後半、マリオン探しから次第にベイツ・モーテルに話が集約していく展開はなかなか見事でした。

サムは全然いいヤツじゃなかったんですが、後半はライラと頑張ってノーマンというか、ノーマンの母親を逮捕するのに頑張ったので、株を上げました。まぁ、この後、ライラと結ばれるかどうかは別問題な気がしますが。

そして、線の細いアンソニー=パーキンスは、「オリエント急行殺人事件」からあんまり変わってない感じでした。14年も経ってるんだけどな。

途中までは別に怖くもなく、最近の映画と違って死体も血も派手に写さないものですから、わりと平気で観てられたんですが、ラストのノーマンの笑いはほんとに背中が寒くなった! 母親の独白よりも、母親がノーマンを乗っ取ったというのがあの笑顔に集約されていて、怖かったです。

あとオープニングの演出と音楽も良かったです。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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阿部一族

森鴎外原作。佐藤宏之作画。リイド社SPコミックス刊。

タイトルだけ知ってたんですが、内容を知らなかったのでお手軽に漫画で読んでみた。

大昔、たきがはがマンションに住んでた時、母同士が仲のいいご近所さんで阿部さんていたのですよ。その時、マンションの郵便受けに「阿部一族」って標識があって、どういう意味か知らなかったんだけど覚えたわけ。で、後で森鴎外の小説だと知ったわけ。で、今回、初めて内容を知ったんですが…(((((((( ;゚Д゚))))))) 内容わかってて掲げてたんだったら、洒落にもほどがあるわいと思った次第。

江戸時代、肥後藩。藩主・細川忠利の死に際し、殉死を願い出ていた阿部一族の当主・弥一右衛門はその許可が得られぬまま、忠利の死とその息子・光尚が肥後藩の藩主になったのを迎える。しかし、古くからの臣下でありながら殉死しなかった弥一右衛門への風当たりは強く、弥一右衛門は犬死にと知りながら、切腹する。阿部一族は長男の権兵衛が跡目を継ぐが、藩の命により、その知行は分断されてしまい、親戚や郎党に肩身の狭くなった権兵衛は、忠利の一周忌の法要で捕縛され、斬首されてしまう。藩は次男の弥五兵衛を阿部家の当主にしようとするが、あまりに情の欠いたやり方に阿部一族は反発、屋敷に立てこもって藩の差し向けた討伐隊と戦って全滅するのだった。

実際にあった事件だそうで、主に次男の弥五兵衛の視線で描かれるんですけど、キャラのかき分けが後半になるとできなくなっており、誰が誰だかわかりづらかったです。あと、時代劇をあんまり描き慣れてないんじゃないかなぁって思うぐらい、画面が平坦だし、白いし(髪の毛とか着物は色ついてるけど、陰影がない)そもそも絵が上手くな(もがもが)

他にどういう漫画を描いた方なのかと思ったら、「気分はグルービー」という高校生ロックバンド漫画を「マカロニほうれん荘」と同時期に週刊少年チャンピオンに連載してたそうですが、当然、読んでないです。たきがはは音楽系の漫画はほとんど読まないもんで(「Toy」とか「3-Three」とか…)。あと絵柄もあんまり好きじゃなかったもんで。

話的には最近、何かとサムライつけたがる今の日本ですが、サムライってほんとはそんなに格好いいものじゃないし、むしろ、わしが江戸時代に生まれるとしても武家だけは御免被りたいって思うぐらいなんで、何というか、藩主の死にかこつけて、目の上のたんこぶ的な存在だった阿部一族を皆殺しにするよう仕向けた感じの林外記(って名前の家老っぽいおっさん)の方がおつむが上だったけど、まぁ、陰惨も陰惨な手を使いましたよねって感じでした。

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福沢諭吉のアジア認識

安川寿之輔著。高文研刊。

副題は「日本近代史像をとらえ返す」です。

先日読んだ「東学農民戦争と日本」がすごく勉強になった上、他の書籍の紹介で興味のありそうなタイトルが並んでいたので出版社で乱読です。

わしは福沢諭吉という人物については確か「脱亜論」という書籍で朝鮮半島の植民地化を正当化するようなことを言っているというのをどこかで読んで以来、基本、評価しておりません。ただ1万円札の肖像画に選ばれたのを知った時もそれほど嫌悪感がなかったんですが、この本を読んで、俄然大嫌いに評価が変わりました。いやぁ、知らないことを知るのはおもしろいです。まぁ、おもしろいと言ってしまうのは、福沢のなした罪はあまりに大きく、今も大多数の日本人が持ってるアジア、特に中国と朝鮮への蔑視が大元をたどれば福沢にあるのだと思うと何も考えずに1万円札を持っていたことが恥ずかしくなりました。

同時に何かよくわからないけど高評価されてる丸山真男という人物が歴史修正主義者と言ってもいいぐらい、自分に都合のいい部分しか受け入れないのだということもわかりまして、毎度、目から鱗がぼろぼろ落ちました。

福沢の残した論稿について、全時代に渡って網羅されており、その文がどんなものかというのが詳細に追求されているので、福沢諭吉について知りたかったら、この本を読むことをお薦めします。

ただ、あとがきで著者が「私の学問上の片思いの恋人キム=ハクスンさん(言うまでもなく史上初めて自分が従軍慰安婦だったことを名乗り出た方。故人)にささげたい」という一文はいただけないと思いました。そういうのは心に秘めておけよと言いたいです。「DAYS JAPAN」という雑誌でも編集長が「大ファンです」とか編集後記に書いてるのを読んで冷めちゃったんで。

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